長尾智子直伝♪ 作りおき「スパイスオイル」でカレーをグレードアップ!

2016.11.2
じっくり煮込み料理をしたり、甘味の増した冬野菜を常備菜にしたり。肌寒くなってくるこれからの季節は、保存の利く作りおき料理にとりかかる、ベストシーズンともいえそうです。

フードコーディネーターの長尾智子さんに、保存のきくソースの作り方と、それを使ったレシピを聞きました。

本格的なカレーを作ろうとホールスパイスを買い込んだものの、使ったのは一度きり……。そんな経験のある人も多いのでは?

「単体では難しくても、合わせてオイル漬けにすれば、和えたりかけたり用途が広がります。今回使った4種類のスパイスは、そのままカレーにも使えるベーシックな組み合わせ。スパイスは香りが出るまで、しっかりから煎りを。辛くしたければ、鷹の爪を加えても。クミンの香ばしさが決め手なので、1種類で作るなら、ぜひクミンで」

ローストスパイスオイル

(保存目安:常温で1か月)

ローストスパイスオイル。
ローストスパイスオイル。

【材料】(作りやすい量)
クミンシード…大さじ3、シナモンスティック…4本、クローブ…小さじ1、ローリエ…3枚、米油(またはグレープシード油、なたね油など)…約150ml

【作り方】
クミンシード、半分に折ったシナモン、クローブをフライパンに入れ、弱火で煎る。クミンが少し焦げて、香りが立ってきたら火を止め、キッチンペーパーに移して冷ます。ローリエは小さくちぎって加える。スパイスをすべて瓶などの容器に入れ、油を注ぐ。

ひき肉とにんじんのカレー

ひき肉とにんじんのカレー。
ひき肉とにんじんのカレー。

【材料】(2~3人分)
豚ひき肉…300g、にんじん…中1本、玉ねぎ…大1/2個、ピーマン…2個、にんにく…小1かけ、しょうが…約15g、トマトピュレ…約200ml、ししとう…約12本、塩、こしょう…各少々、ローストスパイスオイル…大さじ3、赤唐辛子粉(あれば粗挽き)…大さじ2強、米油またはグレープシード油……大さじ1、キヌアご飯(白米にキヌアを3割加えて炊く)…適宜

【作り方】

  1. にんじんは粗いおろし金ですりおろす。玉ねぎはみじん切り。にんにくは2等分して芯を外し、すりおろす。しょうがもすりおろす。ピーマンは2等分してへたと種を取り、小さな角切りにする。
  2. フライパンか鍋に油を入れ、弱火にかける。にんじん、玉ねぎ、にんにく、しょうがを炒め、香りが出てきたらローストスパイスオイルと塩を加えて炒め合わせる。スパイスの香りがしてきたら赤唐辛子、ピーマンを加えて軽く炒め、ひき肉を加えてほぐしながら、ひき肉の脂が出てくるまでしっかりと炒め合わせる。
  3. 2にトマトピュレの半量を加えて混ぜる。なじんだら残りを入れ、水分を飛ばすように煮込んで、赤い油が出てきたらざっと混ぜて味を見る。足りなければ、塩、こしょう、赤唐辛子で味を調整し、軽く煮て火を止める。
  4. ししとうは油小さじ1(分量外)を熱したフライパンで焼き、塩を振る。器にご飯とカレー、ししとうを盛り合わせる。

※保存期間はあくまで目安であり、保存環境や季節によっても変わります。

ながお・ともこ フードコーディネーター。雑誌や書籍を中心に、レシピやエッセイを執筆。食品や器の商品開発なども手がける。現在新刊を制作中。www.vegemania.com
※『anan』2016年11月9日号より。料理・長尾智子 写真・日置武晴 スタイリスト・田中美和子 文・奥田香里 器協力・UTUWA

(by anan編集部)