田代 わこ

ギャラリーにお泊り!? 噂の “カプセルホテル” アートを見てきた!

2017.7.5
六本木の21_21 DESIGN SIGHTで「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」がスタート。ここでは、なんとギャラリーの中に泊まれるカプセルホテル “作品” が展示されています! さらに、遊べるインスタレーションや驚きのプロジェクトも集結。大人がワクワクする展覧会を取材してきました!

どんな展覧会?

【女子的アートナビ】vol. 74

「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」では、世界的に有名なアーティスト、クリストとジャンヌ=クロードをはじめ、全8組のクリエイターによる壮大なプロジェクトを紹介。映像作品やインスタレーションなどを見て体験して楽しめる展覧会です。

まず目を引いたのが、奇妙な形をした巨大な作品《テープ・トウキョウ 02》。制作者は、舞台芸術やインダストリアルデザインなどさまざまな分野で活躍しているアーティスト集団、ヌーメン/フォー・ユースです。この作品は、膨大な量のテープでつくられているそうで、計画当初は総延長21,120メートルも使う予定だったとのこと。実際に使用したのは16,220メートル。それでも長いですよね!

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この作品の中には、入っていくこともできます。同時に入れるのは3人まで。靴を脱いで、踏み台を使って上がっていきます。

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上の写真は作品内部。巨大な生き物の体内に入り込んでしまったような、不思議な感覚を体験できます。

カプセルホテルが出現!

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そして、噂のホテルがある展示室へ。今展から新たにオープンした“ギャラリー3” に展示されているのが《カプセルホテル21》。クリエイター、西野達が手がけた新作インスタレーションです。

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枕や布団があり、壁にはコンセントが埋め込まれ、ちゃんとカプセルホテルになっています。しかも、簡易シャワールームまで設置するという徹底ぶり。

本作品の解説パネルには、「実現不可能性99%=99%アイデアが実現できそうにないアート」と書いてあります。確かに、美術館にカプセルホテルを作るなんて、ふつうは無理だと思いますよね。規制がいろいろあって、役所から許可を得るのも難しそうです。

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制作者の西野さんは、これまで主に海外で実現不可能そうな作品に挑んできたとのこと。今回の作品を実現化するまでにも、さまざまな難問があったようです。「特に日本は規制が厳しいので、展覧会企画関係者の方と相談しながらひとつひとつ問題を解決していった」と語っていました。

ちなみに、7月14日(金)と28日(金)の21:30~翌8:30には “宿泊” 体験イベントも実施予定。インスタレーションの中で泊まれてしまうなんて、すごすぎます!

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ほかにも、クリストとジャンヌ=クロードがイタリアのイセオ湖で手がけたプロジェクトのドキュメント映像(写真上)や、土や泥絵の具を用いて絵画制作を行う淺井裕介による《土の旅》(写真下)など、ダイナミックな作品をたっぷり堪能できます。

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今展で見られるプロジェクトは、どれも「そこまでやる?」とツッコミを入れたくなる壮大なものばかり。ふつうなら「無理」とあきらめてしまいそうなものでも、クリエイターのみなさんは果敢に挑戦しやり遂げています。展覧会ディレクターの青野尚子さんは、そんな彼らの姿を見て「ここまでやっていいんだ」と勇気がわいてきた、と語っていました。どんなに困難なことでも乗り越える方法はある。そんな力強いメッセージも伝わる企画展です。

グッズも “そこまでやるか”!

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展覧会のオリジナルグッズも “そこまでやるか” なものばかり。派手なオレンジのトートバッグ(税抜き2,200円)をはじめ、大きなノートや小さすぎるメモパッドなど、どれも遊び心がいっぱいです。

楽しくて元気も出てくる展覧会、ぜひ足を運んでみてくださいね!

Information

会期:~10月1日(日) ※休館日は火曜日
時間:10:00 ~ 19:00 ※入場は30分前まで
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
料金:一般 1,100円/大学生 800円/高校生 500円/中学生以下無料

公式サイト