「かわいいと思ってたのに…」片思い中の彼がドン引きした21歳女性の「絶対してはいけない過ち」

文・三松真由美 — 2024.8.22
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、同じテニスサークル内の男性に片思いする21歳の大学生女性。美容をがんばって彼の目に留まりたいと思い始めたのが…。間違った自分磨きの先にあるものとは? 彼女に本当に必要な行動を三松先生が教えてくれます!

エナ(21)憧れの唯斗くんと付き合いたい! 外見に劣等感がある“自信レス”で間違った行動に走った

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【レスなひとびと】vol. 252


都内の大学に通うエナには、好きな人がいる。

「はあ、笑顔尊すぎ」

同じテニスサークルの唯斗の写真を見てため息。涼しげな目元と、笑うと覗く八重歯のギャップがはんぱない。超絶タイプだけど、エナのレベルじゃ付き合えないとため息をつく。しかも、彼、六本木に住んでいるらしい。実家が太いにちがいない。

SNSを眺めて、エナはいつもため息。全員、自分より可愛いって。そして、可愛い子たちはみんな美容系、いろいろやってるって。ビタミン剤の内服、レーザーやボトックス、デパコスメイクに、ネイルやヘアケアだってサブスクだってよ。ハイドラフェイシャルってやってみたいけど、19,800円なんて学生には無理。
でも夏休み中に自分磨きをがんばって、後期は唯斗くんの目に留まりたい! そんな悩めるエナの目に飛び込んできたのがパパ活アプリの紹介投稿。

うまくいけば、お茶&ゴハンするだけで2万円。リンクを開き、ダメ元で登録してみると、早速42歳の男性とのアポが決まった。エマの父は51歳。父より若ければ罪悪感が少なくなる。

服は清楚に、ネイビーの襟付きワンピ。待ち合わせは六本木のホテルのラウンジ。少し早めについたけど、普段はこない場所だからソワソワ。

「エナさんですか?」

顔をあげると、アプリでマッチした飯塚さんだった。麻素材のジャケットに、すっきり整えられた髪。思っていたよりずっと清潔感がある姿に、エナは胸をなでおろす。

飯塚さんもテニスをするらしく、共通の趣味をきっかけに会話を進めていった。会社経営者ということもあり、知らない世界の話を聞くのもおもしろい。無事に顔合わせの1時間がすぎ、約束だったお手当1万円を受け取った。

普段のカフェでのバイトなら、稼ぐのに1日かかるお金が1時間で手に入り、信じられない…。さあ、デパコスでも買って帰ろう! と思った矢先。


「よかったら、このあと上の部屋で休んでいかない?」

飯塚さんの言葉に、頭が真っ白になる。え、それって体の関係をもつってこと?
初回はお茶だけで帰れると思っていたから、まさかの状況に言葉が出てこない。

「エナちゃん、かわいいなと思って。5でどう?」

5…。5万円だ。ハイフマシンもビタミン点滴もできる。でもそんなつもりできてないし、どうしよう。焦っていると、

「エナ、どうしたの?」

何度も焦がれた彼の声がした。唯斗だ。

気まずいのか、飯塚さんは「じゃあ、また今度」と去っていく。唯斗がエナのほうに近づいてきた。

「なにしてるの? パパ活?」

「…ッ、ちがっ…」

「清楚で可愛いなと思ってたけど、ま、誰にでも秘密はあるよね。気をつけて帰りなね」

唯斗くんは、すぐに立ち去った。まさかの、今まで可愛いって思われてた発言。ああ、今日でイメージ最悪だよ!
未来、ないわあ。


【三松さんからのコメント】

不運と不用心が重なってしまいましたね。せめて、唯斗さんが住む六本木界隈は避けたほうがよかったのでは。

仮にパパ活で集めたお金を美容に使って唯斗さんと付き合えたとしても、きっと今度は「フラれないように」「浮気されないように」ということで、洋服代と美容費が必要だと思い続けるでしょう。そうするといつまでもお金がかかり、パパ活のやめ時がなくなってしまう。

唯斗さんの彼女になりたい! という思いでいるのなら、交際開始後も続けられる自分磨きの方法を選ばないと堕ちてゆく。例えば、今なら動画でデイリー宅トレなど、いくらでもできます。セルフでできるヘアアレンジやコスパ抜群スキンケアだってたくさん紹介されている。

今のレベルでできる何かを始めることで、きっと、自分への自信が湧いてくるはず。もともと唯斗さんに「可愛い」と思われていたエナさん。大事なのは、“自信”だったのですよ。

今回のことは残念でしたが、同じサークルならまだ挽回の機会はあるはず。自信をもてる行動を探してみよう。

「パパ活体験談を聞いているとむなしくなるぞ。美容代のために好きでもないオヤジさんにフェイクの笑顔を向けるなど、ストレスでよけいブサイクになるわ。一発やってまうなんてもってのほか。腟もかわいそう」


『アンダー40 ―どうする結婚』 原作:三松真由美 画:こまだまこ(小学館)
アンフォーコミック、期間限定無料はこちら
https://booklive.jp/product/index/title_id/20067157/vol_no/001

『相互アリバイ妻 ママ友同士で浮気のアリバイ作ってます』(KADOKAWA)
原作:三松真由美 漫画:カナメキヌコ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322206000767/

 

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。


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