田口トモロヲ「普通の人であることが一番パンク」 そのワケは?

2021.3.28
作品に渋みと深みを加える名バイプレイヤーたちの魅力を探る。その佇まいだけで十分な存在感があり、画面に映るだけで作品に説得力を与えてくれる名優。映画『バイプレイヤーズ』公開を前に、大人の渋みと色気、チャーミングさの源泉を伺いました。

「普通の人であることが一番パンクだと思っています」

Talent

取材のテーマが“大人の男性の色気”であることを伝えると、「アダルトセキシーってやつですね」と、茶目っ気たっぷりに返してくれた田口トモロヲさん。

「僕は、大好きな昔の名バイプレイヤーと呼ばれる俳優さんたちに、そこはかとない“お色気”を感じるんです。あまり健康然としていなくて、ちょっと猫背でシニカルなムードを漂わせているような。自分が憧れるのは、殿山泰司さんとか佐藤慶さんのような、イケメンではなく独特の風貌で、佇んでいるだけで絵になるような方。ミュージシャンで言ったら、圧倒的に影響を受けたのはセックス・ピストルズのボーカルだったジョン・ライドンですね。パンクっていうムーブメントを牽引しながらも、パンクは誰でもやろうと思えばできるんだということを謳ってきた人。それで自分も音楽を始めたし、その教えは今でも大事にしたいと思っています。彼自身は、パンクを開拓した俺が金持ちになってないのに、他のやつらがうまくやって大金持ちになっているのはおかしいじゃないかって自嘲的に言っていたりもするんですけれど、そこもかっこいいなと」

そんな田口さんの考える“パンク”な姿勢、生き方とは。

「普通の人であることが一番パンクだと思っています。人によっていろんな価値観や解釈があっていいと思うんです、僕はこういう虚と実を行き来するような仕事をしているからこそ、虚の部分にとらわれずに普通にいることがパンクだし、前衛的だと思っていて。だから普通に電車に乗って、街を歩いて、飲み屋にも入るし、普通の日常を送るようにしています。それが素敵だと思うので」

ミュージシャンや映画監督など、その他の分野でも才能を発揮しているが、俳優として大事にしていることはあるのだろうか。

「自分の身の丈を知るっていうことでしょうか。僕の場合は。それをキチンとわきまえて、その境界線を破ってさまざまなチャレンジをしていく。それがこの仕事の醍醐味だと思っています」

たぐち・ともろを 1957年生まれ、東京都出身。映画『色即ぜねれいしょん』などの監督や『プロジェクトX』ナレーターでも知られる。公開待機作に映画『夏への扉 -キミのいる未来へ-』。

ネイビーウィンドウ・ペーンチェックスーツ¥143,000 ネイビーウィンドウ・ペーンベスト¥39,600 フラワーグラデーションネクタイ¥15,400*すべて税込み(以上Paul Smith/Paul Smith Limited)https://www.paulsmith.co.jp/ リング¥25,300*税込み(M・A・R・S TEL:03・3462・8187) ハットは本人私物、その他はスタイリスト私物

※『anan』2021年3月31日号より。写真・笠井爾示(KATT) スタイリスト・DAISY 石橋瑞枝(DAISY M’S OFFICE) ヘア&メイク・大八木智之 取材、文・望月リサ 撮影協力・AWABEES

(by anan編集部)

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