2025.12.12

『バーフバリ』“王”の来日に日本のファンが歓喜! 素顔はシャイなプラバースさんにインタビュー

ついに日本の『バーフバリ』ファンの夢が“結願”した。12月5日、6日に映画『バーフバリ エピック4K』の舞台挨拶に主演のプラバースさんが登壇。日本のファンから熱烈歓迎を受けた。5日、丸の内ピカデリーに響く「バーフバリ! ジャイホー!」の歓声とともに会場に現れたプラバースさんは、目を潤ませながらその光景を眺め、はにかんだ笑顔をファンに向けた。そして、翌日の舞台挨拶の合間を縫って、特別にプラバースさんのインタビュー&撮影がついに実現!

私にとって日本は
第二の故郷のような
気持ちです

インタビューにはプロデューサーのショーブ・ヤーララガッダ氏も同席し、時折、どちらが先にインタビューに答えるかを2人でこっそり相談しながら答えてくれた。

── 昨日今日と初めて日本のファンと直接お会いしてみて、いかがでしたか?

プラバース ステージからは私の姿を見て打ち震えて涙を流す方も見えて、感動しました。私自身、とてもエモーショナルな気持ちになりましたね。『バーフバリ』シリーズ以前の私の作品を鑑賞してくださっている方もいらっしゃると聞きました。そういうお話を聞いた上で実際に日本のファンの方にお会いしたのですが、目の前で感動する姿を目の当たりにすることができて、本当に忘れられない経験になりました。

みなさんが贈ってくださるたくさんの愛に感謝していますし、私もみなさんを愛していますとお伝えしたいです。こうして直接みなさんにお会いすることができてとても幸せです。私もこの日が来るのを約10年待っていましたが、本当に素晴らしい日になりました。

── 日本にはこれまでS. S. ラージャマウリ監督なども来日され、日本での『バーフバリ』シリーズ人気は本国にも伝えられていると聞いています。来日する前プラバースさんは日本の人気についてどの程度認識されていましたか?

プラバース ラージャマウリ監督のご家族とショーブのご家族から、日本のファンのみなさんの愛と熱い想いについては伝え聞いていました。今回、ようやくその気持ちにお応えすることができて、大変うれしく思っています。

── 『バーフバリ』シリーズは親子二代にわたる長き物語でありながら、アヴァンティカやシヴァガミ、デーヴァセーナといった女性たちの強さも際立っていましたし、また敵役のバラーラデーヴァやカッタッパ、クマラなど魅力的な登場人物にもファンが大勢誕生しました。プラバースさんが“バーフバリ”という物語にもっとも魅力を感じるポイント、そして日本でこれほどまでに熱狂を生んだ理由は何だと思われますか?

プラバース 『バーフバリ』シリーズは最大級の映画を作るという目標を掲げて作られた作品ですが、それ以上のものを達成したと思います。なぜ日本のファンのみなさんがここまで情熱を傾けてくださるのか、私には到底信じられない思いでしたが、日本のみなさんはそれを実際に見せてくれました。みなさんが真摯な気持ちを寄せてくれたおかげで、今となっては、私にとって日本は第二の故郷のような気持ちです。

もともと私たちは日本でここまで本作に熱狂してくださる方がいるだなんて、まったく期待していなかったんです。インドの映画がここまでたくさんの日本の方に響いたというのは、私たちにとっては誇りです。みなさんの熱い想いに応えるべく、これから先も待っていてください。きっと日本のファンのみなさんは次の作品も待っていてくださると思うので、また作品を携えて日本を訪れるのを楽しみにしています。

ヤーララガッダ 『バーフバリ』シリーズは女性の感情の描かれ方、そして女性と男性の間で生まれるドラマ、そこにみなさんが共感するポイントがあるのではないのかと推察しています。もう 1つ言えるのは、本作はアニメ的で誇張された表現が多い作品なんですよね。そういったシーンにおける感情の高ぶりは日本のみなさんにはきっと馴染みがあるものだと思うので、ある意味、文化的な共通点があるのではないかなと。ドラマティックで強い感情と、アニメ的な要素を盛り込んだ表現、この2つが日本のみなさんには受け入れられやすかったのではないかと分析しています。

── S. S. ラージャマウリ監督は、どんな人ですか?

ヤーララガッダ ラージャマウリは私にとって付き合いの長い、いい友人です。とても緻密な人で、常に細かいところにまで目を光らせています。あといつも何かを学ぼうとしています。彼は、どんなことに対しても「自分はもうすでに十分知っている」と思うことをしないんですよ。例えばビジュアル・エフェクトだったり、映画に必要な要素に関しては、それが新しいジャンルであっても貪欲に学んで、吸収しようとする。普段からあらゆる状況を冷静に見て、準備している。そんな人ですね。

1本の壮大な
物語の旅として
楽しんでください

── 今回、2作に分かれていた作品が1つの作品として新たに生まれ変わりましたが、『バーフバリ エピック4K』ならではの見どころ、過去に2作を観ている方も楽しめるポイントを教えてください。

プラバース 2つの映画を1つの物語として一緒に観ることができるというのは素晴らしい体験ですよね。そして本作にはサプライズとして新たに追加されたシーンがあって、今までとはまた違った高まりを感じさせてくれると思います。ビジュアルとオーディオはリマスターされているので、より映画の世界に没入することができるし、新鮮さも感じていただけると思います。

2作品を1本の映画にするにあたって編集・カットされたシーンはありますが、既存の2作品のハイライトはすべて『バーフバリ エピック4K』でも観ることができますし、より強化されたと言えると思います。監督がうまく編集し直してくれたので、オリジナルの2作品を観たことがある方も、今回初めて『バーフバリ エピック4K』で観る方も、1本の壮大な物語の旅として楽しんでいただける作品になっています。『バーフバリ エピック4K』は大画面で観るために作られた映画なので、ぜひ劇場に足を運んで観ていただけたらと願っています。

ヤーララガッダ インドで『バーフバリ 伝説誕生』が公開されて10年が経ち、お祝いとして何かリリースしたいという監督の想いがきっかけとなって、オリジナルの2作品を組み合わせて1本の映画に編集し直したのがこの『バーフバリ エピック4K』です。

日本では2017年に公開された映画にもかかわらず、今回もこうして劇場に足を運んでくれるファンがいて、とてもありがたいですよね。もともと2つの映画に分かれていた作品を1本の映画として鑑賞できるという経験はほかではあまりないことだと思いますし、これまでの2作とはまた別の作品として感じてもらえるように、監督も編集にはかなり時間をかけていました。みなさんに楽しんでもらえるように、監督が本当に心を尽くした作品ですので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。

ここに載せきれなかったプラバースさんのお話は、後日anan本誌にて掲載予定! どうぞお楽しみに!

profile

プラバース

1979年10月23日生まれ。インド/チェンナイ出身。父親は映画プロデューサーで、叔父は俳優のクリシュナン・ラージュ。映画学校を卒業後、『EESHWAR』(2002)で俳優デビュー。主演作である『チャトラパティ』(2005)や『MIRCHI/ミルチ』(2013)がインド国内で大ヒットを記録。その後『バーフバリ』シリーズで世界的に愛されるスターに。出演作にはほかに、『サーホー』(2019)、『カルキ 2898-AD』(2024)などがある。

information

『バーフバリ エピック4K』

全世界に“バーフバリ旋風”を巻き起こした大ヒットインド映画『バーフバリ 伝説誕生』(2015)と『バーフバリ 王の凱旋』(2017)。その2作品を、S. S. ラージャマウリ監督が自ら再編集。未公開シーンや新録ナレーションも加え、新たに1つの作品として転生させたのが今作。2週間限定で公開中!

〈STORY〉

遥か遠い昔、巨大な滝の下で育った青年シヴドゥ(プラバース)は、美しい女戦士アヴァンティカ(タマンナー)と出会い、恋に落ちた。彼女の一族が暴君バラーラデーヴァ(ラーナー・ダッグバーティ)が統治するマヒシュマティ王国と戦いを続けてることを知り、戦士となって王国へ乗り込んで行くのだが、そこで彼は、王妃でありながら25年間も幽閉されている実の母・デーヴァセーナ(アヌシュカ・シェッティ)の存在と、自身が王国の王子マヘンドラ・バーフバリである事を知る。その背景には、父アマレンドラ・バーフバリ(プラバース2役)が王だった時代に起きた王宮を揺るがす王位継承争いがあった。数奇な運命に導かれた伝説の戦士バーフバリ。祖父、父、息子、三代に渡る壮絶な愛と復讐の一大叙事詩。

写真・泉山美代子 取材、文・尹 秀姫

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