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「僕の彼女になって…!」男性がガチ惚れする女性が「デートですること・しないこと」

文・三松真由美 — 2024.7.11
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、片思い中の彼とデートの日にスマホを家に忘れてきてしまった25歳女性。不安にかられる彼女でしたが、思わぬ展開が待っていて…。想いを伝えるために本当に必要なものは何か、三松先生が教えてくれます!

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莉子(25)片思い彼とのデート時にスマホレスで不安マックス

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【レスなひとびと】vol. 247


今日は仕事終わりに、片思い中の蒼とのデート。莉子は朝から気合いを入れて支度した。終業後のメイク直し用のコスメも忘れずばっちりバッグに入れた。でも…駅に着いて気づく。

(スマホ忘れたーー!!!)

最寄駅の改札前で、莉子は真っ青になる。家まで戻ってたら、始業時間に間に合わない。ひとまず電車に乗るしかない。

ヒマだ。ふだんなら電車ではSNSを見て過ごす。インスタで今夜のお店投稿を検索して、どう撮ったら映えるのか、予習したかった。っていうか、スマホなくて蒼と会えるのか?

終業後、メイクをキラキラ系に直して、待ち合わせの有楽町に向かう。電車の時間は会社のPCで調べたけど、心配だ。

ルミネの大きな時計の下。キョロキョロしていると、ネイビーのスラックスに白ワイシャツの蒼を発見。

「よかったぁ」と駆け寄る。

心からホッとしている様子の莉子を見て、蒼はクスッと笑う。

「どうして、いつも会えてるじゃない」

「だって、今日スマホ忘れちゃって」

「えっ、そうだったの? だからか。会社出たよって連絡、なくてちょっと心配だった」

「ごめんごめん、でもほんと、ちゃんと会えるかドキドキしちゃった」

目的地はラクレットチーズがおいしいレストラン。グリル野菜やソーセージにチーズをかける“チーズのナイアガラ”。ショート動画、撮りたかったけど仕方ない。スマホがないからじっくり観察して、蒼にすごいねって目配せしたりした。

会話の中でも、見せたい写真がいっぱいあったけど、スマホがないから言葉を尽くして説明。でも、そのおかげで会話が盛り上がったような。

2軒めでもスマホの補助なく会話は弾み、あっというまに終電間際。蒼は銀座一丁目駅、莉子は有楽町駅から帰るのがスムーズだ。

「ここから有楽町への道、わかる? 送りたいけど終電ギリだし。スマホないと不安だよね。よかったら、うちくる?」

片思い中の蒼から、まさかのお部屋への誘い。迷いなくうなずく。
モノトーンでシンプルに整えられた蒼らしい部屋。

「先にシャワー浴びてきていいよ、タオルとか部屋着はここ置いとくから」

「ありがとう」

お風呂上がり、蒼のTシャツに身を包んで幸せを噛みしめる。恋が始まる予感。ドライヤーをして待っていると、蒼がやってきた。予想通りそのままベッドイン。

夢のような一夜。

翌朝目を覚ますと、蒼の、いつもより子どもっぽく見える寝顔が最高に可愛い。寝顔の写真は撮れないけど、幸せ。目に焼きつけようと見つめていたら、彼が目を覚まして、「おはよう。ねえ、莉子。僕の彼女になってよ」と笑った。


【三松さんからのコメント】

スマホを忘れたハプニングが、日常を非日常に変えるきっかけになりましたね。

デート中、ついスマホを取り出して写真を見せ、説明する人は多い。二人きりの時間なのに、ほかの友達からLINE来ると会話やめて対応するひともいる。
なんだか、目の前のかたに失礼な気がするのは私だけでしょうか!?
実はこのケースのように、莉子さんなりの言葉で説明するほうが、自分らしさがよく伝わるのにね。写真や動画は一発で雰囲気わかるけど、それがなければ言葉を重ねるしかない。
一生懸命さも、好きな気持ちも伝わりやすいです。

映え写真、撮るのは楽しいですよね。
でもでもついつい、二人の“外”に発信するための写真や動画を撮るのに夢中になるのはどうかな。
それをされると相手も「自分は付き添いで来てるだけ」な感じがしてしまうかもしれません。
今はインスタ検索やGPTに聞いてみようで、タイパがいいデートが主流かもしれないけれど、たまにはスマホレスのデートも情緒があっていいものです。

「ええ? スマホないと、エッチしたい時、コンドーム売ってるドラスト探せないよう」みたいな緊急時でも、二人で街を練り歩いて探し出す。宝探しみたいで楽しいし。

「一度スマホレスのデート試してみて。不安な二人は、困難を乗り越えるため助け合うから、愛が深まる(真由美所長個人の意見っす)」


『アンダー40 ―どうする結婚』 原作:三松真由美 画:こまだまこ(小学館)
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『相互アリバイ妻 ママ友同士で浮気のアリバイ作ってます』(KADOKAWA)
原作:三松真由美 漫画:カナメキヌコ
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三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。


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