2024年、流行るかも!? 素材にこだわる“鶏焼肉専門店”に要注目

2024.2.1
フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『鶏焼き肉 囲(かこい)』の鶏焼肉です。
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焼肉の要領で鶏を焼く。鶏焼肉という食文化が軽やかでヘルシーで大好きなのだが何しろ東京には専門店が少ない……。とかねがね思っていたところ、ここへきて鶏焼肉専門店のニューオープンの話題をちらほら聞くようになった。嬉しい、ありがたい、どんどん鶏肉を焼きたい。六本木に昨年10月にオープンした『鶏焼き肉 囲』もそのひとつだ。

清潔感のある掘りごたつの店内は大きな窓の向こうに桜の木があって、春にはお花見にももってこいだと嬉しくなるが、それはさておき鶏である。『鶏焼き肉 囲』は鶏肉にこだわるあまり鶏から育てているとのことで、エサや飼育環境から携わる「きさ輝地鶏」が登場する。この地鶏、肉の旨味が強く脂がしっかりのって素晴らしい味わい。それにしても良い食材を仕入れるのではなく、食材自体を生み出すところから始めるとは並々ならぬ熱量だが、それもそのはず、この店の監修は焼き鳥店でミシュラン一つ星を獲得する大阪『鳥匠いし井』の石井吉智氏が務めている。ネギ塩を纏った胸肉のさっぱり感も、辛味噌で赤く輝く脂ののったふりそでも、それぞれの部位ならではのおいしさを堪能できる鶏焼肉。サイドメニューも、飲めるほどトロトロの親子丼に鶏白湯煮込みなど鶏専門店ならではの充実っぷり。飲んで食べても牛焼肉に比べてハッとするほどリーズナブル。鶏焼肉、これ2024年、流行ると思います!

ネギ塩タレ胸肉(1400円)に、辛味噌タレのふりそで(850円)をじっくり焼いて。那須の高級「極」卵を惜しげもなく使った地鶏の親子丼(1650円)もマストオーダー。桃色が美しいガリサワー(650円)に、お茶っ葉を使用したクラフトビール「見冨右衛門ビール」(1500円)などドリンクも楽しい。

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鶏焼き肉 囲 東京都港区六本木7‐5‐11 カサグランデミワ2F TEL:03・6721・1927 17:30~22:30(フード50分前、ドリンク30分前LO) 月・火曜休

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。

※『anan』2024年2月7日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)