【胸キュン】羽根田卓也「ルーティンはあえて作らない」

2017.2.22
リオデジャネイロオリンピックで、日本人選手団の中でいち早くメダルを獲得して、一気にその名が知られるようになった羽根田卓也さん。競技は、激流の河川コースのゲートを通過しながらタイムを競うカヌー競技、スラローム・カナディアンシングルだ。

毎日、朝食はお茶漬け、夜はチャーハンです。

羽根田卓也

羽根田さんは、高校卒業と同時に単身でスロバキアへ渡り、現在もスロバキアで生活しながらトレーニングを積んでいる。一日のタイムスケジュールを聞いてみると、さすがに規則的だ。

「毎朝7時ぐらいに起き、7時半に朝食を食べたら軽いストレッチをして、8時には練習場へ向かい、9時から11時までトレーニング。その後、昼食を摂り休憩をして15時から17時までトレーニング。家に帰ったら18時ぐらいに夕食を食べ、お風呂に入ったりストレッチをして、22時半から23時には就寝。毎日8時間は寝るようにしています。昼食以外はほぼ自炊で、朝食はお茶漬けと決めているんです。お茶漬けならパッと食べられて、とくに気温の低い冬の朝にあったかいものを食べることで、体の中から内臓をあたためることができるのでいいんです。スロバキアではお米も売られているし、炊飯器も日本から持っていってますから。夜は、迷ったらだいたいチャーハンを作ります。とにかく早く作れて量が多いことが条件で、味は二の次。食文化の違うスロバキアで生活してからというもの、何を食べても美味しく感じられるようになりました(笑)

「環境が厳しく、恵まれすぎていないスロバキアで、いろんな面で成長することができた」と話す。

「日本人選手はほとんどが日本を拠点にしているから、オリンピックの選手村のごはんが苦手な人が多い。だから日本チームは、選手村の外に日本食が食べられる食堂とトレーニング場を併設した施設を毎回作っているんです。でも今回のリオは、その施設が選手村から遠くて、僕は練習が終わって疲れている時にわざわざごはんを食べるためだけに遠くに行きたくなかった。だから、選手村の食堂にあったご飯に味噌汁をかけて、ねこまんまにして食べていました。普段通りとはいきませんでしたが、何の問題もないんです」

ルーティンやジンクスはあえて作らない。

「プレッシャーとうまく付き合いつつ、プレッシャーに強くなっていくために必要なのは日頃の練習であり、ゲン担ぎの食べ物や、身につける何かではない。それに試合当日にあれしてこれして、って決め事が多すぎると、自分を縛ってしまうことになります。どんな状況でも臨機応変に、自分を常にフラットに保てるかどうか。だから、試合当日はいつも通りに、自然体で過ごしています。ちなみに、オリンピックでメダルを獲ったことで、プレッシャーは少しなくなりました。カヌーというマイナーな競技は成績を出して世間に認められないと、何にもならないスポーツ。その成績とは、オリンピックのメダルしかないんです。今29歳で、このままメダルも獲れずに引退したら…という不安もあったので、メダルが獲れて気分が軽くなりました。また東京オリンピックに向けて、プレッシャーが出てくると思いますが、気持ちを新たに練習に励みます」

はねだ・たくや 1987年7月17日生まれ。9歳で元カヌー選手だった父の影響でカヌーを始める。2012年ロンドン五輪では7位入賞、2016年リオ五輪では銅メダルを獲得した。

※『anan』2017年3月1日号より。写真・菅原景子 スタイリスト・高橋京子 ヘア&メイク・草場妙子 取材、文・若山あや

(by anan編集部)

【人気記事】
結婚と何が違う? “事実婚”の真実!
坂口健太郎が女子中学生から受けた指摘とは? 意外な事実発見…
“嫌婚”だけど好きな人と一緒にいたい…変わりゆく結婚観