意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「2019年を振り返る」です。

グローバル化が進む一方で、分断は避けられず。

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今年、最も印象的だった出来事は令和への改元ではないでしょうか。生前退位により、これまでと違い、お祝いムードでしたし、これほど多くの式典に国民が参加できた改元はほかにありません。また、今年はラグビーのワールドカップや、野球の「WBSCプレミア12」など、国際的なスポーツイベントが日本で開催され、外国人サポーターの方が大勢訪れました。

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これまではグローバル化というと、日本人が海外に出て活躍することが主でしたが、日本にいながら様々な国の方々と交流が深まる「内なるグローバル化」がようやく進んだ印象です。これは、インバウンド政策により、ビザ要件を緩和し、外国人観光客を増やしたこと。そして、少子高齢化により労働者が不足し、コンビニでも居酒屋でも外国人の方が働くことが当たり前になってきたという背景があります。今年の4月には、改正出入国管理法が施行され、農業や建設、介護などの分野で、「特定技能」の在留資格を得ることもできるようになりました。外国人労働者の数はこれからますます増えていくでしょう。

ただその一方で、台風や大雨が昨年に続いて多発し、外国人の方に災害報道が的確に伝わらないという問題も浮き彫りになりました。来年の東京オリンピックを控え、駅や電車などのアナウンス同様、報道でも多言語対応の必要性を強く感じます。

政治に関することでは、安倍晋三総理の通算在任期間が、憲政史上最長になりました。しかし、豊かになったのはある特定の層のみで、不満や貧困、格差は広がりました。7月の参議院選挙で、「N国(NHKから国民を守る党)」や消費税廃止を謳った「れいわ新選組」のような、極論を主張する政党が想像以上に多くの支持を集めたのも、印象深い出来事でした。人々の不満が政治に直結していることが顕在化した一例だと思います。

外交面では、北方領土や、北朝鮮問題は棚上げ状態。日韓関係は悪化したままで、日米貿易交渉も核心部分は先送りになっています。世界的に分断が進みつつあり、残念ながら、先行きは明るいとは言い難い状況なんですね。

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堀 潤 ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が来年3月7日公開。

※『anan』2019年12月25日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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