2025.03.21

小西桜子×レイヤードで遊ぶデニムルック「好きなことに突き進む気持ちは揺るがない」|Antenna Meets NEW STAR #3

瑞々しく柔らかな雰囲気を持つ小西桜子さんが、普段はなかなか着ないというファンシーなスタイルで「Antenna Meets NEW STAR」に登場。いくつものアイテムを繋ぎ合わせ新しい魅せ方をするプレイフルなデニムルックで、愛らしい笑顔の奥に潜んだクリエイティブな一面を見せてくれた。

レイヤードして生み出したデニムドレスで遊ぶポエジーな感性

〈QUIITO〉のノーカラージャケットやスカート、〈Sasquatchfabrix.〉のシャツ、〈77circa〉のパンツなど様々な形のデニムアイテムを繋げ重ね合わせて、新たに一つのドレスを生み出した今回のスタイリング。小西さんがアイテムを脱ぎ着することで、ドレスは流動的に形を変えていく。

まるでパズルのようなデニムルックを身に纏い「なんだか面白い!」と自分からポージングを提案してくれる小西さん。スタイリングとともにアイメイクに変化をつけ、違った角度から彼女の表情を覗いていく。

── 今回のスタイリングの感想を聞かせてください。

普段からデニムはよく履きますがラフなイメージがありました。でも、今回はエレガントなスタイリングを作り出していて気分が上がりました! デニムにデニムを合わせるのは難しいと思っていましたが、様々なアイテムを繋ぎ合わせることでドレッシーに着こなせるんですね。それに一つひとつのアイテムもディテールが凝っていたり、リメイクのような風合いがありとてもかわいいです。

なりたい自分になるには、今何をすべきか

── 小西さんのanan初登場は2020年。当時の心境を覚えていますか?

実は、あのインタビューを受けたのは22歳。ちょうど映画『初恋』の舞台挨拶の日だったんです。映画『初恋』は、私が本格的な演技にはじめて挑戦した作品でした。撮影から公開までに2年ほどかかったので、スクリーンの中の私は20歳。三池崇史監督や共演者の方々に久しぶりにお会いして「大人になったね」「綺麗になったね」と声をかけていただきました。私自身も、撮影当時と比べて自分の成長を実感した日でした。そして、2020年はちょうどコロナ禍だったので未来への不安もあり、「今こそ頑張らないと」と考えていましたね。

人生を通して得た
感情の一つひとつを
逃さない

── あれから5年。小西さんの中で気持ちの変化はありますか?

大きく変化していると感じます。5年前は自分の演技力が未熟だと分かっていたから、それを気持ちだけで補っていました。とにかく目の前のことに全力を尽くす毎日だったんです。今はいい意味で余裕も出てきて、5年後、10年後の自分がどうなっていたいか、その自分になるには何をするべきかを考えるようになりました。演技力を磨くのも大切ですが、日々の暮らしに向き合ったり、色々な経験をして人間としての感情の引き出しを増やしていきたいと思うんです。精神的に成熟していきたいですね。

“好き”に向かって突き進む揺るがない信念

── 小西さんが演技に興味を持ったのはなぜですか?

大学時代に出演した自主映画がきっかけでした。大学の先輩に「自主映画のヒロインにならないか」と誘われて引き受けたのですが、自分ではない誰かを演じる楽しさを知ったんです。完成した作品は、新宿のミニシアターで上映されました。

だけど、わざわざ足を運び、お金をかけて観にきてくれる人は少なくて…。その時に「今の実力だと、観にきてくれるのはこんなぐらいの人数なんだよ」と応援してくれていた友達に言われたんです。その言葉を聞いて「いつか私の作品で映画館を満席にしてやる!」と心に火がつきました。今でもあの時の一言には感謝していますね。

── いいお話ですね…! それからオーディションに挑戦し、応募者3000人の中からヒロインに抜擢されて映画『初恋』に出演しています。小西さんには自らチャンスを手にしようとする強い気持ちがあるように感じます。

実は、自分があんまり自信を持って取り組めることって少ないんです。でも、好きなことに向き合う気持ちの強さには自信があります。お芝居もその一つです。私は、何かを好きになるとそれしか見えなくなって、どこまでも突き詰めたくなるんです。「演じるのが好き!お芝居をしたい!」と思ったら、失敗を恐れる気持ちがどこかに飛んで行って、ちょっぴり図々しいと思われることもしてしまいます。

映画『初恋』のオーディションの時も、演技の経験は浅いのに「この役は私がやるべきです!」と大きなことを言いました…(笑)。そんな私が今もお芝居を続けられているのは周りの皆さんのサポートがあるからです。感謝を忘れずに、これからも信念を曲げずに頑張りたいですね。

今まで演じてきた役柄は
違う世界にいたかもしれない
もう一人の自分

── 小西さんは、映画やドラマで様々な役柄を演じてきました。経験をしたことのないような人生を歩む役柄を演じる機会も多いと思いますが、どのように演じていますか?

私は、どの役柄ももう一人の自分だと考えるようにしています。今まで演じてきた人物たちは、違う境遇に生まれ、違う環境で育ち、違う人と出会ってきた“IF”の世界線を生きる私のような気がするんです。そう思い込むと、台詞も私の言葉として話せます。

── 素敵な考え方ですね! 自分と役柄を切り替えるのは難しくありませんか?

意外と切り替えは得意なんです! カメラの前で集中して、自分の持っている力の200%を出し切る気持ちで演じています。その瞬間にかけているので、普段の自分と役柄としての自分の境界線はしっかりありますね。

わたしが、いま一番好きなこと

── 以前からブログやSNSで発信している小西さんの言葉に魅力を感じていました。小西さんにとって、文章を書くことはどんな意味を持っていますか?

とても大事です。言葉って、奇跡のような力があると思うんです。何千年も前に生きていた人の言葉を読めば、その思想と繋がれます。言葉を知れば、この時代から抜け出すことだってできるんです。もしかしたら何年後かに、私がブログやSNSで発信してきた言葉が誰かの人生を少し変えるかもしれないですよね。これからは役柄を通して表現するお芝居だけではなく私自身の表現もしていきたいので、文章を書くお仕事もしてみたいですね。

── 文章を書くことは、お芝居の仕事にも繋がっていますか?

インプットした感情を言葉としてアウトプットするのは、お芝居での表現にも繋がっていると思います。私は、子どもの頃から今まで日記を書いてきました。日々の中で感じたことをとにかく書き連ねてきたのですが、見返すと感情の揺れ動きが分かるんです。高揚していたり、悲しんでいたり、感情って時間が経つと忘れてしまいませんか? だから私は日記を書くことで感情を心の引き出しにストックしてきました。そういった感情や思想がお芝居に滲んでいくと思うので、これからも文章を書くことを大切にしたいです。

── 最後に、小西さんが今一番好きなことを教えてください。

とにかく今は 「No No Girls」です。SKY-HIさん率いるBMSGとちゃんみなさんがタッグを組みプロデュースするオーディション番組ですが、ついに「HANA」というガールズグループが誕生しました。この瞬間に立ち会えたことが嬉しいんです!

彼女たちには見せかけの可愛さではなく、女性としての魂の美しさや強さを教えてもらいました。女性はみんな“No No Girls”だと思うんです。私は「No」と自分に突きつけてきた世界を変えたい。その「No」を原動力にお芝居や言葉を書くことなど自分の表現と向き合っていきたいです。

Profile

小西桜子(こにし・さくらこ)

1998年生まれ、埼玉県出身。応募総数約3,000人の中から映画『初恋』(2020)のヒロインに抜擢され、注目を集める。主な出演作は『初恋』、『映像研には手を出すな!』、『佐々木、イン、マイマイン』、『猫』(以上、2020)、『レンアイ漫画家』(2021)、『スイートモラトリアム』(2023)、『ありきたりな言葉じゃなくて』(2024)など。映画やドラマで幅広く活躍している。現在ドラマ『風のふく島』、ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』に出演中。

Photography:Kai Naito Stylist:Taichi Sumura Hair&Makeup:Kyoka Fukui Text:Foo Syoji Edit:Rio Hirai

[着用]デニムノーカラージャケット¥39,600、デニムスカート¥35,200(キイト info@quiito.co.jp)、デニムシャツ¥47,300(サスクワァッチファブリックス/ドワグラフ. http://www.sasquatchfabrix.com)、デニムパンツ¥46,200( 77サーカ)、その他すべてスタイリスト私物

[物]デニムベスト ¥9,000、デニムコート¥18,000(uesd/アヤワスカ洋服店 TEL:03-6887-9299)、デニムジャケット¥47,300(サスクワァッチファブリックス/ドワグラフ.)、その他すべてスタイリスト私物

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