【美人眉と女の友情に共通する“なんとなく”精神】おおしまりえのキレイな悪口

文・おおしまりえ — 2017.1.17
「こんなブス顔じゃ愛されない!幸せになれない!」なんて、オンナと人生を格闘している女子に送る、キレイと幸せが手に入る(?)痛快エッセイを毎週お届け。オンナの旬を過ぎつつある三十路の恋愛ジャーナリストおおしまりえが、向き合いたくないけど向き合わなくてはいけないオンナの性と美、そして恋愛に対して、毎週真っ向勝負を挑みます!

【おおしまりえのキレイな悪口】vol.1

眉毛、この難しきもの

アイブロウを整えながら、いつも、何度も、何度も迷う。心の中で悟りを開こうとして、挫折して、今日もなんとなくカタチを整え、なんとなく出来た気になってやりすごす。それが眉毛ではないだろうか。
自己紹介ついでに説明すると、私の眉毛は元来濃くてはっきりしているのだけど、毛の生え揃いかたがバラバラで納まりが悪く、しかも顔の骨格も左右違う。
ぼんやり何も考えず眉毛を描こうもんなら、左はシュッと直線的な眉に仕上がるのに、右側はなぜかゆるいアーチに描かれてしまうのだ。
嗚呼、たかだか幅2cm長さ10cmくらいのパーツなのに、どうしてこんな創り上げるのが難しいんでしょう。というか、なんで眉毛についてこんなに頭を悩ませるのかというと、気づいたのである。女の美人度は目の大きさじゃない、眉毛で決まるって。

■石原さとみの美人のモトは眉毛にあり?

それは最近、なりたい顔ナンバーワンに輝いた石原さとみ女史を見ていて確信に変わったのだけど、本当にかわいらしい彼女の容姿の変化は、きっと眉毛の変化といっても過言ではない。それくらい、昔と今でかなり違う。
デビューしたての頃は、ナチュラリストもびっくりな濃いめ眉を有していたのに、ここ数年は茶色くて細くて、しゅっと並行に整えられた眉毛をしているじゃないですか。
しかもあるインタビューでは「私、ほとんどお手入れはしてないんですよ」なんて堂々と言ってのけたらしい……ん、へえ、そうくるか。と思わず突っ込んでしまった。

■女はウソと隠し事を自然に使いこなす

そういえば、ぼんやりボヤかしてなかった事にするといえば、最近ちょっと気になることがある。
それは女の“ナチュラルなウソ”というか、「ウソってわけじゃないし、隠し事ともいえないけど、バラされるとモヤモヤ感が残る」モノのことである。
なんのこっちゃな話なので具体例を出すと、たとえば私が紹介した男性との恋で悩んでいた女性がいるとする。パタッと音信が途絶えたと思ったら、もう彼と付き合っていることが事後報告でわかったときとか。
はたまた別の女子の話で、ある彼との恋愛相談をされたから答えていたら、後からその相手男性というのが、実は共通の知り合いで、私はその件を知らされずに、延々と「そういうタイプの男性は〜」と分析していたという話とか。
話を持ちかけている本人もウソと思っていないので責める気はないのだが、“関わった友人”として言わせてもらうと、できればそういう報告は「こっちが聞く前、知る前に教えてほしい」と思うのは、年寄りじみているだろうか。
そんな話をすると、「お前は意外と真面目だな!」なんて皮肉っぽい褒め言葉をもらうけど、こういう悪意のないウソは本人に言ってもピンとこないもから、心の中で自己処理するしかなくて、まったく当たり損もいいところである。

■眉毛と友情に共通すること

ただ30歳をすぎた今は、そういう不自然な友情を目にしたからといって、怒ったり落ち込んだりするのもバカバカしいなと思い始めてきたこの頃である。
だからなんとなくその場を流して、なんとなくその子との縁を薄めながらつないでおくようにしているのだけど、そんなスタンスは、なんとなく仕上げる眉毛のカタチと同じような気もするではないか。
ベストなカタチがわからないから、ちゃちゃっと仕上げて前髪で隠す眉毛。
友情も眉毛のカタチも、いい大人なら自分にベストなカタチを見つけたい。
そう思うけど、今日も私は眉メイクをなんとなくすませ、イラっとした友情もなんとなく流してやりすごしてしまうのである。


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」「ananWEB」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
ブログ:http://oshimarie.com Twitter:https://twitter.com/@utena0518