北村有起哉と田畑智子が豚小屋に!? 実話に着想を得た舞台の見どころ

2016.12.28
豚小屋に身を隠してン十年。壮絶なのに滑稽で切ない夫婦の物語。地人会新社第6回公演『豚小屋~ある私的な寓話(おはなし)~』で共演する北村有起哉さんと田畑智子さんに見どころをお聞きしました。
きたむら・ゆきや 映像、舞台で幅広く活躍。’07年には舞台『CLEANSKINS/きれいな肌』で読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。’16年に公開された『太陽の蓋』で長編映画初主演。たばた・ともこ デビュー作である映画『お引越し』で数々の新人賞を受賞。近作に映画『鉄の子』、舞台『母と惑星について、および自転する女たちの記録』などがある。

第二次世界大戦中に軍を脱走し、41年間、豚小屋に隠れていた人物がいた。そんな実話に着想を得た今作は、自宅の隣の家畜小屋に身を潜めて暮らす男・パーヴェルと、その妻・プラスコーヴィアの夫婦を描いた二人芝居。かつてドラマで結婚目前のカップルを演じた北村有起哉さんと田畑智子さんという舞台巧者のふたりが久々に共演する。

田畑:共演は久しぶりだけど、飲みの席で会うことは多かったから…。

北村:あと、出来が不安な舞台を、頼んで観に来てもらったりね。二人芝居なんて、相手がそういう田畑さんじゃなかったら、なかなか引き受けられなかったと思う。

田畑:私も、有起哉さんとだったら、安心してやれるかなと思って。

北村:作品自体が想像を絶するシーンの連続だから、乗り越えられるタフさと創造性を持った相手じゃないと太刀打ちできないでしょ。そうなると、やっぱり海千山千の…。

田畑:私に乗り越えられるかなぁ。

北村:口では心配だとか言いながら、始まってみたら、テスト勉強ばっちりしているタイプでしょ(笑)。

田畑:エヘヘ(笑)。でも物語自体は壮絶だけど、旦那がウジウジ言ってる隣で、奥さんは案外カラッとしていたりして、二人のやり取りの対比が面白い作品ですよね。

北村:うん。パーヴェルは一生懸命妻に訴えかけたりしてるんだけど、たぶんほとんど聞いてない(笑)。

田畑:絶対、聞き流してるね(笑)。

北村:豚小屋で暮らし始めて10年経っているところから始まってるから、心のケアや看病をしている時期はとっくに過ぎてるんだろうね。

田畑:女性は切り替えが早いから。

北村:海外戯曲って、ついかしこまって観ちゃいそうだけど、じつはこの夫婦、しょーもないことを大真面目にグズグズやってるんだよね。高尚で難しいことをやってるわけじゃないから、笑っていい作品なんだって思って観に来てくれたらいいな。

田畑:ただ、喜怒哀楽が激しい情緒不安定なところもあるから、観ててヒリヒリする場面もあって…。

北村:うん。激情というか劇的というか、きっと大きなうねりのある作品になるのかなって思っています。

きたむら・ゆきや 映像、舞台で幅広く活躍。’07年には舞台『CLEANSKINS/きれいな肌』で読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。’16年に公開された『太陽の蓋』で長編映画初主演。たばた・ともこ デビュー作である映画『お引越し』で数々の新人賞を受賞。近作に映画『鉄の子』、舞台『母と惑星について、および自転する女たちの記録』などがある。

2017年1月7日(土)~15日(日) 初台・新国立劇場 小劇場 作/アソル・フガード 翻訳・演出/栗山民也 出演/北村有起哉、田畑智子 A席6500円 B席5000円 25歳以下3000 円 1月7日のプレビュー公演のみ全席3500円 25歳以下2000円(すべて税込み) JStageNavi TEL:03・5912・0840 www.chijinkaishinsya.com/

※『anan』2016年12月28日-2017年1月4日合併号より。写真・土佐麻理子 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)