バレーボール男子日本代表主将・石川祐希「目標とするところは頂点」 パリ五輪予選への抱負

2023.9.9
今夏の国際大会ネーションズリーグでメダルを獲得し話題沸騰中のバレーボール男子日本代表(龍神NIPPON)。9月30日に開幕するパリ五輪予選を前に、石川祐希選手がその抱負を語る。

余裕あふれるプレーと思考で日本の躍進を支える主将。

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「まだ3位。目標とするところは頂点なので、そこを狙えるチームになっていくことが僕たちの求めていることです」

7月まで行われたネーションズリーグで、メダルを獲得した直後のインタビューに答えて語った石川祐希選手。主要な国際大会では46年ぶりとなる快挙にも満足することなく、“頂点”を見据え、「ここで終わりじゃないぞ」というチームメイトへのメッセージも込めた。

「今回の経験は間違いなく次につながる。自分たちには力があると自信を持って、これからの試合も戦えるのかなと思います。でも過信しないように、このあとパリ五輪予選もあるので気を引き締めないと。あくまで3位だし、ネーションズリーグが今シーズンの僕たちの一番の目標ではないので。全員わかっているとは思いますけど、まだ先があるし、もっと強くならないといけないし、安定してこういう結果を出せるようにならなきゃいけないということを、帰国後の会見や、何かにつけて発言するようにしています」

と、キャプテンの顔で語る。

中央大学1年だった2014年に日本代表デビューし、その後、世界最高峰リーグのイタリア・セリエAで着実に力をつけ、海外の一流選手からも一目置かれるトッププレーヤーの仲間入りを果たした。彼の中には、いちアスリートとして“世界一の選手”を目指す石川祐希もいるが、日の丸をつけている時は基本的に「キャプテンモード」なのだとか。

ネーションズリーグでは予選ラウンドから3位決定戦まで15試合、すべて先発し、全選手中トップの275得点を挙げ、決定力とタフさを証明。しかもファイナルラウンドに入って1段ギアを上げた裏には、こんな計算があった。

「予選ラウンドでは、キャプテンの仕事はそんなにしていないんです。割とゆっくりと、『劣勢になった時にこの選手はどうかな?』とか、他の選手を観察していました。連勝していたこともあって、あえてフリーにして。そこで完成度を上げすぎると、そのあと下がってしまうのが怖かったので、(8月の)アジア選手権からちょっと固めて、9月末のパリ五輪予選に向けてどんどん上げていくイメージでした。その入り口として、ファイナルラウンドからはミーティングをしたり、試合中にもみんなを集めて声をかけたりを意識してやるようになりました」

パリ五輪を念頭に、チームビルディングにまで思考を巡らせている。そんな石川選手には、自身の背中を追って急成長し、代表で対角を組む6歳年下の髙橋藍選手はどんなふうに見えているのだろう。

「強くなってるな、経験値上がってるな、というのは感じます。僕が大学生だった時よりも、間違いなく今の藍のほうがスキルとかは高い。でも僕の歳になったらどうかは、わからない。彼が今後どういう選択をするかによってたぶん変わると思います。そこは面白いところだし、楽しみです。藍がどういう選択をして、どういうチームでどういうプレーをして、どういう結果を残していくのか…興味ありますね(笑)」

Yuki Ishikawa  1995年12月11日生まれ、愛知県出身。192cm、84kg。アウトサイドヒッター。中央大学時代からイタリア・セリエAでプレーし、今季で9シーズン目。日本代表では2021年から主将。初のオフィシャルブック『14 quattordici』が12月に発売決定。9/6から早期予約受付開始。詳細はhttps://yuki-14.net

コート¥665,500 スウェット 参考価格¥82,500 パンツ 参考価格¥495,000 シューズ¥165,000(以上ジバンシィ/ジバンシィ ジャパン TEL:0120・218・025)

※『anan』2023年9月13日号より。写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・TOYO(BELLO) インタビュー、文・米虫紀子

(by anan編集部)