「新NISAを知ろう!【3】」お金の教科書Vol.32 #増やす

2023.11.24
毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”の3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「新NISAを知ろう!【3】」です。

新NISAを知ろう!【3】

西山美紀さん ファイナンシャルプランナー。お金、生き方などをテーマに取材を重ね、日々にうるおいをもたらしてくれるお金の貯め方、使い方を発信中。All About貯蓄ガイド。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)など。

貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。家を買うべきか悩み中。

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NISAで重要なのが金融機関との相性。

未知子:新NISA、来年から始められるように、どの銘柄を購入するかリサーチがんばってます!

西山:素晴らしい! 金融機関はどこに決めましたか?

未知子:へ!?

西山:NISAは、まず口座を開設する必要があるんですよ。

未知子:そういえば購入方法を調べてなかったです(恥)。

西山:NISAは1人につき1口座と決められていて、証券会社や銀行など金融機関で口座開設することができます。

未知子:なるほど。

西山:開設手続きに通常2~3週間かかることが多いので、早めに申し込むのがおすすめです。

未知子:じゃあ急がないと! 選ぶ際のポイントはありますか?

西山:ひとことで言うと、自分との相性だと思います。一度NISA口座内で投資信託などを購入すると、その年は金融機関を変更できません。翌年以降、年に1度なら変更できますが、複数の口座で管理することになるので、何度も変えるのは現実的ではないかも。

未知子:確かに…。

西山:新NISAでは非課税保有期間が無期限になったので、売却しない限り金融機関とのお付き合いはずっと続くことになります。

未知子:それだけ選び方が重要になるってことですね。

金融機関選びの決め手はどこに?

未知子:金融機関との相性を見極める際の注意点が知りたいです!

西山:口座開設できるのは、ネットで完結できるネット証券、実店舗があって対面相談などができる店舗型証券や銀行などです。

未知子:どう違うんですか?

西山:ネット証券は投資信託の最低積立金額が月100円からなど低いところが多く、ハードルが低いのが特徴。そして取扱銘柄が豊富で手数料が安いのも魅力です。

未知子:ふむふむ…。

西山:店舗型証券や銀行は、投資信託の取扱銘柄が比較的少なめですが、店舗窓口があるので対面サポートを受けられるのが特徴です。ただし、銀行では株は購入できないので、株取引を視野に入れている人は注意してください。

未知子:やはり一長一短なんですね。選択肢が多いので悩みます。

西山:ネット証券は自宅にいながら取引できるので、忙しいanan世代と相性がいいと思います。クレジットカードで投資信託の積み立てができるところなら、ポイントも貯められますよ。

未知子:使い勝手がよさそう!

西山:各社キャンペーンを打ち出している時期なので、それを上手に利用するのも手だと思います。

未知子:キャンペーンがあるならぜひ活用したいです!

西山:現行NISAをやっている人も、金融機関を変えるならこのタイミングがベスト。早めに比較検討することをおすすめします!

新NISA口座開設チェックリスト

・投資信託の取扱本数
投資信託のラインナップが多い方が選択肢の自由度が高いから、自分が投資したい銘柄の取り扱い有無を事前にしっかり確認したい。ネット証券は100~2000本超の銘柄を扱っているところが多く、店舗型証券や銀行は厳選されている傾向に。

・投資信託の最低積立金額
ネット証券の場合は最低月100円から積み立てができるところが多く、少額からNISAをスタートしたい初心者にとっても心強い。店舗型証券や銀行だと最低月1000円や1万円などと、ややハードルが上がることも。

・ポイントの種類や使いやすさ
積立金額や運用商品残高に応じて特典や各種ポイントがつく金融機関を選べば、さらにお得に。貯まったポイントを投資にまわせる金融機関や、振込手数料やコンビニATM手数料が無料になる銀行も。自分が普段から利用する機会が多く、きちんと消費できるポイントが貯まるところを選びたい。

・相談窓口やサイトの使いやすさ
ネット証券はコールセンターやAIチャットでの対応が基本。店舗型証券や銀行は、店舗などで対面相談できる窓口を設けていることが多い。ネット証券の場合はサイトの見やすさ、わかりやすさなどの使い勝手もチェックを。

→しっかり比較して、自分に合った金融機関を選ぼう!
NISAを続ける限り、ずっと付き合っていくことになる金融機関。年1回であれば変更可能だが、そのぶん管理の手間も増えるから慎重に選びたい。現在キャンペーン実施中の金融機関も多いから、賢く活用を。

★次回は、2376号(2023年12月6日発売)掲載予定です!

※『anan』2023年11月29日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・宮尾仁美

(by anan編集部)