チョコレート大好き!「ストレスや寒暖差から蕁麻疹が出やすい人」の特徴と対策

文・大久保愛 — 2024.2.16 — Page 1/2
花粉やPM2.5、季節の変わり目ならではの寒暖差と、不調を感じやすい今のシーズン。年度末に向け忙しくなる時期でもありますが、日常のなかで無理なくケアしていきたいですよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、この時期ならではのアレルギー対策につながる食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!

2月は寒暖差による体調不良に要注意

寒暖差アレルギー じんましん くしゃみ 鼻水 花粉症 対策 不調 体調不良

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 253


くしゃみや蕁麻疹などアレルギー症状は出ていませんか? 変化の多い気候の中、風邪なのか、花粉なのか何なのかわからない不調に悩む方が増えてきているように感じます。先日は、まだ2月というのに、東京でも気温が20度越えの地域もありましたよね。コートも着ずに過ごす人も多かったと思います。ですが、このまま温かくなり、春になるということはありません。再び気温が低くなり寒くなる日がやってきます。寒暖差を頻繁に繰り返すことで、春になります。

そこで、気を付けたいのが寒暖差アレルギーや自律神経の乱れです。2月は不調が1年の中でも増える時期ともいわれていますが、今年の寒暖差は異常だと思います。今後も天気予報を確認し、事前に服装や寝具などを柔軟に変化させ、体への負担を減らしていくことも必要ですね。

ということで、今週は寒暖差により体への負担が増える今、食薬としてできることを紹介していきます。

今週は、寒暖差による蕁麻疹などアレルギーの対策となる食薬習慣

今の時期、乾燥した空気で風邪を引き、花粉やPM2.5でくしゃみと鼻水が出ているというかたがどんどん増えています。それに加え、寒暖差やそれに伴う気圧の変化により、自律神経を乱してストレスと寒暖差アレルギーに苦しむかたも…。症状としては、鼻水や咳、頭痛などに加え、肩凝りなどの不調も感じることがあります。

さらに、自律神経を乱すことは、胃腸の不調、めまい、感情のコントロールができなくなる、過食、PMSの悪化、睡眠の質の低下、生理不順など様々な不調を引き起こしてしまいます。毎年、何が原因かわからない、「謎に起こる複数の小さな不調」と戦う方も多いのではないでしょうか。

漢方医学では、寒暖差アレルギーを感じやすい人は、『肝』の働きが低下し、環境の変化に適応するために時間がかかりやすいタイプであったり、『気』が不足し、体を気温や気圧などの環境変化から守る力が低下しているタイプであったり、『肺・脾・腎』に余分な水分がたまりやすいタイプであると考えることがあります。

そこで今週は、『肝』の働きをサポートし、『気』を補う食薬を紹介していきます。今週食べるとよい食薬は、【レンチン! ロール白菜のトマト煮】です。
NG習慣は、バレンタインから食べ続けてしまうことのある【ミルクチョコレートやホワイトチョコレート】の食べ過ぎです。

食薬ごはん【レンチン! ロール白菜のトマト煮】

肝臓の働きを助けたり、炎症抑えたり、バリア機能をサポートしたりするイソチオシアネートを含む白菜と抗酸化物質リコピン含むトマトで『肝』の働きを助け、バリア機能をもつ『気』を補っていきます。

<材料>
白菜 4枚(2分半レンチンしておく)

(タネ ポリ袋にいれて混ぜておく)
ひき肉 150g
味噌 小さじ1
生姜 1片(みじん切り)
残った白菜の芯 みじん切り
オートミール大さじ1

(ソース)
トマトジュース 200mL
味噌 大さじ1
胡椒 お好みで

<作り方>
白菜にタネを包み、耐熱容器に並べ、味噌を溶いたトマトジュースを加え、ラップをしてレンジ(600w)で8分くらい火が通るまで加熱したら、胡椒などスパイスをかけ完成。大きめのロール白菜ができるので、予めカットして盛り付けるのが食べやすいです。

NG行動【ミルクチョコレートやホワイトチョコレート】の食べ過ぎ

バレンタインも終わり、おうちの中にチョコレートがたくさんあり、幸せを感じているかたも多いと思います。美味しいチョコを食べて幸せを感じることは良いと思いますが、そのまま食べ癖がついてしまい、眠い時、集中力が低下したときなどにチョコをたくさん食べる習慣を身につけてしまうことは注意しなければなりません。糖質を摂り過ぎ、腸内環境に影響を与えることはアレルギー体質にはNGです。

また、チョコレートに含まれるカカオには、抗酸化作用の高いカカオポリフェノールや腸内環境を整えるカカオプロテインなどが含まれていますが、これらの恩恵を受けるためには、カカオ70%以上の高カカオのチョコレートを選ぶ必要があります。手元にあるチョコレートの内容を見直してみましょう。

気候の変化が目まぐるしい時期です。環境に適応できるように衣服などの管理、湿度の管理、食事の管理などに目を向けて、体調を安定させていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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