就活のトラウマで恋愛下手に? 「コスパ悪い」恋愛に踏み込めない現代女性

2016.12.1
恋愛はしたいのに、好きな人がいない…そんな現代に生きる、悩める独身女性たちにアンケートを行いました。

付き合っている人のいない独身女性247人へのアンケート、その結果がこちら。

Q1. いま、好きな人がいない人に質問です。どのくらいの期間、「好きな人」がいませんか。
~3か月…2.2%、~半年…10%、~1年…11.1%、~3年…21.7%、~5年…55%

Q2. 自分は出会いが多いほうだと思いますか?
NO…90.2%

Q3. 恋愛に苦手意識はありますか?
YES…63.7%

Q4. 恋愛に苦手意識がない/ある、それぞれの理由。
【苦手意識はない派】恋愛は楽しい。気軽に話しかけられるほうだから。見た目はそんなに悪くないから。いい人がいれば、行動できるほう。どんどん、恋愛したい。
【苦手意識はある派】なかなか素を出せない。男の人と、何を話していいか分からない。自分に自信がなさすぎる。女子校育ちで、男性に免疫がない。男性運がない。駆け引きとか、苦手。どうやって好きになったらいいか分からない。相手の気持ちをうまく汲み取れない。過去を思い出して、億劫になる。容姿に自信がない。恋愛は疲れる。経験が少なすぎて、無理。

Q5. あなたに「好きな人」ができない理由はなんだと思いますか?
1位…出会いがないから 2位…自信がないから 3位…人と深く関わるのが苦手だから 4位…分かりません 5位…他人に興味が持てないから

Q6. いま現在、異性と出会うために何か積極的に行動していますか?
NO…89.8%

Q7. 出会いを求めて積極的に動かない理由を教えてください。
面倒だから…68人 仕事が忙しいから…31人 必要ないから…25人 どう行動していいか分からない…23人 時間がないから…19人 恋愛経験がないから…12人 そのほか…41人

これらの結果を、コラムニストの河崎環さんに分析していただきました!

恋愛経験なし=年齢っていう子、多いかも?
恋愛経験なし=年齢っていう子、多いかも?

恋愛はコスパが悪い。2層化する女子の実態。

「恋や結婚をするというのは、日常に変化が訪れること。仕事の時間をデートのために削ったり、休日出勤を彼氏に咎められることもある。また結婚したら、相手に合わせて引っ越す可能性も。有能な女性にとっては、安定したいまの暮らしを捨ててまで恋したいと思う相手とはなかなか巡り会えないもの。一方で、恋愛に苦手意識を持つ層も、出会いがあっても恋に結びつけることができない。出発点は違えども、“恋をしていない”という同じ状況であることは間違いない。いま恋に迷える女性は、この2つのゾーンに当てはまるのではないでしょうか」(河崎さん)

社会の流れは男女ともに「恋愛衰退」の兆し。

「恋は、日常を逸脱することから始まるもの。秩序が保たれ、さらに真面目な人が多い日本では、破天荒な振る舞いはタブーだと、小さい頃から教育されています。つまり、社会の成熟が進めば進むほど、恋愛がしにくい土壌が生まれてしまうんです。それは男性側も同じこと。さらにもはや成長が望めない経済状況下では、恋愛や結婚という“不確定要素が多いもの”は、なるべく避けたいと思うもの。でも日本人は前述したように真面目なので、“結婚しない自分はダメなのでは…”と思い悩んでしまう。理性を取っ払える環境に自分を置くくらいしか、解決策はないのでは…」(河崎さん)

恋というより、婚活。“就活”トラウマの傷。

20代からアラサーは、過酷な就職活動を経験している世代。ゆえに自分の客観視に長けている。

「自己分析シートなど“他者の作った物差し”で長所と短所を洗い出したり、セミナーで他者から散々評価される。加えて内定の数という分かりやすい数字もある。就活で“徹底的に自分を評価し、評価される”ことで、もはや物事を主観的に見られなくなっているのでは。恋は主観でするものですから、客観眼が磨かれ、自分の立ち位置を自覚させられた人たちにとっては、見ず知らずの相手に飛び込むなんて、もはや不可能です」(河崎さん)

かわさき・たまき コラムニスト。All Aboutガイドを経て時事問題、女性活躍、子育てなどをテーマに執筆。著書『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)が、11/30に発売。

※『anan』2016年12月7日号より。(C)JohnnyGreig

(by anan編集部)