「生活費、何から見直す?」お金の教科書vol.3 #リアルボイス

2022.9.13
毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「生活費、何から見直す?」です。

生活費、何から見直す?

水谷明日香さん ファイナンシャルプランナー。株式会社エフピーウーマン取締役。お金との付き合い方を学ぶ「お金の教養スクール」ほか、幅広いメディアを通じ、女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。

散財好美(さんざい・よしみ/31歳・フリーランス) 年収は手取りで約300万円。推し活とちょこちょこ散財する癖が抜けず、気づくと残高減。貯金はこの3年で約150万円。

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「貯まらない」のには必ず理由があります。

散財好美:節約を考えたときに、まず生活費を見直そうとしたのですが、何から始めていいものか…と、フリーズしちゃったんです(汗)。

水谷明日香:お金と向き合う最初の一歩は、まず現状を把握すること。自分の1か月の収支を一度きちんと洗い出してみないことには、何を減らしてどう変えるのか、見直すための材料がないですから。

好美:確かにその通りですね。

水谷:「贅沢してないのに、貯まらないんです」という女性の多くは、気づいていないだけで、実はお金を使っているというケースがほとんど。結局、積み重ねですからね。1か月の収支を出してみると、“ちょこちょこ”のつもりが、かなり使っていたことに気づいて、驚くんです(笑)。

好美:その感覚、わかります(汗)。特にキャッシュレスだと、どれだけチャージしたかもすぐ忘れてしまいがちですし…。まずはすべて書き出して、俯瞰するだけでも、意識は高まりそうですよね。

水谷:そう、それが第一歩。現状を把握してようやく、生活費を見直すという段階に進むわけです。

生活費の見直しをもっとポジティブに捉えよう。

好美:まず、何から手をつけるのが正解なんでしょうか?

水谷:固定費ですね。「これは生きがいだから削れない」「これを削ってまで貯めたくない」という、それぞれの価値観で大きく左右される項目は後回しで、まずは見直せば終わるものから始めましょう。

好美:おぉ! てっきり、「その推し活の費用を見直しましょう」って言われるのかと思って、戦々恐々としていました。

水谷:外食を減らさないといけない、買い物を控えないといけない、趣味の費用を削らないといけない。そう思うと途端に憂鬱な気分になって、目を背けてしまう女性、多いんです。でもそうではなくて、“気持ちを左右されずにすぐメスを入れられるもの”、そこから手をつけましょう。

好美:それが下の4項目というわけですね。

水谷:はい。特にスマホ、保険、サブスクは、いろんなサービスがありますから、見直すことでお得なプランに乗り換えることも大切です。

好美:それが最近耳にする“換え活”ですね!

水谷:無駄をなくすのではなく、より良いものに換えると考えたら、ポジティブですよね。

好美:確かに! “生活費の見直し=苦しい、ツライ”でないなら、前向きに取り組める気がします!

“見直せば終わる” 節約項目

サブスク
毎月いくら支払っているか、目をそらさずすべて書き出してみよ!

例えば「コロナ禍では毎日見ていたけど、今はほぼ見ていない」のであれば、動画配信サービスをいったんやめてみるのもひとつ。また、見直さない限り自動更新されていくスマホアプリのサブスクも一度洗い出してみて。

スマホ
月3000円以上を支払っていたら、明細をチェック!

使用頻度は仕事でも使っているかどうかなどで変わりますが、そうでなければ毎月3000円を目安に。通話は無料のプラットフォームがたくさんあるし、通信量を最大限に設定してもお得なプランは多数。

家賃
交渉できないものと決めつけない! 近隣情報をリサーチしてみよう。

自分が払っている家賃が高いか高くないのか。なかなか判断が難しいけれど、例えば隣の部屋が3000円安く入居者募集をしていたなら、それは交渉材料に。ダメ元でも更新のタイミングで大家さんに交渉を。

保険
独身女性に生命保険ははたして本当に必要ですか?

自動更新のまま何年も放置しているようならば、保険証券を引っ張り出して確認を。独身女性で生命保険に加入している人は、それは誰のために必要なのか、いま一度考えてみるいい機会かもしれません。

→毎月3000円節約できれば、10年間で36万円!
投資で年間約3万円ちょっとの利益を得ようと思っても、そううまくはいかないもの。でも、生活費を見直すだけでするりとお金が浮くのならば、やらない手はありません。節約だって“チリツモ”なんです!

★次回は、2316号(9月21日発売)掲載予定です!

※『anan』2022年9月14日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝

(by anan編集部)