関水渚「いつも“コソ練”してます! (笑) 」 実は不器用で負けず嫌いな一面も!?

2024.1.27
かわいく、明るく、そしてとびきりクールに。シャッターが切られるたびにがらりと表情を変える関水渚さん。ときにはジョークで周りを和ませる、そんな様子に飾らないキャラクターもにじみ出て…。近年立て続けにドラマや映画に出演し、昨年は大河ドラマでも幅広い世代に印象を残した次世代ヒロインは、美貌だけでなく内面もまた極めつきに素敵です。
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――清楚な雰囲気からクールな表情まで…幅広い表現のなかでもお茶目な一面が魅力的でした。

関水渚さん(以下、関水):ありがとうございます(笑)。それは直近に撮影したコメディドラマ『婚活1000本ノック』の影響かもしれません。私はヒロインを煽るライバル役で、鏡の前で「いかにウザい表情をつくるか」の練習をしていたので、クセのある仕草や話し方が残ってるんです。…あ、水いただいていいですか?(ごくごく)…ああ、おいしい。

――そもそも関水さんは「ホリプロスカウトキャラバン」を機にデビューされたと伺いましたが。

関水:そうなんです。“キャラバン”に出たのは17歳のときだったんですけど高校が芸能活動禁止だったので、活動を始めるのは高校卒業後になりました。石原さとみさん出演の月9『リッチマン、プアウーマン』にあこがれて「いますぐに俳優になる!」って思っていたけど、両親に「いまの学校を出てからでも遅くはないんじゃない?」とアドバイスを受けて。

――どんな高校生でしたか?

関水:野球部のマネージャーをやってました。野球部の子が「マネージャーやってくれない?」って言うから私もノリで「やるわ!」って始めたら…けっこう忙しかったですね。日曜から土曜まで練習があって…、あ、それ毎日だ(笑)。でもあの日々のおかげで一人っ子の私は同世代の男子との接し方を学んだ気がします。「男の子同士で盛り上がってるときはほっとく」…とか。男女問わず同級生はいい子たちばかりで、いまは一緒に卒業できてよかったと思います。このあいだも街でばったり会って急きょお茶したし…(笑)。

――素敵な高校生活ですね。ちなみに趣味はウィンドサーフィンと聞きましたが、その頃から?

関水:ウィンドサーフィンは父の影響で3年前に始めました。サーフボードみたいなものの上に帆を立てて、その上で体の重心を移動させながら前に進むスポーツで。すっごく技術が必要で、簡単には上達しません。海にボチャンすることもしょっちゅうですよ。落ちそうなときほど、海面にクラゲがいっぱい見えて「落ちたら刺されて腫れる~!」って。だから作品に入ってるときは控えますけど、トビウオが跳ねる姿や、太陽の光で海がキラキラするのをボードの上から見ると「自然より美しいものはないな」って実感します。

――お父さんと一緒に海に行くことはないんですか?

関水:行きたいです! 私は父が大好きなので。でもいま父は難しい試験に向けて勉強中なんですよ。このあいだもテレビで見た素敵なお店に誘ったら「いまは試験勉強を悔いなくやり切りたいから」って断られました。「一応私、一人娘なんですけど…(笑)」って思いつつ、自分も父みたいに、目標に対して全力でありたいです。

実は不器用で負けず嫌い。仕事も趣味も“コソ練”派。

――2024年は新春から出演作が目白押しですが、忙しいなかで日々全力を尽くすために心がけていることはありますか。

関水:一つ一つの役に、最大限の時間を取ることです。忙しいからってその役に本気で向き合わなかったら後悔するのは自分。だけど忙しいときこそ睡眠時間も大事にしたいので、覚え方そのものを工夫しています。私は音で覚えるのが得意なので、一度台本を音読して録音したものをイヤホンで聴いて覚える。繰り返し聴くことで、自分の言葉としてセリフを言えるようになるまで、体に染み込ませる!

――近道はないんですね。

関水:ないですねえ…。私ほんとに不器用で、一個のことしかできないから。だけど澄ました顔で「できてますけど?」って言いたいほうだから、いつも“コソ練”してます!(笑) 最近は陶芸にハマってて、その腕前を上げる練習として絵をコソ練してます。絵のセンスを磨くことで、配色とか造形も上達する気がして…。だけど絵を描き始めると没頭しちゃうので、これもオフの日限定です。

――お仕事が最優先事項?

関水:はい。友達とお茶してるときも何か思いつくと「ごめん!」って急に台本を引っ張り出してメモしたりしちゃいます(笑)。そんなかんじで作品中は常に脳の片隅に仕事があります。お芝居の中で俳優さんとぶつかり合って心がふるえる瞬間も、プロの大人たちが真剣になって準備している学園祭みたいな現場の空気も大好き!

――確かに“祭り”ですよね。

関水:いやほんと、そうなんですよ! みんなで汗水たらして一つのものを作るのが最高に楽しくて。

――それほどのめり込むまでには、悩んだ時期もありましたか。

関水:…そうですね。自分を追い込みすぎて、ゼリーくらいしか喉を通らなくなったり、大きな賞をいただいてもプレッシャーに感じてしまったりした時期もありました。そのなかで仲村トオルさんと共演させていただいた2021年のドラマ『八月は夜のバッティングセンターで。』は、私が変わる節目になった作品です。私の役は、心理的な原因で投げられなくなり、部活に行けなくなってしまったピッチャーで、バッティングセンターでアルバイトをしている「舞」、トオルさんはそこによく来る謎の「おっさん」(笑)。でも、野球から逃げ回ってた舞がもう一度野球と向き合おうというなかで、そのトオルさんの言葉の一つ一つが胸に響きました。なかでも「じゃ、もう野球やらなくていいんだな?」と言われたシーンでは、舞と自分の境遇が重なって、自分だけのものじゃない涙がこぼれました。最終回、野球ボールに書いてあった「臆せず前へ」というトオルさんの字が忘れられません。これからの私の俳優業に向けての言葉のようにも感じて、いまも大切にしています。

末澤誠也さんと関水さんによるW主演のMBSドラマ特区『彼女と彼氏の明るい未来』は毎週木曜24:59~MBS 毎日放送で絶賛放送中(放送地域により曜日や時間が異なる)。超ネガティブ男子が最愛の彼女の驚愕の過去を知ったら…? 絶望から始まる、ちょっとブラックなラブコメディ。見逃し配信は「TVer」にて。

せきみず・なぎさ 1998年6月5日生まれ、神奈川県出身。「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でファイナリストに選ばれたことを機にデビュー。放映中のW主演ドラマ『彼女と彼氏の明るい未来』のほか、ドラマ『婚活1000本ノック』(フジテレビ系、毎週水曜22:00~)にも出演。目標は「王道恋愛ドラマのヒロインになること」。

トップス¥38,800 スカート¥58,300(共にミランニ/ドレスアンレーヴ TEL:03・5468・2118) イヤリング¥1,980 バングル¥2,090(共にゴールディ TEL:0120・390・705) ブーツはスタイリスト私物

※『anan』2024年1月31日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) スタイリスト・後藤仁子 ヘア&メイク・井手真紗子 インタビュー、文・大澤千穂

(by anan編集部)