乾燥で急に老けこんでない? 風邪対策にもいい「肌が潤う」簡単な方法 #191

文・大久保愛 — 2022.12.15
気温が低下し空気の乾燥をより強く感じます。いつもに比べてシワが目立ち、肌のキメなどが粗くなっていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、肌が潤う簡単なコツを教えてくれます! 風邪対策にもなりますよ。

最近特にシワやキメの粗さが気になりませんか?

乾燥 潤い 肌 シワ キメ 整える 方法 コツ 習慣 対策 中医学 漢方 食薬

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 191


空気の乾燥が気になる時期になってきましたね。加湿器の準備はできていますか? 最近、なんだか老けたなと感じることはないでしょうか。肌の乾燥やドライアイ、喉の乾燥など私たちのカラダからどんどん水分が飛んでいってしまうことを実感しますよね。

いつもあまり気にならなかったシワが深くなったり、肌のキメが荒くなったり、スネやヒップなどがガサガサになったりすることもあると思います。念入りなお肌の保湿やお部屋の加湿などが必要になります。逆にいうと、急に老けたな感じたとしても、一時的なものなのでしっかり保湿するとすぐに改善を体感できるともいえます。

この時期、一年の終わりということで、久しぶりに顔を合わせる人も増えると思いますが、いつ見ても若いよね! という印象を残すためにもカラダの外側と内側の両面から潤いケアを行っていきましょう。そこで、今回は急に老けこんだときの食薬習慣を紹介していきたいと思います。

今週は、お肌が老けこんだときの食薬習慣

空気の乾燥を強く感じるようになりましたね。この時期、もともと小ジワが気になっていたい人は、その部分がより深いシワへと進行しているかもしれません。季節の特徴とはいえ、空気の乾燥は侮れませんよね。

そして、ちょっと老けたなと感じた人は、同時に風邪対策も必要になります。私たちのお肌や粘膜など外界と接する部分の乾燥は、バリア機能の低下にもつながってしまうからです。冬の急な老け顔は風邪対策の強化の合図であることも同時に認識することが大切ですね。

漢方では、この時期、乾燥しやすい『肺腎陰虚』という体質になりやすいといわれています。そして、潤いが不足し続ける、炎症が起こりやすい『虚熱』が生じてしまうと考えます。そこで、今週は『陰』を補い、『虚熱』を改善する食薬をとりましょう。食べるとよい食薬は、【小松菜の白和え】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:小松菜の白和え】

乾燥 潤い 肌 シワ キメ 整える 方法 コツ 習慣 対策 中医学 漢方 食薬

作り方は簡単です。ポリ袋で完成します。豆腐、小松菜と千切りの人参をゆでたもの、多めのすりゴマ、醤油とみりんをポリ袋にいれて、手でよくもんでなじませたら完成です。

【小松菜】

βカロテンが豊富な小松菜は、喉や目などの粘膜やお肌の強化に役立ちます。さらに、同じくβカロテンたっぷりの人参も合わせると彩だけではなく、栄養成分的にも『陰』を補い潤いをアップするためにも役立ちます。

【豆腐】

タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含みますが、比較的に消化に負担のかかりにくい食材ですよね。年末年始の食べ疲れを感じた時の栄養補給にも役立ちます。また、漢方では『陰』を補い、『清熱』する働きがあります。

季節の特徴に合わせて、室内の湿度や温度のコントロール、保湿ケア、食事によるインナーケアを駆使して、いつもきれいでいることを目指したいですね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。


Information

29da7aba42636f3ec47ee8cc1f4c6813

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

book

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
購入はこちら

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


©kashiosu/Gettyimages
©bernardbodo/Gettyimages