映画、ときどき私 Vol.13『Re:LIFE~リライフ~』に教わる“いつでも間に合う人生の書き直し方”!
“ラブコメの帝王”ヒュー・グラント主演の『Re:LIFE~リライフ~』
アカデミー賞脚本賞を受賞し、一躍有名脚本家として注目されたキース。しかし、掴んだはずの名声もつかの間、その後スランプに陥ったキースは15年もの間ヒット作を生み出すことができず、妻と息子にも見放され、ついには電気まで止まってしまう。
そんな無職同然のキースを見かねたエージェントがある仕事を紹介することに。
それは、田舎町にある大学でシナリオコースの講師!
仕方なく引き受けた仕事の上に、NY北部の田舎町に行くことも乗り気ではなかったが、そこでは“過去の栄光”がまだ通用することを知り、調子に乗ったキースは、顔のタイプだけで受講者の女学生を選んだり、いきなり休講にしたりとやりたい放題。
しかし、シングルマザーのホリーをはじめ、集まった受講者たちは真剣そのもの。そんな彼らの映画に対する熱い想いや情熱を目の当たりにしたキースは、彼らと接していくうちに心の中にある変化が表れるようになる。
人生につまずき続けたキースが、やり直しの人生で学んだ大切なこととは? そして、それがキースに“驚きの決断”をさせることに……。
映画デビューから33年目に選んだ作品で新境地!
さまざまなロマンティック・コメディで女性たちを虜にし続けてきた人気俳優ヒュー・グラントが映画デビュー33年目に演じるのは、なんと落ちぶれた脚本家。中年になってもなお、仕事にも恋愛にも、もがき続ける姿は思わず応援したくなると同時に勇気をもらえるはず。そして、そんな彼と生徒たちや同僚とのユーモア溢れるやりとりは笑いを誘い、私たちに元気もくれるのです。
「もし、こんな先生がいたら?」と大学時代を妄想してしまいました!
というのも、私も大学では演劇や映画、放送などの歴史を学ぶというコースにいたため、この作品と同じく、脚本を書く授業も実際にありました。とはいえ、そのときは興味がなかったので受講しませんでしたが、もしヒュー・グラントみたいにダンディでユーモアのある先生がいたら、間違いなく受講していたはず。
「もしかしたら、今頃は脚本家を目指していたかも!?」なんて、今では“書き直せない過去”を思わず妄想せずにはいられませんでした。
ちなみに、実際に私の先生だったのは、J・K・シモンズ演じる学科長(写真右)みたいにちょっと強面の先生とキースの同僚でシェイクスピア専攻の教授(写真左)ように穏やかな先生の2人。しかも、偶然にもシェイクスピアを卒論のテーマに選んだ私としては、勝手な親近感から、ずうずうしくもすっかり映画の中の大学生の一員にでもなったかのような気分にもなってしまいました。
人生は映画みたいにシナリオ通りにはいかない?
人生はまるで一本の映画のようであり、誰もが自分の人生においては「監督・脚本・主演」のすべてを自分で担当。ただし、映画と違うのは、必ずしもシナリオ通りには行かないということ。
でも、シナリオ通りではないからこそ、「自分次第でいつでも、そしていくらでも書き直すことができる」ということを人生のやり直しに奮闘するキースが教えてくれるのです。
時には自分が思い描いた未来と違ったり、つまずいたり、思わぬハプニングに見舞われることも人生にはあります。でも、それを踏まえた上で、どんな風にその先の人生を修正していくかは自分次第。
人生においてはきっと、つまずくことよりも、つまずいたあとにどう立ち上がるかということの方がその人の“人生力”を問われているように思うのです。
人生の目標は、自分だけの“最高傑作”を作ること!
たとえ、才能という芽を持っていても、努力という水をあげなければ花はきれいには咲かないはず。「一生懸命に努力すれば、人は何でも学ぶことができる」と語るホリーのように、真剣に物事と向き合えば、人生の最後に自分にとっての“最高傑作”を完成させることができ、きっと“人生のアカデミー賞”を手に入れられるはず。
過去の書き直しはできないけれど、未来を書き直すことは誰にでもまだまだ可能。時には、自分の中にいる"脚本家"とじっくり相談することも必要なのかもしれません。
あなたはいま、人生の何章目を執筆中ですか?
作品情報
『Re:LIFE~リライフ~』
公開表記:11月20日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー!
配給:キノフィルムズ
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