「ふるさと納税を活用しよう!」お金の教科書Vol.8 #節約 #貯める

2022.11.18
毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「ふるさと納税を活用しよう!」です。

ふるさと納税を活用しよう!

和田由貴さん 節約アドバイザー。消費生活や家電製品、食生活など、暮らしや家事の専門家として多方面で活動。“節約は、無理をしないで楽しく!”をモットーに、快適と節約を両立したスマートな節約術を提唱。

地道奈子(じみち・なこ/28歳・派遣社員) 年収は手取りで約350万円。既婚、子なしのDINKS。独身時代からの貯金は約200万円。つみたてNISAは2年前にスタート。

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やらないと損!? ふるさと納税の仕組み。

和田:早いもので、もう年末。ふるさと納税はやりましたか?

奈子:えっ!? あれは収入が高い人向けの制度で、私には関係ないとばっかり思ってました…。

和田:違います! 所得税か住民税を払っている人なら大抵利用できるので、やらないなんてもったいないですよ。

奈子:そうなんですね。実はあまり理解できていなくて…。

和田:簡単に説明すると、任意の自治体に寄付をすることで金額に応じた返礼品をもらうことができ、寄付した額が翌年支払う税金から控除される制度です。税金を先払いするようなイメージですね。その際、自己負担金2000円がかかりますが、返礼品はそれ以上の価値があるものがほとんどなので、きちんと手続きすればその分がお得になるんですよ。

奈子:払ったお金は、最終的にはちゃんと来年の税金から控除されるってことなんですね!

和田:普通に税金を納めても何もありませんが、ふるさと納税を活用すれば返礼品がもらえます。賢く使えば食費や日用品の購入費なども浮かすことができるんです。

奈子:控除の対象になる寄付額の上限はあるんですか?

和田:はい。年収、扶養家族や控除の有無で決まります。「さとふる」「ふるさとチョイス」などのふるさと納税ポータルサイトに年収などを入力すると目安がわかるページがあるので、まずは賢く寄付できる金額を把握しましょう。

奈子:ふむふむ…。私、思っていたより枠がありそうです!

賢い返礼品選びのポイント&おすすめは?

奈子:和田さんがおすすめの返礼品はありますか?

和田:物価が上がって家計を圧迫している今、お米やお肉などの食品や、トイレットペーパーなどの日用品といった生活必需品を選ぶと、生活費を節約できます。

奈子:返礼品は蟹とか鰻とか、高級食材ばかりなイメージでしたが、日用品もあるんですね!

和田:とにかく幅広いジャンルの返礼品がありますよ。注意したいのは、一度に申し込んでしまうと大量の返礼品が同じタイミングで届いたりすること。

奈子:一気に届いたら、消費できなくなりそう…。

和田:数回に分けて送ってくれる定期便などもあるので、そういう返礼品を活用してみて。年末になるにつれて人気の返礼品は品切れになるので、早め&計画的にやるのが吉ですよ!

奈子:早速やってみます!!

ふるさと納税 Q&A

Q. そもそも、ふるさと納税って何?

A. 寄付により返礼品がもらえる制度。
「納税」という名称だが、実際は寄付。毎年払う所得税と住民税の一部を任意の自治体に寄付でき、寄付額のうち年間2000円を超えた金額に対し、翌年の所得税や住民税の還付・控除を受けられる。寄付のお礼として、自治体の特産物などの返礼品を受け取ることができる。

Q. 寄付額の目安はいくらぐらい?

A. 年収や状況により異なります。
年収や家族構成によって控除の対象となる寄付額の上限は異なる。各ふるさと納税ポータルサイトなどで簡単にシミュレーションできるが、上限額を超えるとただの寄付になってしまうので要注意!

Q. 寄付先はどうやって探すの?

A. ふるさと納税サイトで検索を!
「さとふる」「ふるさとチョイス」などのふるさと納税ポータルサイトから申し込みを。自治体、返礼品のジャンル、寄付額などで検索することができる。

Q. 寄付後の手続きはどうするの?

A. ワンストップ特例制度がおすすめ。
1年間の寄付先が5自治体以内で、確定申告が不要な人であれば「ワンストップ特例制度」が適用に。返礼品と一緒に届く申請書を自治体に提出するだけで手続きが完了する。それ以外の場合は、確定申告を行う必要があるので注意。

→生活必需品がおすすめ。返礼品の選び方次第で生活費の節約に!
返礼品選びもふるさと納税の醍醐味のひとつ。控除額は年間の所得税をもとに計算されるので、まだの人は年内に急いで申し込みを!

★次回は、2326号(11月30日発売)掲載予定です!

※『anan』2022年11月23日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・宮尾仁美

(by anan編集部)