中は洗っちゃダメ? デリケートゾーンの正しいケアとは

2018.8.19
体への正しい知識と、それに基づく戦略=セックスリテラシー。大人女子のための保健体育をお届けします。ここでは“デリケートゾーンケア”について学びましょう。植物療法士の森田敦子さんと編集者の三浦ゆえさんが教えてくれました。
保健体育

“デリケートゾーンケア”に関するリテラシーを○×形式でチェック!

膣の中までしっかり洗うほうが清潔を保てる。

×:中まで洗うのはNG。が、デリケートゾーンを洗うのは必須です。
きちんと洗えていないとにおいやかゆみの原因に。自分で性器を見たことがないという人は、まずは膣まわりの構造を知ることが重要だ。

「膣のまわりには恥垢(白く固まった垢)が溜まりやすく、お湯で洗い流すだけでは不十分。デリケートゾーン専用ソープを泡立てて、大陰唇と小陰唇の間、クリトリス、肛門まわりに手を添えて優しく洗います。その後、ローションやクリームで保湿を。膣の中には自浄作用を持つ常在菌がいるので洗う必要はありません」(植物療法士・森田敦子さん)

セックスすればするほど、膣は緩む。

×:セックスすればするほど弾力が増すんです。
「セックスをしすぎると膣が広がり、緩むのではと心配する人もいますがこれは大間違い」と編集者の三浦ゆえさん。刺激を受けると膣内部や会陰の血流がアップ。すると、まわりの筋肉もほぐれて、相手に合わせられる伸縮性に富んだ膣になる。更年期には女性ホルモンが減少し、膣内の乾燥や萎縮がみられるが、若い人でも過激なダイエットやストレスが原因で、粘液の分泌量が減ることも。

「性交痛の原因にもなりますし、体の免疫力も低下します。乾燥が深刻化して指が一本も入らないようなら、一度婦人科で診察を」(森田さん)

膣や会陰部をオイルでマッサージすることでもふっくらとしたハリが生まれ、柔らかくなるという。ケアをした後にトライしたいのが伸縮性のある膣を作るトレーニング。

「子宮や膀胱を支える骨盤底筋群を鍛えることで、締まり具合のいい膣になります。立って息を吐きながら、膣を引き上げるように締め、3秒ほどキープ。移動中の電車の中でもできますよ」(森田さん)

濡れないときはあって当然。

○:体調やメンタルに左右されます。
汗かきの人とそうでない人がいるように、膣の粘液量は個人差がある。

「体調や月経周期によっても変化します。ストレスを抱えていたり、疲れが溜まっているなど精神的に緊張状態が続いていると濡れにくくなる場合も。濡れない自分はおかしいと思わずに気軽にローションを使ってみるのもオススメです」(三浦さん)

女性も性欲が高まることがある。

○:性欲の強さは人それぞれ。排卵前に高くなる傾向も。
性欲にはエストロゲンという女性ホルモンが深く関わっており、その分泌量は人によって差がある。また生理によってホルモンバランスが変化するため、性欲には波が出やすい。

「一般的に生理直後から排卵前にエストロゲンの分泌量が増え、男性を受け入れる準備が整って妊娠しやすい体になります。そのときに性欲のピークを迎えることが」(森田さん)

ひとりHは毎日してもよい。

○:もちろんOK。パートナーがいなくても感じることは大切です。
「ひとりHをすると罪悪感を抱く人もいますが、自分の想像と快感に浸れるプライベートタイムと捉えて。気分転換の一環で、気負わずに、“気持ちいいからする”という欲求に素直になりましょう」(三浦さん)

自分の感じるポイントを知ることはセックスの満足度にもつながる。

「感じやすい場所は主にクリトリス派と膣内のGスポット派に分かれます。マスターベーションをすることで、どちらでエクスタシーを感じやすいのかが分かる。まずは“イク”感覚を体に覚え込ませること。そのうえでパートナーに自分の感じやすい場所を伝えれば、“セックスでイキにくい”といった悩みも解消されやすくなるはず」

行う際は、爪を短く切った清潔な手で。濡れにくい場合はローションをほんの数滴使うだけで十分潤い、快感が得やすくなる。ただし、デリケートゾーンは経皮吸収率の高い場所。安心な成分のものを選ぼう。

森田敦子さん 植物療法士。フランス国立パリ13大学で植物薬理学を学んだ、日本における植物療法の第一人者。著書『潤うからだ』(ワニブックス)が話題。

三浦ゆえさん フリー編集者・ライター。性をテーマに取材・執筆活動を行う。近刊『すべての女性にはレズ風俗が必要なのかもしれない。』(WAVE出版)を編集。

※『anan』2018年8月15・22日号より。イラスト・長谷川まき 取材、文・浦本真梨子

(by anan編集部)


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