柳楽優弥「受験は人生に関わるものですし…」スーパー塾講師を演じる

2021.10.24
子どもの進路はもちろん、家族にも多大な影響を与える中学受験。その実態を描くドラマ『二月の勝者‐絶対合格の教室‐』で、生徒を合格へと導くスーパー塾講師・黒木蔵人を演じる柳楽優弥さん。作中には、「中学受験は課金ゲーム」「親はスポンサー」など、過激な黒木の言葉が多く登場する。
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「黒木は、ズバズバと正論を言う刺激的なキャラクターです。でもそれは、あくまで子どもの将来や進路のためであり、『凡人こそ受験勉強をすべき』など言ったことに対しては統計を出して納得させるから頼もしい。嫌われ役に躊躇なくなれることもすごいですしね。彼のような人が仕事の現場にいたら、心強いと思います。昔は生徒役で出ていたので、自分が先生を演じるというのは嬉しいですね。鋭いことを言った時に、“お前に言われたくないよ”と思われないように努力しないといけないと思っています。子どもが来年、中学受験をするのですが、今、自分が興味のある題材の作品に参加することで、脚本の面白さがより輝くといいなとも思います」

黒木から学ぶことも多いという。

「たとえば、子どもを放っておくということ。信頼があってはじめてできることだし、すごく難しいけど必要だなと。子どもを諭し、自立させ、進路を決める塾講師は、教育者としての面と、サービス業のカテゴリーにいるという自覚の両方を持っていないと、務まらないと思います」

今作では、黒木の同僚・佐倉麻衣を井上真央さん、ライバル校のエリート講師・灰谷純を加藤シゲアキさんが演じる。加藤さんとは撮影中、「シゲ」「優弥」と呼び合っているそう。

「シゲは、進学塾に通い、中学受験に合格した人。しかもジャニーズで本も書けて、モテ偏差値は御三家級ですよね。釣りのことなど、いろいろ教えてもらっています。真央さんは、牡羊座の僕と相性のいい山羊座だし、ご一緒できるのはすごく心強い。あ、僕、めちゃめちゃ星座に詳しいんです(笑)」

生徒にとっての黒木のような、恩師の存在を尋ねてみると、「たくさんいます」と名前を挙げる。

「是枝(裕和)監督や、うまくいかない時期に舞台に出してくれた蜷川幸雄さん…。あと、プライベートで通っていた道場の先生からいただいた、『我慢する木には花が咲き、努力する木には実が実る』という言葉が好きで、心にずっと残っています。あまり人に見られていないなと思う時にこそ、コツコツやることで、数年後に花が咲くんだと前向きになれて。僕には夢がたくさんあるし、30代にもう一花咲かせたいですね。今、胸筋を鍛えているんですけど、もっとバキバキにして、ananの表紙で脱いで、貯筋をバーンと豪快に使い果たしたり(笑)。黒木の厳しい言葉も、人生に悩む人たちにとっての学びとなるものが多いと思うんです。このドラマを見ることでいい刺激を受けたり、あとは物語を単純に楽しんでもらえたら、嬉しいです」

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『二月の勝者‐絶対合格の教室‐』 過酷な中学受験に挑む塾講師と生徒をリアルに描くことで、家族や教育など、現代の様々な問題をも浮き彫りにする人生攻略ドラマ。原作は、高瀬志帆の大ヒット同名漫画。毎週土曜22:00~、日本テレビ系で放送中。

やぎら・ゆうや 1990年3月26日生まれ、東京都出身。『誰も知らない』で第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞。今年公開の映画『ターコイズの空の下で』『HOKUSAI』『映画 太陽の子』で主演を務めた。Netflix映画『浅草キッド』が12/9配信開始。

※『anan』2021年10月27日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・長瀬哲朗 ヘア&メイク・佐鳥麻子 インタビュー、文・重信 綾

(by anan編集部)