岡崎体育「アーティストがSNSをやって自己アピールするのは当然」

2021.9.18
岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「SNS」です。
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以前に「SNSからメジャーへ」というお題でお話をさせていただいたことがあると思います。その時も“SNS生まれのアーティスト”とくくるのはナンセンスだと思う、と話をしました。今、アーティストがSNSをやって自己アピールするのは当然のこと。誰しもがSNS発信をする時代です。僕自身もYouTubeでMVがバズって注目を集めたタイプのミュージシャンですし、TwitterやInstagramなどのSNSを活用して、自分の活動のひとつの支柱としてきました。しかし、最近は、そろそろもうそれに頼りすぎなくてもいいのではないか? と思い始めてきています。

そう思うのは、今、ネットカルチャーの中心にいるのは、僕より若い世代の方々だと思うからです。10代、20代が中心だということは何も悪いことではないと思います。新しいものをどんどん吸収したいと思うのは当然のことですし、TwitterやYouTubeよりTikTokが流行の発信地になっていることもそうですし、みんなが関心あるのは、まだ流行ってない、これから流行るもの。TikTokはそういう意味では、自分の興味あるものだけでなく、なんでもザッピングしながら、手軽にいま面白そうなものをキャッチアップすることができる。トレンド感のあるものが、良くも悪くも凝縮されている場だと思います。そこで楽しい、面白いと多くの人に思われたネタや人、音楽などが話題の中心となっていく。

ネットの世界は、そうやって何かしら新しいアクションを起こし続けていないと生き残れない世界です。だからといって若い世代と同じことを真似してやっても仕方ない。僕がこれから考えないといけないのは30代の表現者としてSNSでどんな発信をしていくべきなのか、ということだと思います。ミュージシャンの間で、「最近はYouTubeにMVを公開しても視聴数が伸びない」という話をよく聞きますが、それを時代のせいにばかりしてはいけないですよね。僕はこれからも岡崎体育の訴求力ここにあり、というオリジナリティのある発信をしていきたいです。コロナ禍の世の中で日々、仕事の現場と家の往復だけ。日常のツイートも自炊したごはんのことばっかりになりがちですが、そんな中でもみなさんに面白い! と言ってもらえることを果敢に狙っていきたいと思います。SNSでのそういう嗅覚はまだまだ衰えていないはずです。

おかざきたいいく 10月20日(水)に約2年9か月ぶりとなる4枚目のオリジナルアルバム『FIGHT CLUB』が発売に。11月23日(火)、横浜アリーナでワンマンライブ「めっちゃめちゃおもしろライブ」を開催。

※『anan』2021年9月22日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈

(by anan編集部)