志村 昌美

宮世琉弥「カメとはご縁があるんです」最新作『ミュータント・タートルズ』で声優に初挑戦

2023.9.21
アメコミからは大ヒットを記録する作品が数多く誕生していますが、そのなかでも映画、アニメ、ゲームなど幅広い分野で世界的な人気を誇るシリーズのひとつといえば『ミュータント・タートルズ』。今回オススメするのは、ティーンエイジャーとなった4人組のカメたちが繰り広げる冒険をCGアニメで描いた最新作『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』です。そこで、日本語吹替版の声優を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。

宮世琉弥さん

【映画、ときどき私】 vol. 600

2019年に俳優デビューを果たしたのち、ドラマ『恋する母たち』や『君の花になる』などの話題作へ次々と出演して注目を集めている宮世さん。現在は音楽活動にも取り組むなど、多岐にわたる活躍を見せています。

そんななか、本作では声優に初挑戦。“チーム・タートルズ”と呼ばれるミュータント化してしまったカメの兄弟の一員で、リーダーを務めているレオナルドの声を担当しています。そこで、役作りの裏側や10代最後にしたいことなどについて語っていただきました。

―小さい頃から『ミュータント・タートルズ』がお好きだったそうですが、きっかけは何ですか?

宮世さん 実は、僕は家系的に見てもカメとはご縁があるんです。実際にカメを飼ってたこともありますし、昔からタートルズの実写版を観たり、フィギュアを持っていたりしたので、声優のお話が決まったと聞いたときはびっくりしました。

―まさに運命的ですね。そのことはご家族にも話されたんですか?

宮世さん 「声優をすることになった」と伝えたら、すごく喜んでくれました。最近もお父さんが映画館に飾ってあるタートルズのボードを見つけて、わざわざ写真を送ってくれたほどです。

この作品を通して、世界に触れられたような気がした

―今回のアフレコを通して、新たな魅力を感じた部分もありましたか?

宮世さん タートルズたちは小さい頃から人間に見つからないように生活をしてきているので、彼らにとって外の世界は当たり前じゃない。レオナルドを演じていて、自分もいま当たり前だと思っていること1つ1つが大切なことなんだと教えてもらいました。

―名字の「宮世」には、出身地である宮城から世界へ羽ばたけるようにという思いが込められているそうですが、この作品では世界を近くに感じたのでは?

宮世さん 今回はアフレコのときにちょうど日本にいらっしゃったジェフ・ロウ監督ともお会いできましたし、歴史のある作品でリーダー役の声優を務めさせていただいたので、世界にちょっと触れられたような気がしました。この作品を広めたいというのはもちろんですが、自分の音楽なども含めて、いつかは日本だけでなく海外の人にも知ってもらいたいという気持ちが高まっています。

―ちなみに、宮世さんもタートルズのように親の言うこと聞かずに外へ飛び出しちゃうタイプですか?

宮世さん はい、僕も飛び出すタイプだと思います。特に、このくらいの年齢のときは、親の言うことを聞いていなかったですね(笑)。なので、共感する部分はたくさんありました。

タートルズと同じく、15歳で新しい世界を知った

―劇中のタートルズは15歳という設定ですが、ご自身も15歳で俳優デビューをしたので、そこがひとつの転機だったのではないかなと。

宮世さん そうですね。僕も15歳はいろんな経験をさせていただいた年だったので、タートルズと同じような気持ちだったかもしれません。新しい世界を知り、新しい人と出会って繋がっていったという意味では似ている気がします。

―では、できあがった作品をご自身で観たときの感想を教えてください。

宮世さん 初めてのことですごく緊張していましたし、周りの声優さんたちが本当にすごい方ばかりなので、全力は尽くしましたが反省する点は多いように思いました。でも、逆に反省することがなくなったら終わりかなとも感じているので、もっとよくなるようにがんばっていきたいです。

大変だったけど、自分らしさを出すことができた

―とはいえ、これまでの俳優業で得たものが活かされた部分もあったのではないでしょうか。

宮世さん 普段、役作りをするときは自分の“引き出し”を増やすために、いろんな作品をたくさん観るようにしているのですが、そこは役に立ったのかなと。その作業をするとイメージがしやすくなって、台本の読み取り方が全然違うんです。

たとえば、今回も『キングスマン』とか『ジョン・ウィック』、『マトリックス』みたいな作品を観ていたおかげで、敵と戦うシーンはうまくできました。そういうところは、役者をやっていてよかったなと思ったところです。

―なるほど。逆に、苦労したのはどんなシーンですか?

宮世さん 殴られたときの音や呼吸の音とかは難しかったですね。役者の場合だと、実際の行動と合わせて出るものなので、それをせずにただ映像を見ながらするのは大変でした。でも、いろんなアドバイスをしていただいたおかげで、自分らしさも出せたと思っています。プレッシャーもありましたが、楽しかったです。

―ということは、今後もまた声優には挑戦してみたいと。

宮世さん この作品は続きがあるかもしれないので、ぜひもう一度したいです。そのためにも、ヒットさせられるようにがんばります!

相手のことを考えられる大人になれるように成長したい

―“チーム・タートルズ”の4人は、それぞれ違った個性を武器に強大な敵に立ち向かいますが、宮世さんが考えるご自身の強みはどんなところ?

宮世さん 僕は顔が特徴的なところもあるので、自分にしか出せない表情というのがあるんじゃないかなと感じています。あとは力の入れ方によって目の印象を調整できるので、目も武器だと思っています。

―逆にコンプレックスみたいなものはあるのでしょうか。

宮世さん 直したいという意味では、すぐに思ってることが顔に出てしまうところです(笑)。20代になったら、もう少し大人になりたいなと。相手が喜ぶことをしてあげたいので、相手のことをちゃんと考えられる人になれるように成長していきたいです。

―10代もいよいよ最後の年になったので、いまのうちにしておきたいこともあるのではないかなと。

宮世さん 自分のお金で海外旅行をしてみたいです。1人でバックパッカー的な感じで行けたらいいなと思っています。

―どこに行きたいですか?

宮世さん フィンランドでオーロラを見たり、ギリシャに行ったりできたらいいですよね。自然のあるところに行きたいです。

いつかお芝居で賞をもらえるようになるのが目標

―理想の休日の過ごし方はありますか?

宮世さん ありがたいことに最近はすごく忙しいので、いまは寝る時間が一番うれしいです(笑)。でも、お仕事は本当に楽しいですし、若い間しかこんなに動けないので、「大変だったけど、そのおかげでいまがある」といつか思える日が来ると信じています。

―では、近い将来の目標と遠い将来の目標を教えてください。

宮世さん いまは本気でお芝居に取り組んでいるところなので、そのなかで賞をいただけるようになれたらいいなと思っています。あとは、これまでお仕事した方々とまたご一緒して、みんなで切磋琢磨しながらいいものを作っていきたいです。先の目標としては、『ミュータント・タートルズ』を『ハリー・ポッター』みたいにシリーズ化させて、ぜひ8まで続けたいですね(笑)。

―期待しています。それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。

宮世さん みなさんも疲れることがあるかもしれませんが、「疲れた」ということはがんばった証拠です。そういうときは自分が幸せになれる楽しいことをして、自分へのご褒美をちゃんとあげてください。僕もがんばりますので、お互いにがんばっていきましょう! そして、僕の作品を観て、元気になっていただけたらうれしいです。

インタビューを終えてみて…。

タートルズたちと同じように、冒険心とヤンチャさを兼ね備えているところが魅力の宮世さん。これからどんな形で世界へと向かっていくのか、楽しみなところです。まずは、初挑戦とは思えない見事な吹き替えにもぜひ注目してみてください。

タートルズの新たな魅力の虜になる!

現代のストリートカルチャーや遊び心をふんだんに詰め込み、ストーリー的にも映像的にも見どころ満載の本作。ティーンエイジャーだけでなく、幅広い層が一緒に楽しめること間違いなしの1本です。


写真・園山友基(宮世琉弥) 取材、文・志村昌美

ストーリー

子供のころより、“危険な存在”とされる人間から隠れて暮らしてきたタートルズたち。しかし、人間が住む大都市ニューヨークで、“普通のティーンエイジャー”としてみんなに愛され受け入れられたいと思っていた。

ミュータント化してしまったカメの兄弟レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロ、ドナテロの4人は、その願いを叶えるために新たな友人エイプリルの助けを得て謎の犯罪組織との戦いに繰り出す。そんな彼らの前に現れたのは、ミュータント化した敵の大群だった…。

テンションが上がる予告編はこちら!

作品情報

『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』
9月22日(金)全国公開
配給:東和ピクチャーズ
https://turtles-movie.jp/
(C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC.