田代 わこ

南沙良「巨大で凶暴で肉食なところが好き」憧れている意外な“生物”とは

2023.6.14
上野の森美術館で、特別展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』が開かれています。本展のナビゲーターは、俳優の南沙良さん。恐竜が大好きという南さんに、展覧会の見どころや恐竜の推しポイントについて、お聞きしてきました!

南沙良さんがナビゲート

南沙良さん

【女子的アートナビ】vol. 300

特別展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』では、恐竜や古代生物を描いた「パレオアート(古生物美術)」にフォーカスし、19世紀から現代までに制作された復元図や漫画、フィギュア、ファインアートなど、世界各国から集められた約150点の作品を展示。失われた古代世界を、アートで巡ることができる展覧会です。

本展を企画された神戸芸術工科大学の岡本弘毅教授によると、恐竜が知られるようになったのは、19世紀前半。イギリスで巨大な爬虫類の化石が見つかり、未知の生物と判明したそうです。

恐竜の「発見」から200年たち、その姿や形がどんなふうに変化していったのか、作家と研究者のイマジネーションによってつくられた古生物の姿を楽しめる展示になっています。

プレス内覧会では、展覧会ナビゲーターで無料音声ガイドのナレーションも務めた俳優の南沙良さんが登壇。その後、インタビューも実施しましたので、まとめてご紹介します。

巨大な生物が好き

――まず、なぜ恐竜がお好きなのですか?

南さん 昔から、巨大生物が大好きなんです。恐竜やゴジラなど、大きいものに憧れていました。映画『ジュラシック・パーク』は全作品見ていますし、図鑑も昔からすごく好きで、飛び出す図鑑などもよく見ていました。恐竜のなかでは、肉食恐竜が好きです。強くて大きくて、自分がいかに小さいか、想像できるのがいいですね。

――巨大生物ですと、例えばキングコングのようなものもお好きなのですか?

南さん 好きですね(笑)。大きくて凶暴なものが好きです。だから、恐竜も肉食がよくて。

音声ガイドに「よし来た!」

――音声ガイドのナレーションも初挑戦されています。恐竜好きなので、このお仕事は「よし来た!」という感じでしたか?

南さん はい(笑)。恐竜に関わる仕事ははじめてなので、「よし来た!」と思いました。私は博物館や美術館も好きなので、うれしい気持ちになりましたね。

――音声ガイドのナレーションはいかがでしたか。

南さん ふだん使わない難しい言葉やカタカナが多く、特に恐竜の名前が難しかったです。事前にいただいた資料を読み込んでから行き、私なりに一生懸命がんばったので、心地よく聴いていただけたらうれしいです。

――音声ガイドには、恐竜の解説だけが吹き込まれているのですか? おもしろい聴きどころはありますか?

南さん 恐竜の解説だけでなく、画家や作品の解説もあります。解説があると、より深く楽しく見られるのではないかなと思います。私が印象に残ったのは、ウォーターハウス・ホーキンズの《イグアノドン晩餐会へのオリジナル招待状、1853年12月31日》についての解説。ホーキンズがロンドンの公園に製作した実物大のイグアノドンの模型の中で晩餐会が開かれたそうなのですが、私も、この晩餐会に参加したいと思いながら読みました。夢があっていいですよね。

恐竜同士の戦いに惹かれる…

――恐竜の博物館に行くのがお好きとのことですが、本展は美術館で開かれていて、恐竜や古生物を描いた絵画、パレオアートが見どころになっています。この点はいかがですか?

南さん 確かに、博物館の恐竜展は化石展示が多いですが、本展はパレオアートなので、珍しいと思いました。恐竜の絵には200年の歴史があり、昔はこんなふうに描かれていたとか、進化の過程を見られるのは楽しいです。また、画家によって作風に違いがあり、ポップなものがあったり、精緻なものであったり、いろいろありましたね。個人的には、恐竜の皮膚などが細やかに描写されている部分が好きです。

――お気に入りの作品は?

南さん チャールズ・R・ナイトの《白亜紀―モンタナ》です。ティラノサウルスとトリケラトプスの対決シーンを淡い色彩で描いた作品で、夢の中に出てきそうな幻想的なところがお気に入りです。私がイメージする通りの太古の恐竜です。恐竜同士の戦いにも惹かれますね。実際に見てみたいですし、想像するとすごく楽しいです。

――恐竜にお詳しい南さんが、この展覧会で新たに知ったことはありましたか?

南さん 200年前にはイグアノドンの角だと考えられていたものが、実は鋭くとがった前足の親指だったというのはすごく驚きましたね。おもしろいなと思いました。

フィギュアは何十体も!

――コレクター気質があるそうで、恐竜グッズも集めているそうですね。

南さん はい、たくさんもっています。パジャマやスリッパ、洋服などいろいろあり、家の中は恐竜グッズであふれかえっています。今日の私服も、ティラノサウルスのニットでした。

――リアルにつくられた恐竜のフィギュアも集められているそうですが、どんなふうに楽しむのですか?

南さん 棚に飾って、眺めて楽しんでいます。恐竜を見て、ロマンを感じながらお酒を飲んだり(笑)。フィギュアは、家のインテリアにはあまり合わず浮いていますが、すごくお気に入りです。

――フィギュアはどのくらいお持ちですか?

南さん 何十体かはありますね。高校生ぐらいから、ちょこちょこ集めて、だんだん増えていきました。

――本展でも、コレクターの方が集めたリアルなフィギュアが展示されていましたね。

南さん あれは、すごくよかったですね。欲しいです(笑)

――最後に、あまり恐竜のことを知らないお友だちをこの展覧会に誘う場合、どんなふうに声をかけますか?

南さん 150作品もあるから、お互いの好きなものを探しに行こうという感じで誘いたいです。

――お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

取材を終えて…

恐竜の話を楽しそうに語ってくれた南さん。小さいころから、アート好きのご両親に連れられ、原美術館などの美術館や上野の博物館にも通っていたそうで、想像力や感受性が豊かな方でした。

恐竜愛にあふれる南さんが語る音声ガイドは、ご自身のスマートフォンがあれば無料で利用できます。ぜひ、ガイドを聴きながら恐竜アートの世界を楽しんでみてください。

Information

会期    :~7月22日(土) 会期中無休
会場    :上野の森美術館
開場時間  :10:00 ~ 17:00(土日祝は 9:30 ~ 17:00)※入場は閉館の 30 分前まで
観覧料   :一般¥2,300、大学・専門学校生¥1,600、高校生・中学生・小学生 ¥1,000

公式HP: https://kyoryu-zukan.jp/