汗をかきすぎるのはNG? 中医学的“便秘”対策とは

2020.4.27
中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「便秘」です。
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慢性的な口内炎は主に、体の潤いを表す「陰(いん)」と「血(けつ)」の不足、陰虚と血虚によって起こりますが、この2つはほかにもさまざまなトラブルをもたらします。多くの女性を悩ませる便秘もそのひとつ。日頃から口内炎ができやすく肌も乾燥気味、お通じはコロコロの硬い便が時々出るだけ、というならこの陰不足と血不足による便秘である可能性が大です。思い当たる場合は、食事の見直しを。陰を補ってくれる、水分を多く含んだ白い食べ物と、血を補う黒や赤い食べ物をしっかり摂るようにします。補陰には白菜や大根、ご飯、百合根など。水そのものではなく、こうした食材で“潤い”を増やすことがポイントです。補血には黒ごまやプルーン、黒豆などがおすすめ。また、潤いを消耗する辛いものや味の濃いもの、お酒は控えましょう。サウナやホットヨガで汗をかきすぎるのもおすすめできません。増やすものと控えるべきものをきちんと意識してケアすることで、少しずつ改善していくはずです。

これも便秘になりやすい、エネルギー不足&停滞型。

便秘の原因はほかにもいくつかあり、陰血不足に次いで多いのが、体を動かすエネルギーである「気」の巡りが滞る「気滞(きたい)」です。イライラしやすい、何となく憂鬱感があるという人に多く、ガスが溜まってお腹が張ったり、便がすっきり出ない、などのお通じの不調が表れます。このタイプにおすすめなのが、手足をしっかりと伸ばすストレッチ。体の中にスペースを作ることで気の通り道が生まれ、巡りがよくなって便秘の改善につながります。

また、エネルギー自体が足りていない「陽虚(ようきょ)」も、便秘を招きがち。体が冷えていて便を押し出す力も弱く、便秘と下痢を交互に繰り返しやすいのが特徴です。こうしたタイプは、体を温める食べ方で対策を。にらやねぎ、しょうが、羊肉や鶏肉といった陽を補ってくれる食材を増やし、すいかやなす、きゅうりなど涼性の食べ物を避けるようにします。氷の入った飲み物など冷たいものも、もちろん厳禁です。

便秘対策というと食物繊維を増やすことばかりに目が行きがちですが、体質に着目してケアするのが中医学です。必要なものは、その人によって違います。慢性的な便秘に悩んでいる人はまず体質を見極めて、ここに紹介した方法を試してみてくださいね。

さくらい・だいすけ 漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。https://yurukampo.jp/

※『anan』2020年4月29日号より。イラスト・原田桃子 文・新田草子

(by anan編集部)