田代 わこ

世界で活躍する日本発の芸術家集団! 「ダムタイプ」のかっこよすぎる展覧会

2023.3.4
アーティゾン美術館で、国内外で活躍するアーティスト集団、ダムタイプの展覧会が開かれています。先日開かれたプレス内覧会では、4名のアーティストも参加。作家のコメントや会場の様子、さらに同時開催中の展覧会もあわせてご紹介します!

かっこよすぎる展覧会!

『第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap』展示風景

【女子的アートナビ】vol. 281

現在開催中のダムタイプの展覧会、とにかく会場の雰囲気がクールです。

展示されているのは、視覚言語とサウンドを組み合わせてつくられたインスタレーション作品。暗い展示室の壁や天井方向、床にも映像が表れ、心地よいノイズのようなサウンドも響きわたり、とても不思議でかっこいい空間になっています。

本展の正式タイトルは、『第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap』。

ヴェネチア・ビエンナーレとは、2年に1度開催されている現代アートの国際美術展です。1895年から続く歴史ある美術展で、作品の展示会場となっている「日本館」は、石橋財団創設者の石橋正二郎氏が建設寄贈。そんな縁などもあり、アーティゾン美術館で帰国展が開催されています。

ダムタイプって、どんなグループ?

左から、濱哲史さん、古舘健さん、高谷史郎さん、南琢也さん

そもそも、ダムタイプとはどんなアーティストグループなのでしょう?

活動を開始したのは、1984年。ビジュアル・アートや映像、コンピューター・プログラム、音楽などさまざまなジャンルのアーティストによって構成されているグループです。

国内外で活躍され、これまでメルボルン国際芸術フェスティバルやリヨン現代美術館、シカゴ現代美術館、アムステルダム市立劇場など、各地で上演や作品展示をされています。

また、ダムタイプはプロジェクトごとにメンバーが変わり、今回の作品制作にはミュージシャンの坂本龍一さんも参加。プレス内覧会には、本プロジェクトメンバーの高谷史郎さん、古舘健さん、濱哲史さん、南琢也さんが登壇されました。

作品にこめられたメッセージは…

『第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap』展示風景

展示作品について解説を求められた高谷史郎さんは、「最初に答えを言うことはできないし、作品の説明をするのは野暮なのですが…」と言いながらも、少し鑑賞のヒントを教えてくれました。

高谷さん 何をつくろうかと話し合いをしているなかで、時間と空間がメインテーマになりました。会場に入るとわかりますが、ジオグラフィカルな質問や地図などの情報が散りばめられている展示になっています。コロナや戦争で分断があったので、お互いつながり合って共存するような社会を創造しないといけない、と考え直す機会になればいいと思いました。

我々は作品にメッセージを込めていますが、それが届くかどうかは本当にその人のタイミングによると思います。もしおもしろくないと思っても、また見に来てもらえれば、次に来たときに何か受け取れるかもしれない。時間を使ってゆっくりと滞在してもらい、体験してもらえるとありがたいです。

同じチケットで見られる! 2つの企画展

『アートを楽しむ ―見る、感じる、学ぶ』展の入り口

アーティゾン美術館では、ダムタイプの展覧会だけでなく、同時開催中の2つの企画展も同じチケットで見ることができます。

5階の展示室では、アートにより深く親しめる企画展『アートを楽しむ ―見る、感じる、学ぶ』を開催。

「肖像画のひとコマ ― 絵や彫刻の人になってみよう」、「風景画への旅 ― 描かれた景色に浸ってみよう」、「印象派の日常空間 ― 近代都市パリに行ってみよう」の3つのセクションにわけられ、ピカソやモネなどの名画が紹介されています。

『アートを楽しむ ―見る、感じる、学ぶ』展示風景

作品だけでなく、画家の再現アトリエや、フランス製エラール社の貴重なピアノなども置かれた楽しい展示構成になっています。

さらに4階では、『石橋財団コレクション選 特集コーナー展示|画家の手紙』を開催。石橋財団コレクションの中から、画家の手紙にまつわる作品などが展示されています。

ダムタイプを含む3つの展覧会は、5月14日まで開催。見どころ満載ですので、ぜひゆっくり時間をとって訪れてみてください。

Information

会期    :~5月14日(日)
休館日   :月曜日
会場    :アーティゾン美術館
開場時間  :10:00ー18:00(5月5日を除く金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
観覧料   :日時指定予約制 ウェブ予約チケット ¥1,200、当日チケット(窓口販売)¥1,500、大学・専門学校・高校生は無料(要予約)、中学生以下無料(予約不要)
*当日チケット:ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ販売
*この料金で同時開催の展覧会をすべてご覧いただけます

公式HP: https://www.artizon.museum/