田代 わこ

【ゴッホも撮れる♪】月・火曜は写真撮影OK! 巨匠の名画が集まる『デトロイト美術館展』

2016.12.16
クリスマスシーズン真っ只中ですが、そろそろ年末年始の予定も決めたいですよね。そこで、今回はお正月休みもオープンしている『デトロイト美術館展』をご紹介。あわただしい年の瀬は、巨匠の名画が集まる話題の展覧会でゆったりアートを楽しんでみませんか?

オススメ度が高すぎ!『デトロイト美術館展』

『デトロイト美術館展』は上野の森美術館で開かれています!
『デトロイト美術館展』は上野の森美術館で開かれています!

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この展覧会、かなりオススメ度が高いラインアップです。展示されているのは、モネ、ルノワール、ゴッホ、マティス、モディリアーニやピカソなど、ヨーロッパ近代絵画のオールスターズが描いた名画の数々。画家も豪華ですが、驚くのはその質の高さ。巨匠といえども、時にはちょっとイマイチな絵もあるのですが、本展はすべてハイレベル! 全52点どれを見ても満足できる、充実の展覧会です。

デトロイト美術館のちょっとステキな話♪

これだけの名画を日本に貸してくれるデトロイト美術館とは、いったいどんなところなのでしょう? デトロイトは、自動車産業で栄えた工業都市。1885年に創立された市の公共美術館は、自動車業界等のパトロンが援助した資金で名画を次々と集め、世界有数のコレクションを築き上げました。

デトロイト美術館を紹介するパネル。
デトロイト美術館を紹介するパネル。

こんなにすばらしい美術館ですが、2013年に危機が訪れます。デトロイト市の財政破綻により、コレクションを売って財源にあてようとする動きが出たのです。しかし、国内外の企業や市民の援助により、作品はひとつも売らずにすんだそう。みんなに守られた“奇跡のコレクション” を日本で見られるなんて、うれしいですね!

テッパンはゴッホの自画像!

では、いよいよ作品を見てみましょう。テッパンの必見作品は、やはりフィンセント・ファン・ゴッホの自画像。麦わら帽子を被った自分の姿を力強いタッチで描いた作品です。顔がアップで描かれていて、かなりのインパクト!

ゴッホの自画像は本展のメインヴィジュアル。看板やオリジナルグッズにも使われています!
ゴッホの自画像は本展のメインヴィジュアル。看板やオリジナルグッズにも使われています!

ゴッホは自画像をたくさん描いた画家ですが、なかでも本作品は “世界一有名な自画像のひとつ” 。アメリカの公共美術館がはじめて購入したゴッホ作品としても知られています。

穏やかなマティスも♪

もうひとつの看板作品が、アンリ・マティスの《窓》。室内を描いたもので、窓からは庭の景色も見えています。とっても穏やかな絵ですが、この作品は、第一次世界大戦の混乱期にパリ近郊で描かれたそう。マティスはどんな気持ちで、この美しい絵を描いたのでしょう……。

ガツンとくるキルヒナー

この展覧会で一番印象に残った作品は、20世紀に活躍したドイツの画家、エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーの《月下の冬景色》。アトリエから見た風景を描いたという作品ですが、とにかく色彩が強烈。空や木々がオレンジやピンクで描かれ、怖い夢に出てくる景色のようです。
キルヒナーは、戦争に従軍したあと心の病にかかり、この作品を描いた当時は不眠症に悩んでいたとのこと。不安な気持ちが作品に出たのでしょうか……。一度見たら忘れられない、ガツンとくる作品です。

さわれるアート?!

展覧会を見たあとに立ち寄りたいのが、 “さわれる複製画” のコーナー。絵画の質感を再現し、水や汚れにも強い複製画が並んでいます。ホンモノに近い仕上がりなので、さわると結構ドキドキ。

先ほどご紹介したマティスの《窓》もさわれます!
先ほどご紹介したマティスの《窓》もさわれます!

なお、本展の会場で写真撮影ができるのは、月曜日と火曜日。ただ、一部の作品はSNSなどへの公開が禁止されています。撮影の際は、会場に書かれている注意事項をチェックしてくださいね。

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年末年始もオープンしている『デトロイト美術館展』、ぜひ一度足を運んでみてくださいね!

Information

会期:~ 2017年1月21日(土)※無休
時間:9:30 ~ 16:30(金曜のみ20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで
会場:上野の森美術館
料金:一般 1,600円/大学生・高校生 1,200円/小・中学生 600円

http://www.detroit2016.com/index.html