『青天を衝け』出演・板垣李光人「ファッションやメイクは、生きがいそのもの」

2021.10.10
いまの時代を軽やかに、自分らしく“すっぴん”マインドで生きている…そんな人に贈る、anan×SENKA「すっぴん BEAUTY AWARD」。ボーダーレス賞を受賞したのは、俳優の板垣李光人さんです。

選考理由:既成概念にとらわれることなく、自らの価値基準で美しいと思うものを表現する板垣李光人さん。ボーダーレスな感性が、新たな美を切り拓く。

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自分を見つめていれば人の意見に惑わされない。

――鋭い感性と自分を客観視する理性。その2つを絶妙にブレンドした高い演技力で、大河ドラマ『青天を衝け』などに出演する板垣李光人さん。自分らしいメイクやファッションを自由に楽しむことでも知られている。今回も愛してやまないGUCCIの服を着こなし、手入れの行き届いた素肌が活きる、ヌーディメイクで登場!

「ファッションは、クリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが生み出す、子どもの夢を具現化したような世界に夢中になりました。ここ2年ほどは、病的なほど服を買っていて、抽選に落ちると本気で落ち込みます(笑)。ミケーレは、ブランドの礎となる伝統を大切にしているからこそ、品のある革新的なデザインを生み出せる人。すごく尊敬していますし、彼のマインドは、芝居にも通じるところがあるんです。芝居も基礎ができていないと、すぐに崩れてしまいますから。メイクは、ファッションをトータルで表現したくて始めました。僕の世界を広げてくれたファッションやメイクは、生きがいそのものです」

――今でこそ、性別に関係なくメイクをすることが特別ではなくなってきているけれど、時代に先んじてメイクを始めていたことで、ネガティブな声を耳にすることも?

「あったと思います。役者として表に立つ身なので、賛否両方の言葉を頂きますから。でも、“賛”と“否”は同じように大きくなければ面白くないと思っちゃう。嬉しいのは、僕の芝居を観た人にとって、前向きになれるきっかけになれたと思える“賛”の声。『このままアクセルを踏み続けていっていいんだ』と力をもらえるので、“否”の声は、す~っと受け流せるんですよね。それに、『この人はこう』というカテゴライズするような言葉では、その人の本質を捉えられないのになあって。他人に迷惑をかけなければ、何をやってもその人の自由! 他の誰かよりも、自分自身に目を向けたほうがずっといいですよね」

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――板垣さんが思う美しい人は、「クリエイティブな人」。その一人として、椎名林檎さんを挙げる。

「“椎名林檎”が“椎名林檎”を作り、表現において自立していらっしゃるところに、凛とした美しさを感じます。僕も、生きている中で自然と取り込んだものを自分らしい形でアウトプットしていきたいですし、ひとつの道に固執せず漂っていたい。いろんなキャラクターを演技やファッション、メイクによっていろいろ変えて見せるためにも、“板垣李光人”はできるだけフラットな状態にしておきたいんです」

――では、表現者として輝くオンから、フラットな状態のオフへと切り替えるスイッチは?

「やっぱりファッションとメイクですね。仕事でもプライベートでも家に帰って服を脱ぎ、メイクを落としたときかな。部屋での僕は…、スウェットか大きめのTシャツに短パンでダラダラ(笑)。全然、オシャレなんかじゃないです。コンビニに行くのにもわざわざ着替えるくらい。一歩家から出たら、戦場なので(笑)」

いたがき・りひと 2002年1月28日生まれ。主な出演作に『仮面ライダージオウ』『約束のネバーランド』『青天を衝け』など。12月18日・25日放送の『風の向こうへ駆け抜けろ』に出演予定。

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※『anan』2021年10月13日号より。写真・島津 明(W) スタイリスト・山王丸久美子(KiKi inc.) ヘア&メイク・KATO(TRON) 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)