
広瀬アリス、 シム・ウンギョンから「出会った日本人で一番面白い」素の様子を暴露
広瀬アリスさん & シム・ウンギョンさん

【映画、ときどき私】 vol. 528
個性豊かな7人の秘書たちによって構成されている“影の軍団”のなかで、天真爛漫な末っ子秘書の照井七菜を演じた広瀬さんと頭脳明晰なハッカーのパク・サランを演じたシム・ウンギョンさん。同い年で仲良しのおふたりに、お互いに対する思いや現場での裏話、そしていつも自分たちを陰で支えてくれる存在についても語っていただきました。
―今回は初の映画化となりましたが、現場で楽しみにしていたことはありましたか?
シムさん 私は、アリスと会えることでした。
広瀬さん 私もです! というのも、シムちゃんは私のことを「アリスは出会ってきた日本人のなかで一番面白い」と言ってくれるんです。そんなことを言ってくれる人には、会いたいに決まっています。
―広瀬さんのどういったところが、一番面白いですか?
シムさん まずは、仕草とか動きが本当に独特なんですよね。
広瀬さん あはははは!
シムさん いま思い出すだけでも笑いが止まらなくなるんですけど、あるときアリスがボーっとしていて、いつも忙しいから「ちょっと疲れてる?」と聞いてみたんです。そしたら、目を見開いたまま棒読みで「大丈夫、私いつもこうだから。あはははは!」と。
広瀬さん 壊れたロボットみたいで、恥ずかしい……。
シムさん でも、興味のある話をしてみたらいきなり早口でバーッとしゃべりだして、そのあとまた急に静かになったりするんですよ。その様子がとにかく面白くて。アリスは本当にいい人なので大好きです!
いたずら好きで猫っぽいシムちゃんが好き

―逆に、広瀬さんはシムさんのどんなところがお好きですか?
広瀬さん シムちゃんは、意外といたずらが大好き。あと、音楽の話とかになるとたくさん話してくれるのに、私が「シムちゃん、シムちゃん」って近づくと急にクールだったりして、そういう猫っぽいところがクセになっています。
シムさん なるほど(笑)。
広瀬さん あと、これはドラマを撮影していたときですが、シムちゃんが演じたサランとお父さんのシーンで、シムちゃんのお芝居に圧倒されてしまったことがありました。この現場ではカットがかかったあと、だいたい「ちょっと、やめてくださいよー」みたいな会話になりがちですが、あのときは初めてカットのあとも全員が余韻に浸ってしまったほど。本当にすごかったです。
シムさん 私もよく覚えていますが、悲しさや感情を表現するシーンが多かっただけに、自分のことに集中しすぎて、周りのことまで見られなかったんですよね。
広瀬さん いやいや、見なくてよかったと思うよ。
―同い年ということもあるとは思いますが、おふたりが仲良くなったきっかけなどもあったのでしょうか。
シムさん これは、完全にアリスのおかげですね。いつも「シムちゃんかわいいね」とか「妹みたいだよね」と言ってくれるんです。
広瀬さん 私、おしゃべりですから。あとは、「一緒にテーマパーク行きたいね」とか、ゲームの話もしてたよね。
シムさん 私は人見知りでシャイなので、現場でもみなさんと仲良くしたいと思っていても勇気がなくてどうしたらいいかわからなくなってしまうタイプ。そんなときに、優しいアリスが率先して話しかけてくれたので、撮影も楽しくなりました。
この現場では、笑いすぎで疲れたことも

―シムさんは、これまでも日本の現場はいくつも経験されていますが、『七人の秘書』の現場ならではエピソードがあれば、教えてください。
シムさん この現場では、仕事でというよりも、笑いすぎで疲れたこともありました(笑)。本当にみんな仲良しで盛り上がっています。
広瀬さん 本当にそうだよね。特に、フルメンバーが揃うラーメン屋のシーンを撮るときはすごいです。ドラマでも映画でも一気にまとめて撮りますが、女性が多いこともあって朝から晩までずーっとしゃべってますから。その途中でだいたい誰かがウトウトし始めるんですけど、その人が復活して話し始めたら、今度は別の人がウトウトし始めて、またその人が復活して話し始めて……というの繰り返していました(笑)。
シムさん 本番ギリギリまで話しているので、何度も「はい、本番!」と言われたことも。
広瀬さん しかも、そのときにセリフの始まりを覚えているのはシムちゃんだけという。
シムさん 「きっかけはここからです!」とみなさんに言うのが私の担当でした(笑)。
―本当に楽しそうですね。そのなかでも、ムードメーカー的な存在と言えば、どなたでしたか?
シムさん 大島(優子)さんかな。
広瀬さん そうだね、あとは菜々緒さん。2人は同い年コンビなので、そこを中心にぶわーっと全員におしゃべりが感染するみたいな感じでした(笑)。
映画の現場で流行っていたのは、韓国語

―ちなみに、劇中の秘書たちのように、裏で現場を回していたような人もいたのでしょうか。
広瀬さん 温かく見守ってくれているお父さんのような存在は、やっぱり江口(洋介)さんです。
シムさん いつも私たちのことを静かにじーっと見守ってくれていましたよね。
広瀬さん そうそう、「元気だな」って言いながら。誰かが現場を引っ張ってくれたというよりも、私はみんなでお互いを支え合っていたイメージでした。
―ほかにも、印象に残っていることはありますか?
シムさん 映画の現場では、なぜか韓国語がブームになっていて、みなさんからいろいろ聞かれたこともありました。
広瀬さん 確かに、ちょっとしたセリフを韓国語で言うみたいなのが流行ってたよね。
シムさん 菜々緒さんから、「韓国語で『応援しています』って何て言うの?」と聞かれたので教えたら、その直後にアドリブで言っていて、実際に映画でも使われています。
広瀬さん でも、「それいつ使うの?」みたいな言葉もあったよね。
シムさん そういえば、大島さんからは「この世の主人公は私だ」というようなセリフを韓国語でどう言うのか聞かれたことがありました(笑)。
広瀬さん キックボクシングのシーンとかで使おうと思ったのかもしれないですけど、本編では使われてないかと……。
シムさん 最初のうちは挨拶とか、「〇〇を食べたい」といった普通の言葉について聞かれていましたが、「この世の主人公は私だ」ってなんでそんな言葉を知りたかったのかがわからなくて(笑)。
広瀬さん 不思議すぎるので、どこで使ったのか今度聞いてみます!
陰で支えてくれる存在は、ありがたいと感じている

―本作に登場する秘書たちはそれぞれに高いスキルを持っていますが、おふたりがこれならほかの人に負けないと思うような能力と言えば?
シムさん 私は、静かにボーっとできる能力なら誰にも負けないんじゃないかなと。
広瀬さん 何それ、かわいすぎる!
シムさん それができることをこの現場でも証明しました。
広瀬さん 私は逆に、いっぱいおしゃべりをすることです。地元でも、口から生まれてきたとずっと言われていました(笑)。根っから明るいので、ずっとしゃべっていられます。
シムさん 確かに、眠そうにしててもしゃべってますよね。
広瀬さん (笑)。私は昼寝をせずに、夜になったらバタンと寝たいので、それまでは寝てしまわないためにも基本的にしゃべり続けるようにしています。
―おふたりはいつもお忙しいので、陰で支えてくれている存在というのも欠かせないのではないかなと思うのですが。
シムさん 私にとっては、家族と事務所の方々です。特に、日本で仕事を始めたときは、まだいろんなことが未熟でしたが、そんな私を支えてくれて本当にありがたいといつも感じています。
広瀬さん 私はワンちゃんたちです。一緒に遊びたいので、仕事が終わったら早く帰りたいとつねに思っているほど。仰向けにしたお腹に顔をうずめながら、赤ちゃん言葉みたいなのをたくさん言うのがうちのコミュニケーションの取り方です(笑)。チビたちも喜んでくれています。
意識しているのは、がんばらないことをがんばること

―それでは最後に、おふたりと同世代のananweb読者に向けて、メッセージをお願いいたします。
広瀬さん 私がここ最近思うようになったのは、「がんばらないことをがんばる」ということ。そのなかで、たまには少しだけ贅沢をする機会を持つするようになりました。たとえば、ちょっといいご飯を食べに行くとか、いつもよりいいお米を買うとか、高い入浴剤を使ってみるとか、それくらい小さなことでも何でもいいので、みなさんにもそういう時間をもっと増やしてほしいです。日々の生活を崩さないくらいのことだけど、いままでの自分とはちょっと違う幸せを味わってみるといいのかなと思います。
シムさん まさにいまのアリスの言葉に、私は癒されました。というのも、実はがんばらなくてもいいと頭でわかっていてもそれをどう実践したらいいのかわからなくて、悩んでいたので。特に私は子役からスタートしていることもあり、ずっと仕事ばかり。最近になって、どういうふうに自分のために生きたらいいのか、どうやって幸せを感じればいいのかについていろいろと考えています。そういう時期だけに、アリスの言葉を聞いて気持ちが軽くなりました。ありがとうございます。
広瀬さん いえいえ、こちらこそです。あとは、少しでも自分にうぬぼれてあげる時間を持つことも必要かなと最近になって思うようになってきたので、それもみなさんに伝えたいです。
インタビューを終えてみて……。
お互いのことが大好きで仕方がないことが伝わってくるくらい、とにかく仲良しの広瀬さんとシムさん。大きなリアクションをする広瀬さんにシムさんが笑顔になり、癒し系のシムさんに広瀬さんが微笑むという素敵なやりとりはいつまでも見ていたくなるほどでした。そんなおふたりが、映画版ではそれぞれどんな活躍を見せるのかにも注目です。
“現代の必殺仕事人”がスケールアップして大暴れ!

さらなる巨悪をぶっ潰すため、ふたたび集結した最強の秘書軍団。さまざまなスキルを駆使して繰り出す彼女たちの痛烈な一撃は、理不尽なことだらけの現代社会で生きる私たちのストレスまで吹き飛ばしてくれるはずです。
取材、文・志村昌美
広瀬アリス ヘアメイク・宮本愛(yosine.) スタイリスト・梶原浩敬(Stie-Lo)
ワンピース¥44,000、中に着たブラウス¥47,300(ともにミューラル/ブランドニュース 03-3797-3673)、ピアス¥18,700(ココシュニック 03-5413-5140)
シム・ウンギョン ヘアメイク・伏屋陽子(ESPER) スタイリスト・島津由行
ストーリー

熾烈な戦いの末に政界のドンを辞任に追い込んだ7人の秘書たちは、ラーメン萬で平和な日々を噛みしめていた。ところが、そんななか新たな依頼が舞い込んでくる。今回のターゲットは、信州一帯を支配する「九十九ファミリー」。
表の顔は経済を潤してくれる地元の名家だったが、裏の顔は私腹を肥やすためには手段を問わない極悪一家だった。過去最大の悪人をこらしめるため、雪深い地にやって来た秘書たち。そこで、待ち受けていたのは、史上最高難易度の任務と決して知られてはいけないある秘密だった……。
かっこよさにしびれる予告編はこちら!
作品情報
『七人の秘書 THE MOVIE』
全国公開中
配給:東宝
https://7-hisho-movie.jp/
️©2022「七人の秘書 THE MOVIE」製作委員会