実は略語でした! 「プレハブ」、もともとの名は何でしょう?
【実は略語】vol. 12

「プレハブ」って、何の略?
建築に関するさまざまなシーンで見聞きする言葉「プレハブ」。仮設の事務所や仮店舗、庭に設置する小屋や物置、さらに一般住宅などをイメージする方もいると思います。
そんな誰もが知っているプレハブも、実は略語。しかも、外来語のようです。さて、いったい何の略でしょう?
プレハブ、もともとは…?
プレハブは、英語のプレファブリケイティッド(prefabricated)の略でした! 意外に長くて難しい単語でしたね。
prefabricatedの意味は、「前もって組み立てられた、前もって工場生産された」。英語でも略して「prefab」と書き、本来の発音は「プリーファブ」。そこから日本ではプレハブとなって定着したようです。
プレハブはヨーロッパ生まれ!
日本でもすっかりなじんでいるプレハブですが、もともとはヨーロッパ生まれ。
一般社団法人プレハブ建築協会のサイトによると、近代のプレハブ建築は、18世紀末、植民地時代のヨーロッパで誕生。植民地で病院や住宅などを建設するため、まず本国で部材やパネルを製作して現地に運んだのがはじまり、とのことです。
その後、20世紀初期にドイツの建築家、W. グロピウスが指導して試作した「乾式構造」の住宅が登場。これが日本の建築家によって研究され、プレハブ住宅につながっていきます。
日本初のプレハブ住宅は…
日本で初めてプレハブ住宅が商品化されたのは、1959年。大和ハウス工業の「ミゼットハウス」です。戦後のベビーブームで家族数が増えたことから、同社が離れに建てる子ども用の勉強部屋を考案し、商品化しました。
3時間で建つ子ども部屋「ミゼットハウス」は大ヒット。その後、トイレや台所をつけた新婚世帯用のプレハブ住宅も開発され、本格的な住宅に発展していきました。
プレハブは略語でした!
プレハブは、ちょっと難しい英語「プレファブリケイティッド」の略でした。プレハブ誕生のきっかけは、ヨーロッパの植民地支配。また、日本で初めて商品化されたプレハブ住宅は、子ども部屋だったことがわかりました。
意外な略語はまだまだあります。次回もお楽しみに!
参考資料
『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)
『情報・知識 imidas』(集英社)
『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)
プレハブ建築の歴史(海外)|一般社団法人プレハブ建築協会
プレハブ住宅の原点ミゼットハウス|大和ハウスグループの技術|大和ハウス工業