好きなこと、話そ!

志村 昌美

元AV女優の美人漫画家・峰なゆかが説く「最悪な男の見分け方」

2019.12.13
女性にとって、30歳前後といえば、公私ともにさまざまな転機を迎えることが多い時期。それだけに悩みが増えるときでもありますが、そんなアラサー女子たちから高い人気を誇っているのは、4コママンガ『アラサーちゃん』。女性たちの本音を赤裸々に描き、誰もが共感せずにはいられない作品ですが、今回は最終巻の発売を記念して、こちらの方にお話をうかがってきました。

人気漫画家の峰なゆかさん!

峰さん自身がアラサーではなくなることに伴い、ついに終わりを迎えた『アラサーちゃん』。現在は、AV女優として活動していたころの経験をもとにした『AV 女優ちゃん』の新連載をすでにスタートさせています。そこで、これまでにアラサー世代の恋愛やセックスを見つめ続けてきた峰さんに、ananweb女子に向けてのアドバイスから恋愛テクまでを教えていただきました。

―『アラサーちゃん』を書き始めて10年、連載を始めて8年で完結されましたが、まずはこれまでを振り返ってみていかがですか?

峰さん 最初から最後までキャラクターたちの年齢は変わっていないんですが、初期のころは25歳の私から見た30歳のアラサーちゃんで、いまは35歳の私から見た30歳のアラサーちゃんを描いているので、私が年を取った部分はかなり反映されていると感じています。

―では、この10年で自分自身が一番変わったと思うのはどこですか? 

峰さん 専業主婦願望がなくなったことですね(笑)。

―そうなってしまったきっかけは?

峰さん 実は、昔は専業主婦というのは、家で適当に家事をしていれば養ってもらえるいわば“社会に認められた無職”だと思っていたんです(笑)。でも、実際に自分の周りで専業主婦になった子を見て、大変なことなんだと知ったのは大きかったですね。

しかも、一番怖いと思ったのは、自分に経済力がなければ離婚ができないという現実。たとえ、離婚するほどの問題がなかったとしても、「離婚したら生活できない」という思いが頭にあると、どうしても夫婦のパワーバランスはおかしくなると思うんです。

つまり、対等な関係でいることが相当難しいんじゃないかなと。そんなことを考えているうちに、「私に専業主婦は無理だ!」と気がついてしまって……。

あとは、以前は自分でお金を稼ぐのは大変だから男の人にもらったほうが楽だと思っていたんですが、いまとなっては自分で稼いだほうが楽かもという感じになってしまったのもありますね。

彼氏にお金を盗まれて人が信用できなくなった

―なるほど。では、連載中に一番うれしかったこととつらかったことを教えてください。
 
峰さん うれしかったのはドラマ化されたことで、つらかったのは文系くんのモデルにもなっていた当時の彼氏が私のお金を盗んでいたことが発覚して別れたときですかね。

―えっ⁉ それは衝撃的です……。

峰さん しかも、オラオラ君みたいなクズっぽい男に盗まれるならまだわかるんですけど、そんなことしなさそうなタイプの人に盗まれたので、本当にびっくりしてしまいました。それ以降は、人が信用できなくなってつらかったです。

ただ、文系くんみたいな人は好きなので、そのあともほかの文系くんタイプの男の子と交際しましたが、嫌な部分ばかりが見えてしまい、「こいつも金を盗んでいくんじゃないか」と怖くなりました(笑)。

―かなりのトラウマですよね。ちなみに、作品に実体験はどのくらい含まれていますか? 一番ご自分を反映しているキャラクターがいれば教えてください。

峰さん 5割くらいは自分の話で、あとの5割は他人の話ですね。ただ、それぞれのキャラクターに少しずつ私の要素が入っているので、どれというのはないですが、強いて言えば、オラオラ君が一番共感できますね。

―まさかのオラオラ君ですか!?

峰さん 性格と異性に対しての接し方が似てるという意味ですが、たとえば「俺は浮気するけど、お前はダメだよ」みたいな感じとかは、「わかるー!」って思いながら描いてますから(笑)。

峰さんが思うイイ男の条件とは?

―(笑)。では、数々の男性を観察してきた峰さんが思うイイ男とはどんな男性ですか?

峰さん 私がムカつかないことですね。なので、1 回デートしてみて、その時点で一度もムカつかなかったら、「かなり良し」という判断をします。ほかにいいところがあっても、だいたいの男性がどこかでイラっとする部分があるので、それでもう会いたくないと思うこともありますよ。

とはいえ、2回目のデートだとちょっと気が緩んでそういうところがでてくることもありますし、一夜をともにしたら急に彼氏面される場合もムカつきますよね(笑)。だから、何回か会ってもムカつかない人はすごく貴重な存在なんです。

言ってしまえば、私はムカつくかどうか以外はまったく気にしないので、顔も年収も、気が合うかどうかさえも度外視して、とにかくムカつかない人がいいと思っているくらいです!

―ちなみに、最近だとどんな男性にムカつきましたか?

峰さん めちゃくちゃ細かいと言われてしまうかもしれませんが、例を上げて話すときに、指を折って話す人ですね。しかも、わざわざ指を折ったのに2つくらいしか例がなくて、3つ目が出ないまま中指をピクピク動かしているのが嫌なんですよ!

―おもしろすぎますが、言われてみるとちょっとわかる気がします!

峰さん ただ、これも私が嫌なだけで、実際その人は悪いことをしているわけではないので、「ちょっとそれムカつくんだけど!」とは言えないですよね。でも、その「言ったら怒るだろうな」みたいな言いづらい空気感がある時点で嫌なんです。

―では、峰さん的に最悪な男を見わけるポイントとは?

峰さん いまの話と続きますが、突っ込みにくい男の人はダメだと思います。たとえば、失敗したときとかに、間違いを指摘すると怒る人っていますが、そういう男性はやめたほうがいいですね。

―ということは、峰さんは間違いを見つけたらすぐに指摘してしまうほうですか?

峰さん 私もしづらいときはしないですね。実はこの前も、「一線を画す(かくす)」のことを、ずっと「一線を画す(がす)」と言ってる人がいたんです(笑)。でも、そのときに「ああ、この人はいままでの人生で誰も突っ込んでくれなかったんだな」と感じました。

だから、もし私が突っ込んだらヤバいことになるんじゃないかと思って言いませんでしたが、おそらくそういう空気を周りにいたみんなも共有してきたんですよね。結局、そういう雰囲気の人だと、夜の相性が合わなくても、そのことを言えなかったりするんですよ。

モテるのは「広い範囲で男が好きな女性」

―確かに、そういうところにもつながっていきますよね。では、逆にイイ女の条件とは何ですか?

峰さん 男が好きな女ですね。つまり、「広い範囲で男の人を好きでいる」という意味ですが、それって難しいことですし、実際そういう人は少ないんですよ。たとえば、私なんかはちょっとムカつくことがあったらシャットアウトしてしまいますが、男が好きな女性はムカついても聖人のように許すことができる人。実際にモテているのもそういう女性なんですよ。

なぜかというと、男が好きな女というのはいろいろな人からチヤホヤされるので、その様子を見ていると、男は「何としてでもあの女をゲットしたい!」という気持ちになるんです。男の人は「自分だけを好きな女がいい」というふうに口では言いますが、そんなふうに「あなただけが好きです!」みたいな女に男が何をするかというと、モラハラだったりするわけですよ(笑)。

「この女に冷たくしたらすぐにほかの男のところに行ってしまうかも」と思ったら、家事を一切手伝わないとか、そんな態度は取らないですからね。だから、私も男を許す力を手に入れていきたいです。それができなければ、少なくとも男を広く愛しているフリをすることですね(笑)。

―私もその力を手に入れるか、フリだけでもしたいと思います。峰さんは、これまでにいろいろなデートを経験されていると思いますが、忘れられないデートはありますか? 

峰さん まず最悪だったデートは、相手の人がお店を決めていなかったので、適当に歩いて入ろうと言われたとき。全然決めないので、新宿を歩きまくることになり、最終的に客引きに誘われて学生がひっかかるぼったくり店みたいなところに入ったんです。

そしたら、事前に「コース料理の前菜にはシーザーサラダが出ます」と聞いていたのに、運ばれてきたのは、千切りキャベツにマヨネーズがかかっていたサラダ。さらに、天使のエビのなんとか風も、ちっちゃいむきエビがお皿にポンと乗っていただけでした。

―なかなかすごいですね(笑)。

峰さん でも、私はすごくおもしろくて、ゲラゲラ笑っていたんですけど、相手の人が「本当にごめんね」とずっと言い続けて落ち込んじゃったんですよ。私からすると、「いやいや、おもしろいじゃん!」みたいな感じだったので、きっと一緒におもしろがってくれていたら、これはこれでおもしろいデートになったんだろうなと思いました。

最高のデートで起きた驚きの出来事とは?

―確かに、落ち込まれるとこちらも言いにくいですが、笑いに変えてくれていたら一緒に楽しめたのにということですね。

峰さん そうですね。でも、やっぱりお店は予約しておくのが安心ですけどね(笑)!

―それはごもっともです。では、最高のデートも教えてください。

峰さん そのときはお店を予約してあったんですが、ドレスコードがあるのを知らずに、私も相手も2人ともジーンズで行って、お店に断られてしまったんです。事前に何も言われてはいなかったんですけど、そのお店は高いところだったので、「そんなこと言わなくても当たり前でしょ」みたいな感じだったんですよね。

そこで、「30分後にまた来ます」と言ってタクシーに乗り、伊勢丹でいかにもみたいなドレスを買ってもらって着替えて行ったときにはキュンとしました。しかも、私が無難なワンピにしようとしたら、逆に誰も着ないような社交界用のドレスみたいなものを彼が選んだんです。でも、そのお店に対する挑戦的な彼の姿勢がすごくいいなと思いました。

―ちなみに、初めてのデートから2回目につなげるためにしたほうがいいことはありますか?

峰さん よくやるのは、「誕生日が近いから」とか「今日は相談に乗ってもらったから」とか、なんだかんだ理由をつけて、私がおごります。そうすると向こうは「申し訳ないからできないよ」と言うんですが、そしたら「じゃあ、次はおごってね」と返すんですよ。それを無視するようなひどい人はまずいないですから。

―さすがですね……。勉強になります。そして、峰さんといえば、あふれんばかりの色気がうらやましい限りですが、どのようにすればその色っぽさを出せるのでしょうか?

峰さん たとえば、童顔の人はあまり色っぽいというふうには判断されづらいので、キャピキャピした声を出さずに、低めの声でゆっくり話すと色気が出ると思います。あとは、前髪がある人は伸ばしたほうが色っぽく見えるので、そんなふうに若々しいアイテムを大人っぽいものに変えるだけでも、色気があるように見られるはずですよ。

―それなら誰にでもできそうですね。では、峰さんにとって座右の銘は何ですか?

峰さん それは、「大衆は豚」です。母から教えてもらった言葉ですが、私に友達ができなかったときや描いた絵がまったく評価されなかったときに、「大衆は豚だから人間の価値がわからないの。しょうがないのよ」と言ってくれて、私も「そうか!」と納得して、世間を見下すことでなんとか精神を保ってきました(笑)。

大切なのは自分を傷つけるのをやめること

―お母さまも最高ですね(笑)。それでは最後に、アラサー世代の女性に向けてメッセージをお願いします!

峰さん 女の人は、うまくいかないことがあると、すぐに「自分が悪い」と思いがちなんです。でも、自分を傷つけるくらいなら、他人を傷つけたほうがいいと私は思っています。

といっても、実際に誰かを傷つけるわけでも、悪口を言ったり、ネットで嫌なリプライ送ったりとかそういうことではないですよ! つまり、「自分がダメだから……」と思うのではなく、「周りの人間が悪いんだ!」と心のなかで思うくらいはいいですよね? 

「他人が悪い」と思っているだけでは誰も傷つかないですけど、「自分が悪い」と思ったら、自分はめちゃめちゃ傷つきますから。それはよくないことだと思うので、みなさんにもその意識を持ってほしいです。

インタビューを終えてみて……。

『アラサーちゃん』愛読者としては、大興奮の取材となった今回。峰さんの秀逸なコメントの数々に、「共感・爆笑・納得」をひたすら繰り返してしまいました。同じ女性としては、ぜひ峰さんの色気と女らしさを見習いたいと思います!

さらに、『アラサーちゃん』と同時発売されたイラストエッセイ『もっとオシャレな人って思われたい!』も女子力アップに一役買ってくれること間違いなしなので、ぜひ合わせて読んでみてください。

心に響く名言に救われる!

女性はもちろん、世の男性たちにも読んでほしい『アラサーちゃん』。仕事に恋に、すべてと戦う悩めるアラサー女子にとっては、厳しい世の中を生き抜くうえでも手放せない“バイブル”となるはずです!

作品情報

『アラサーちゃん 無修正』全7巻
著者:峰なゆか
扶桑社より発売中
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エッセイも大人気!
『もっとオシャレな人って思われたい!』
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