『セクシー田中さん』も! “恋愛に効くセリフ”が登場する、名作マンガ5選

2023.10.9
いつだって、私たちのそばにあるマンガ。セリフやモノローグが絵と合わさって生まれるパワーは計り知れません。ここでは、“恋愛に効くセリフ”をテーマに、言葉に注目して読みたい名作を集めました。

恋愛に効くセリフ

恋愛をテーマにしたマンガでは、二人が結ばれるかという結末もさることながら、その過程で描かれる、人が人を想う気持ちに心を揺り動かされるもの。登場人物の心と重なって、思いが深まっていきます。

『セクシー田中さん』芦原妃名子

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本音を見せないズルい男が吐露するもの。
優秀で地味な印象だけど、実はベリーダンサーの田中さんと、彼女に心酔している後輩OLの朱里を取り巻くラブコメディ。「朱里の腐れ縁男・進吾の本音が明かされる場面。好意をわかっていてはぐらかすズルい男の内面には何があるのか? そういう男自身の口から、自分の弱さについて語らせる、少女マンガでもそう見たことのない展開でぐっときます」(ライター・青柳美帆子さん)。

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1~6巻 各550円/小学館 ©芦原妃名子/小学館フラワーコミックス

『瓜を破る』板倉 梓

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はじめての“彼シャツ”の、ときめきが伝わる。
30代処女のまい子が抱える性的コンプレックスを描いた物語。「まい子が惹かれるのが、コピー機をメンテナンスしている鍵谷。二人がようやく結ばれたあとの一幕です。“彼シャツ”というベタな状況ながらも、そういう存在ができたことのうれしさや、この瞬間のときめきがストレートに伝わってくる。この作品はセリフはもちろん、モノローグが全部いい」(青柳さん)。

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1~7巻 682~704円/芳文社 ©板倉梓/芳文社

『氷の城壁』阿賀沢紅茶

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自分自身の気持ちを見つめる大切さ。
人と接するのが苦手な女子高生・小雪が、グイグイ距離を詰めるミナトと出会い――。「この人、なんだかなぁ……、という、恋愛はもちろん、日頃の人付き合いにおいて感じる小さな違和感。良いところに目を向けてやり過ごそうとしてしまう時、大切なのは、相手に対して“自分”がどう感じているか。誤魔化したり、揺らいでしまったりする心をまっすぐにしてくれる」(マンガライター・ちゃんめいさん)。

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1~5巻 各990円/集英社 ©阿賀沢紅茶/集英社

『君に届け 番外編 ~運命の人~』椎名軽穂

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不器用さもめんどくささも包み込んでくれる人。
『君に届け』のスピンオフで、爽子の友人・くるみがヒロイン。作者の過去作『CRAZY FOR YOU』に登場した赤星くんが相手役。「どんなカップルで、どんな恋愛模様を見せてくれるのかとワクワクしていたら、赤星くんが最高すぎてときめきが爆発! くるみの不器用なところを見抜き、めんどくさいところを大切にしてくれる赤星くんは、めんどくさい恋愛をしがちな女子にとって理想の彼氏」(青柳さん)。

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全3巻 各484円/集英社 ©椎名軽穂/集英社

『サターンリターン』鳥飼 茜

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小さなこだわりの中に潜む、その人なりの価値観。
小説家・加治理津子が、担当編集者と共に友人アオイの死の真相に迫る。「例えば鍋にどんな具材を入れるのかなど、パートナーシップにおいては、小さなこだわりの中にその人の価値観が詰まっているのかもしれないと気づかされる。否定やスルーは、二人の関係性を破滅へと導くことになるのかも、と恐怖を感じるとともに背筋が伸びます」(ちゃんめいさん)。

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1~10巻 各715円/小学館 ©鳥飼茜/小学館

青柳美帆子さん ライター。女性向けカルチャーやエンタメを得意領域とし、書籍、雑誌、Webなどで幅広く執筆。月1回、ありまよさんと雑談ツイキャス「給料日ラジオ」を配信。X(旧ツイッター)は@ao8l22

ちゃんめいさん マンガライター。マンガを中心に書評、インタビュー、コラムなどの執筆や、トークイベント、女性誌のマンガ特集に携わる。毎月100冊以上マンガを読む。X(旧ツイッター)は@meicojp24

※『anan』2023年10月11日号より。文・𠮷川明子

(by anan編集部)