「2023年お金のトピック5選」お金の教科書Vol.34 #お金の基本

2023.12.26
毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”の3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「2023年お金のトピック5選」です。

2023年お金のトピック5選

貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。家を買うべきか悩み中。

地道奈子(じみち・なこ/28歳・派遣社員) 既婚・子なしのDINKS。つみたてNISAは2年前にスタート。貯まったポイントを使った投資など、自分ができる範囲で楽しむのが得意。

散財好美(さんざい・よしみ/31歳・フリーランス) 5年交際中の彼と同棲中。貯めたい意思はありつつも、推し活とちょこちょこ散財する癖が抜けず、気づくと残高減。

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お財布に厳しい話題が多かった一年。

未知子:今年ももう終わりかー。

奈子:早いよね…。今年はこれまでにないくらいお金のことを考える機会が多かったなぁ。

好美:本当。お金にまつわるニュースを耳にする機会も増えたよね。

未知子:とにかく値上げラッシュがやばかった! 最初はニュースで騒いでいるだけかと思っていたら、何から何まで上がったよね。

奈子:生活にかかるすべてのコストが一気に上がって、冗談抜きにお財布が痛いもん…。

未知子:わかる! 実は今までインフレの意味がいまいちよくわかってなかったんだけど、こうやって自分の生活に影響が出てようやく理解できた感じ(笑)。

好美:皮肉なもんだけど、同じく。

奈子:それ、私は円安がそうだわ。いつも円高とごっちゃになってたけど、もう絶対間違えない(笑)。

好美:円安の進行も本当によく耳にした言葉だし、嫌というほど理解できたよね。海外旅行をしたくて調べたら驚くほど高くて! 現地での滞在コストも爆上がりしてると聞いて、諦めたよ…。

奈子:1ドル150円前後だもんね。確かに想像するだけでめまいが…。輸入品が値上がりしているから、より物価高を感じるよ。

未知子:だよね。だからこそ、ふるさと納税にはかなり助けられたな。お米とかトイレットペーパーとか、返礼品は日用品ばかり(笑)。

好美:でも、あれもルール改正が話題になっていたよね。

奈子:ルールが厳しくなって返礼品の量が減ったんだっけ?

未知子:そうみたい。私、それを知って慌てて申し込んだもん。

奈子:私は控除上限額までまだ微妙に残っているから、年内に申し込まなきゃ!

明るい兆しを感じる前向きなニュースも!

未知子:なんだか世知辛い話題ばっかり出てきたけど、ポジティブなニュースもあったよね。

好美:あったっけ!?(笑)

奈子:来年から新NISAがスタートする話は、けっこう盛り上がったんじゃない?

未知子:現行NISAが終了してより使い勝手がよくなるって話だよね。私はやってみるつもり!

好美:そうなんだ!? じゃあ私も年末年始の間に勉強してみるわ。

奈子:日経平均株価が3万円台を突破したニュースもあったね。

未知子:なんか沸いてたよね。バブル期以来の高値更新でしょ?

好美:あんまり実感ないけど、日本経済が上向きになるのかな?

奈子:上向きになってほしい!

未知子:こうやって振り返ってみると、お金のことだけでもいろいろあった一年だったよね。

奈子:本当。でもおかげで少しだけお金に詳しくなった気もする。

好美:そうね。考えるきっかけをもらったともいえるかも。

奈子:この調子で、来年もお金のリテラシーを上げていこう!

ファイナンシャルプランナー・西山美紀さんと一緒に注目トピックをチェック!

【TOPIC1】インフレ(物価高)
インフレ率が上がり、あらゆるものの物価が上昇。消費支出に占める食品の割合を示すエンゲル係数が40年ぶりに26%を超えたという総務省の発表も。「一般的には物価が上がっていくのは普通のことで、今まで逆に下がっている日本が異常でした。物価とともに賃金が上がれば経済がよくなるので、今はその過渡期。今の頑張りは今後に必ず活きますよ」

【TOPIC2】円安が進行
2023年1月に1ドル130円前後だったのが、10月下旬には150円台に突入。主な要因は、日米の経済政策と金利差だといわれている。「2022年1月は1ドル115円前後だったことを思うと、大きく円安に動きました。『海外旅行が高い!』と聞いたり、海外製品の値上がりを実感した一年だったのでは? 一方、外貨の資産を持っている人は資産増になったはず」

【TOPIC3】ふるさと納税のルール改正
過度な返礼品競争に歯止めをかけるため、今年10月からルールが厳格化。改正前に駆け込みで寄付する人も。「大きな変更点は、熟成肉や精米は原材料が同一都道府県産の品物に限定されたことと、返礼品と経費の総額が寄付額の50%以下に限るルールが厳格化されたこと。結果、寄付額に対する返礼品が減ったり、同じ返礼品でも寄付額が上がりました」

【TOPIC4】つみたて&一般NISA終了
つみたてNISAで20年、一般NISAで5年と投資期限が設けられていた現行NISAが終了し、来年から新NISAがスタート。新制度の紹介や、使い方などの記事を目にした人は多かったのでは。「期限が無期限になり、投資可能額も増えることから、使い勝手が大幅にアップ。これまで『なんだかややこしい…』と避けていた人でも、わかりやすくなると思います」

【TOPIC5】日経平均株価バブル後最高値更新
日本の株式市場の代表的な株価指数を示す日経平均株価が、バブル後の最高水準に。1990年以来33年ぶりのことで、日本経済に明るい兆しが見えるニュースとなった。「アメリカ株の伸びに好影響を受けているのが理由のよう。今後も他国の動きや国内外の金利動向などさまざまな要因がからむので、上がり続けるとは限りません。動きには要注目です」

にしやま・みき お金、生き方などをテーマに、日々にうるおいをもたらすお金の貯め方、使い方を発信中。All About貯蓄ガイド。

★次回は、2380号(2024年1月10日発売)掲載予定です!

※『anan』2023年12月27日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・宮尾仁美

(by anan編集部)