「長年、風俗ビルの火災に巻き込まれたサラリーマンを描く脱出パニックドラマの企画を温めていたんです。生きては帰りたいけれど、身内バレしたら人生終わりという身も蓋もなさ…寄りで見ると悲劇なのに引きで見ると喜劇がいいな、と。それをテレビに変換して考えた時、今回のドラマに辿り着いたんです。ただ、いくつか提出した企画のなかで、有名原作でもなく人気アイドルも出ない、最も保険がかかってない企画が通ったことには驚きましたけど(笑)」
そう話すのは、冬クールで話題を呼んだドラマ『バイプレイヤーズ』も手がけたテレビ東京の濱谷晃一プロデューサー。今回、各話を小劇場で人気を博す気鋭の劇作家たちが手がけていることも大きな話題に。
「内容的に賛同してくれる人たちが集まってくれ、結果的にSFもあればボーイミーツガールもあり、それぞれの劇団の色が出た11本になりました。他局じゃやらないこの間口の狭さこそ、テレビ界の小劇場であるテレビ東京っぽいのかな、と(笑)」
以下ドラマの一部をご紹介します。
7月28日放送 第2話『違法風俗店の男』
脚本、監督・細川徹(男子はだまってなさいよ!)。舞台の本番までの時間を持て余し、違法風俗店を訪れた光石研(本人)。そこに警察の摘発が入るとの連絡が。果たして彼の俳優生命は!? 「今回の脚本家のラインナップを考えた時、お笑い色が強い細川さんがいたらバランスも良いと思い、ぜひにとお願いしました」
8月4日放送 第3話『夫が女装する女』
脚本・松井周(サンプル)×監督・スミス。由紀子(麻生久美子)がママ友とカフェで話していると、真面目だが女装癖のある夫・勲(野間口徹)が女装して店にやってきて…。「女装を描きたいとは松井さんの提案。変態性やフェチズムに注目し作品にしてきた松井さんらしいものになったと思います」
8月11日放送 第4話『夜逃げする女』
脚本・喜安浩平(ブルドッキングヘッドロック)×監督・関和亮。古着屋を営む類(緒川たまき)は、苛立ちから婚約者の原田(山西惇)に暴力を振るう。彼が動かなくなり、慌てた彼女は夜逃げを計画するが…。「映像作家としても活躍されている喜安さんですが、どの作品にも笑いのなかに情緒を感じさせるのが好きなんです」
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