冬の必需品【加湿器】 専門家が教える、失敗しない選び方&おすすめ名機8選

2023.12.4
ただでさえ低い冬の湿度、意図的に加湿しないとまったくもって足りません。そんなときに役に立つのが加湿器! もはやこれ、冬の必需品。どんな種類があるのか、またどう選ぶのがいいのか、専門家に聞きました!

かわいさに惑わされず、性能重視で選ぼう。

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ヘルシーな生活と深い関係にある湿度。その概念がこの10年ほどで広がり、今や家電市場の中でも加湿器は大きな割合を占める商品に。質実剛健タイプから、雑貨的かわいさのあるものまで、とにかく商品数が多い! で、私に合う加湿器はいったいどれ…。

「加湿器はどう加湿するかの仕組みによって、スチーム式、気化式、超音波式、そしてそのいずれかの機能を2つ合わせたハイブリッド式、大きくその4種類に分かれます。また加湿器は置く場所の広さに合わせて設計されているので、8畳の部屋を加湿したいなら〈8畳用〉を選びましょう。畳数と同じものがないときは、数字が大きめで、なおかつ湿度センサーが付いたものにすると、加湿しすぎも防げます。また、昨今おしゃれでかわいい形のものも増えていますが、その多くが非常に掃除がしにくいタイプ。後述しますが加湿器にとってメンテのしにくさは命取りになるので、凝ったデザインは避けたほうがいいと思います」(家電ライター・石井和美さん)

主な加湿器の種類はこちら

TYPE1 スチーム式
お湯を沸かして蒸気を放出。加湿もでき部屋も暖か。

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昭和の時代からある、お湯を沸かしあったかい蒸気を放出、それで部屋を加湿するスタイルの加湿器。「やかんや電気ポットを想像するとわかりやすいです。わりと寸胴で大きめのタイプが多く、熱い湯気が出るので部屋も暖まります。ただ火傷には注意したいのと、ヒーターを使うので電気代が比較的かかる」

TYPE2 気化式
水を含ませたフィルターに風を当て、蒸発させる。

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内蔵のファンで風を起こし水を含ませたフィルターに当て、蒸気を含んだ風を放出。「濡らしたタオルにサーキュレーターで風を当て、水分を蒸発させるのと同じ原理です。フィルターのお手入れをきちんとすれば、雑菌の発生も防ぎやすい。ファンを回すので音がするのと、冷たい風が放出されるのが難点」

TYPE3 ハイブリッド式
加熱と気化、加熱と超音波。それぞれの長所を合体!

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2つの方式を組み合わせた加湿器。人気は〈加熱気化式〉と〈加熱超音波式〉。「加熱気化式は、フィルターに温風を当てて蒸気を送り出す方法。水分を揺らしてミストを発生させる超音波式とヒーターが合体、温かいミストを発生させ加湿するのが加熱超音波式。いずれも加湿が早いことで人気です」

この冬のおすすめの加湿器

毎年本当にたくさん登場する加湿器たち。今回は石井さんが、「本当にしっかり加湿できる名機」を8つ厳選。加湿能力も高くお財布にも優しい。そしてどんな環境にも馴染むシンプルデザイン。この冬のパートナーを探せ!

【plus more】湿度コントロール ハイブリッド式加湿器 PEXHF004

ハイブリッド式(加熱×超音波)

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タンクの取り外し可能! アロマも使える高機能。
湿度コントロール機能付きの、加熱×超音波で加湿するタイプ。タイマーやリモコンも付属。「加湿範囲が広くパワフル。取り外し可能なタンクは抗菌剤を練り込んだ仕様。アロマオイルを使い加湿しながら香りも楽しめる。価格もリーズナブル」。¥10,978(plus more/ライフオンプロダクツ TEL:0570・080856)

【ティファール】加熱超音波式加湿器 スチーム アンド ミスト HD3040J0

ハイブリッド式(加熱×超音波)

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容器を洗い水を入れ替え。メンテナンスが超簡単。
加熱×超音波式の加湿器。湿度モニター付きで、状況に合わせて加湿量を3段階で自動調節。「コンパクトながら加湿スピードが速い上、フタとタンクがさっと取り外せ、お手入れがしやすい。場所を選ばないシンプルなデザインも◎」。¥16,400*編集部調べ(ティファール TEL:0570・077・772)

【ダイニチ】加湿器 HD‐RXT523

ハイブリッド式(温風×気化)

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汚れがちなフィルターとトレイは使い捨ても可能。
気化式にヒーターを組み合わせた、ハイブリッド式の加湿器。「風が冷たくないので、室温が下がらないのがいいです。お手入れ面も優秀で、タンクの洗いやすさはもちろん、水を含ませるフィルターとそれを乗せるトレイは使い捨てできるので、衛生的」。¥29,770*編集部調べ(ダイニチ TEL:0120・468・110)

【パナソニック】ヒーターレス気化式加湿機(中小容量タイプ) FE‐KF W07

気化式

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とにかく電気代が安い! さらに嬉しい静音設計。
石井さんが「気化式ならこれ一択!」と激推しするのがこちら。「国内メーカー品で、機能、サイズ感、デザインの三拍子が揃うのはこれ以外なし。さらにモーターが優秀で、気化式につきもののモーター音がとても静か。寝室でも使える静かさです」。¥31,000*編集部調べ(パナソニック TEL:0120・878・698)

【YAMAZEN】スチーム式加湿器 KS‐GD28

スチーム式

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土台とタンク部分が分離。給水・排水がラクラク。
お湯を沸かし、蒸気で加湿をするポットタイプの加湿器。「水を入れるタンクと土台部分が簡単に分離できるので、給水はもちろんタンクの掃除がとても楽。急速加湿モードや切タイマー運転もでき、形はシンプルですが欲しい機能は揃っています」。¥13,800*編集部調べ(YAMAZEN/山善 TEL:0570・077・078)

【象印マホービン】スチーム式加湿器 EE‐RS35

スチーム式

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魔法瓶メーカーが作るポットのような加湿器。
スチーム式の中でダントツの人気を誇るこちら。沸騰させたきれいな蒸気を約65°Cまで冷まし、放出。「広口のタンクは給排水しやすく、万が一転倒しても湯漏れしない構造。湿度モニターや入切タイマー付き。清潔を保つためのクエン酸洗浄モードも搭載」。¥16,280(象印マホービン TEL:0120・345135)

【アイリスオーヤマ】加熱式加湿器 SHM‐120R1‐W

スチーム式

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片手サイズですが、連続運転11時間可能!
本体約800gのミニサイズですが、タンクの容量は1.3Lで、約11時間の連続加湿が可能。「ほわほわ優しく出る蒸気が一見癒し系ですが、スチーム式なので加湿能力もなかなかパワフル。長時間加湿が可能なので寝室でも活躍します」。¥2,728*編集部調べ(アイリスオーヤマ TEL:0120・311・564)

【ツインバード】スチーム式パーソナル加湿器

スチーム式

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設置面積はA5サイズ以下。デスクの上でも使えます。
身の回りを加湿したい、そんなときに重宝するミニサイズのスチーム式。水を入れるタンクは抗菌加工なので、衛生面も安心。「小さいですが、実際使ってみると非常にパワフル。アロマトレイを装着すればアロマオイルも使えるので、香りのリラックス効果も」。¥4,980(ツインバード TEL:0120・337・455)

◎掃除しやすさと安全性。この2つを重視し、選ぶことが大事。

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加湿器の中に雑菌が発生すると、菌が空気中に放出されてしまい、吸い込むことで肺炎などの健康被害を及ぼすことが。

「それを防ぐためには、どの方式でもこまめなお手入れをすること、一択。毎日水を取り換え、取り換えるたびにタンクをすすぎ、さらに定期的にスポンジで洗いましょう。気化式はフィルターやトレイの清掃も必須。いずれもタンクが外れて洗いやすい、手やスポンジが楽に入るといったことを考えて選ぶことが大事。また、水と電気を使う加湿器は、使い方を間違えると火事の危険性も。メーカーの素性が怪しい商品は避けるのが賢明です」

石井和美さん 家電ライター、家電プロレビュアー。ウェブ媒体を中心に家電にまつわる記事を執筆。テレビに出演し、最近の家電事情についてガイドをすることも。家電をレビューするために一戸建ての〈家電ラボ〉を開設し、冷蔵庫などの大型家電の検証も行う。

※『anan』2023年12月6日号より。イラスト・タソカレー

(by anan編集部)