多額の慰謝料は分割払い… 不倫相手の嘘を信じて身を滅ぼした女性の「ダブル不倫の末路」【後編】

文・並木まき — 2022.8.24
口がうまい既婚者の男性から不倫に誘われ、最初はためらっていたものの「ダブル不倫はお互い様だから、慰謝料は相殺になって払わないですむ」などの相手の言葉を鵜吞みにし、安易な気持ちで関係をスタートさせてしまった真美さん(仮名)。真歩さんの不倫はやがて夫に知られ、夫は相手に慰謝料を請求するという事態に発展したそうです。

不倫相手が離婚。真美さんに巨額の慰謝料請求が…

「夫は相手の男性に慰謝料を請求。私も夫に知られた以上は不倫相手と会い続けるのはやめようと思い、キッパリと関係を終えました。この時点でも自分がしてしまったことの罪深さに反省をしていましたし、夫が傷ついた様子を見て自分を許せない気持ちにもなっていました。
過去はもう変えられないけれどもう二度と不倫なんてしないで、これからは夫に償いながら、まともに生きていこうと決意したんです。しかし、不倫相手が離婚をしたという連絡が入り、状況がどんどん悪くなっていきました」

不倫相手も既婚者だったため、真美さんの夫が慰謝料を請求したことで、相手の妻も不倫の事実を知ることに。不倫相手の男性は、この出来事をきっかけに離婚。さらには不倫相手の元妻から真美さん宛に、多額の慰謝料を請求する文書が届いたそうです。

「人の家庭を壊した重みを考えなさい」と言われ…

「それまでは不倫相手が私によく言っていた『ダブル不倫は慰謝料が相殺になるから実質は支払う必要がない』という言葉を鵜呑みにしていたので、慰謝料というものについて真剣に考えていなかったように思います。だけど、相手が離婚をすることになり私に請求をしてきた額は、ウチの夫が請求した額よりも多く、“相殺”なんてできるレベルではありませんでした。
調べてみると、不倫の慰謝料は、不倫によって夫婦関係が破綻した場合には高額になることがあるようでした。そんなことすら知らなかった私は、この時点で顔が真っ青になりました」

それまで生活費は夫の収入、自分の収入はお小遣いとして自由に使うことが許されていた真美さんは貯蓄がほぼゼロに近く、相手の妻から請求された額は到底支払える額ではなかったのだとか。仕方なく真美さんが「お金がなくて払えません」と相手の妻に連絡を入れると、「人の家庭を壊したことの重みを考えなさい」と静かに諭されてしまいます。そして減額はしないが分割での支払いに応じる、と提案してくれたそう。

「相手の妻はまったく感情的になっていなくて、むしろ冷静でした。そして“家庭を壊した重み”と言われればその通りなので、慰謝料を払わず逃げるなんて許されないことだと悟りました。妻が分割でもいいと言ってくれたので、お金がなかった私は分割の支払いをすることで合意をしました。

一方、夫は相手の男性に慰謝料を請求していたのですが、彼は離婚と同時に姿を消してしまって…。仕事も辞めて、携帯電話も解約し、転居先も誰にも告げずにいなくなったので、どこにいるのかまったくわからなくなってしまったんです。相手の妻も彼の居場所を探そうと努力してくれたのですが、すでに離婚している以上は転居先を調べるのも難しいとのこと。結局夫は相手の男性から慰謝料を受け取れず、泣き寝入りをするという結果になってしまいました」

その後、真美さんは離婚の危機を乗り越えて現在も夫と暮らしていますが、不倫相手の元妻への慰謝料の支払いは継続しているそうです。「ダブル不倫なら慰謝料はかからない」という彼の嘘を信じ、安易に不倫をしてしまった自分を後悔してもしきれないと語っていました。


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不倫相手の発言を安易に信じてしまい、取り返しのつかない事態になってしまうケースもあるようです。慰謝料の有無に関わらず、どんな事情があったとしても不倫はするべきではないでしょう。

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