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宇宙飛行士・大西卓哉が宇宙でウルッときたこと!

2016.12.31
’16年、日本人11人目の宇宙飛行士として宇宙へ飛び立ち、無事帰還した大西卓哉さん。国際宇宙ステーションで過ごした忙しい日々は、地上から支えてくれたスタッフやクルーへの感謝と、地球に住むありがたさを実感する日々だったそう。

JAXA宇宙飛行士として、’16年7月から115日間、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在した大西卓哉さん。地上から約400kmも離れた宇宙で、どんな生活をしていたのだろうか。

おおにし・たくや 1975 年生まれ。旅客機のパイロットを経て、’11年JAXA宇宙飛行士に。厳しい訓練を経て宇宙へ旅立ち、長期滞在を遂行。

助け合い、感謝にあふれた115日間でした。

「無重力環境を生かして、新しい薬や材料を研究開発するための実験をたくさん行いました。自分の血液や尿のサンプルも採りましたが、僕は採血が大の苦手だったので、毎回大騒ぎ(笑)。オフタイムには他国の宇宙飛行士とディナーを楽しんだり、散髪してもらったり、地球の撮影をしたり。宇宙で記したブログの読者さんから、大変な任務なのにとても楽しそうと言われるほど充実した日々でした」

タスクをこなすうえでは、ほかの宇宙飛行士や地上スタッフに、とても助けられたと大西さん。

「クルーは、基本的に宇宙ステーションの中の別々の場所で仕事をしていることが多いんです。そのためお互いの姿は見えないのですが、地上との交信は全員が聞けるようになっています。そこで、誰かが困っているのを聞きつけたら、自然とほかのクルーがサポートに駆けつけるようになっていました。地上スタッフとは、24時間通信が可能です。作業する時は丁寧に説明してくれるし、トラブルが発生したら地上のみんなで解決策を検討してくれて。宇宙でも地上でも、お互い助け合って感謝し合う。そういうやりとりのあることを、とても心強く感じました」

地上スタッフからは、思いも寄らぬ応援を受け取ったことも。

「フラクトオリゴ糖を摂って、免疫機能の変化を調べる実験があったんです。そこで開封するオリゴ糖の袋に、ちょっとしたジョークが書いてあるんです。“ありがとう! オリゴ糖!”みたいな。これには心が和みましたね。ほかにも、滞在後半に行った実験機器の梱包テープに“宇宙滞在あと少し、ファイト!”と書かれていたり。思いがけない声援が沁みて、ウルッときました。本当にありがたかった。この気遣いは、日本人ならではだと思います」

地球へ帰還してからは、宇宙へ行くまで当たり前のように目にしていたものにも、感謝や感動を抱くようになったそう。

「普通の食事を、すごく美味しくありがたく感じます。あとは、色ですね。ISSでは無機質な機械に囲まれているので、イチョウの黄色や空の青、草木の緑など自然の生み出すカラフルな情景にありがたみを感じました。この感動を含め、宇宙滞在での貴重な経験や実験の成果を、みんなで共有するのがこれからの目標。そこから宇宙で役立つ新たなスキルを身につけて、いつかまた宇宙へ行きたいと願っています」

おおにし・たくや 1975 年生まれ。旅客機のパイロットを経て、’11年JAXA宇宙飛行士に。厳しい訓練を経て宇宙へ旅立ち、長期滞在を遂行。

※『anan』2016年12月28日-2017年1月4日合併号より。写真・小笠原真紀 文・風間裕美子

(by anan編集部)

ananwebでは、宇宙ステーションに滞在中の大西さんがanan総研の人生相談に答える連載を配信中。その連載はこちら!