会社を辞めて、こうなった。【第24話】 19歳、20歳の友人たち。 年齢ってなんなんだろう?
【第24話】19歳、20歳の友人たち。年齢ってなんなんだろう?
19歳、20歳の同級生と肩を並べて勉強していると、年齢とは何かを日々考えさせられます。例えば20歳の友達に宿題を手伝ってもらい、挙句の果てに奢ってもらってしまったり…。先日は「付き合ったこと、ある?」とまっすぐな瞳で尋ねられ、「も、もちろん!」と答えながらもさらに「結婚したい?」と聞かれて、「うーん、結婚というものが正直まだよくわからないかな(これは正直な答え)」と答えつつもバツイチだとは明かせませんでした。
年齢では計れないもの。
アメリカに来てから自分の全てを晒す、ということがテーマだったのに…。挙句の果てには兄の年齢を尋ねられた際に「39歳ぐらいかな」と微妙に詐称!「それだけ離れていたら理解し合うのは難しいかもしれないね」と言われて、「えっ、そうなの⁉︎(心の声: それぐらいの年齢差あるよ、私たち)」と焦ります。
隠す必要は無いのに、年齢を伝えることで居心地が悪くなるのが怖いんです。今までのように気軽に受け入れてもらえなくなるかもしれない。そんな高校生の頃に逆戻りしたような傷つきやすい微妙な感覚は、14年間も社会で働いてきた大人のものでは無いかもしれません。私は一体どうしてしまったのでしょう?
先日も自分が出したある決断が正しかったのか悩み、眠れない夜を過ごしていました。すると「まだ起きてるの?」と同級生からメッセージが。それとなく状況を説明すると、こう言われたんです。「正しいのか間違っているのかなんてことは君に言いたくない。人生には自分で決めること、そういうものがあるんだよ」と。全くどちらが成熟した大人なんだか…。年齢では計れない人としての正しさがあるのですね。
出国前の父の言葉。
会社を辞めて東京の部屋を引き払い、全ての荷物を処分してスーツケースふたつ。そんな状態の私は両親を本当にガックリさせてしまいました。ふたりとも私がマガジンハウスという恵まれた環境で働いていることをとても喜んでくれていたから。
出国前のひとときを共に過ごしていたとき、いつも冗談ばかりの父に珍しく真面目な面持ちで言われたんです。父はかつて学費と生活費を国に負担してもらいアメリカで学んだ、貧しい大学院生でした。
「まず最初に言葉の壁があるよ。それを越えたら、人種の壁がある。でもそのふたつを越えたら、全く違う世界が見えてくる。そこでは、国籍、性別、人種、年齢、もっと言えば学歴や英語の上手い下手なんかと人としての優秀さは全く関係無いんだよ。死ぬほどアメリカで勉強したけど、一番学んだことはそんなことだったかもしれない」と。
「素晴らしいことだね」と言うと、「その世界を見て来なさい。それを見なければ、アメリカに行く意味は無い」と言われました。
私も父が見た世界が見たい。大好きな日本に帰るのは、その世界を見られたとき。それまでは出来る限り踏ん張りたい。
近いうちに同級生に全てを明かさなければならない時期が来るでしょう。そのとき、私の目の前にはどんな世界が広がるのでしょうか。そこに変わらぬ友情があることを願います。
see you!
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編集者、ライター。14年間勤務したマガジンハウスを退職し、’14年12月よりサンフランシスコに移住。趣味は、ヨガとジョギング。ラム酒をこよなく愛する。目標は幸福心理学を学んで、英語と日本語の両方で原稿が書けるようになること。