ディズニー最新作『モアナと伝説の海』の監督が教える隠れキャラとは?
ディズニー・アニメーション待望の最新作『モアナと伝説の海』!
【映画、ときどき私】 vol. 80
南の楽園モトゥヌイに暮らす少女モアナ。幼い頃から海を愛し、いつも憧れを抱いていたが、島の掟によって、航海に出ることを禁じられていた。しかし、島に危険が迫っていると知った正義感あふれるモアナは、世界を救うために自分の心の声に従って旅に出る決意をする。
伝説の英雄であるマウイとともに、道なき海に自らの道を切り開こうとするモアナだったが、かつてない冒険へと進みはじめた彼らの前に困難が立ちはだかることに……。
誰もが魅了されてしまう映像と音楽で新たな名作を作り上げたのは、これまでに『リトル・マーメイド』や『アラジン』といった傑作の生みの親である2人の名監督! すでに多くの人の期待も高まっているところで……。
ディズニー・アニメーション界のレジェンドに直撃!
ジョン・マスカー監督(写真・左)とロン・クレメンツ監督(写真・右)は、ディズニーで長年制作に携わってきている大ベテランにしてゴールデンコンビ。今回は、新作への意気込みやディズニーファンにはたまらない “ある秘密” を教えてもらいました!
まず、本作で驚くのは、何といっても繊細でリアルな映像美ですが、海の様子やキャラクターたちの表情など、どのように生み出されたのか気になるところ。
では、一番苦労したシーンはどこですか?
ロン監督 今回は海をキャラクターとして扱うこともあって、海自体に思考や気持ちがあるところも表現しなければいけなかったんだけど、ディズニーでもやったことがないことだったから、すごく独特なことだったんだよ。そこで、「どうしたら自分たちのやりたいものができるかな」と考えるために、まずは幼児のモアナと海が出会うシーンを本編の制作に入る前に、試験的に作ったんだ。実際にできあがったものを見て、この作品ができるという証明にもなったよ。
ジョン監督 クリエイティブな面からいうと、バランスをどう保つかという問題もあって、マウイの登場するシーンは何度も書き直して大変だったよ。最初は全身が葉や苔に覆われているやる気のないマウイにしてみたんだけど、動物のような形相であまりにも魅力的ではなくなってしまったりしてね(笑)。それで、もう少し好感度のあるキャラクターにしようと考えていたときに、英語版ではドウェイン・ジョンソンが声を担当してくれることになって、彼のカリスマ性が役に伝わっていくことで私たちも方向性を変えることができ、徐々にいまの形になっていったんだよ。
モアナが海に選ばれたように、アニメに選ばれたおふたりが自分を投影した部分は?
ロン監督 自分たちと重ねるところは毎作あるんだけど、モアナのようになぜかわからないけど、心のなかで惹かれるものへの葛藤や苦労は今回投影しているところかな。
というのも、個人的なことを言うと、私はアメリカの小さな町の出身で、9歳のときに『ピノキオ』を観て、「将来アニメーションの仕事したい!ディズニーで働きたい!」と強く思ったんですが、周りからは「もっと現実的になって違う夢を求めなさい」というようなことを言われたんですよ。でも、私は自分のなかの声に従って、ロサンゼルスにいき、アニメーションの仕事に就くことができたので、そういう点ではモアナにとても共感していますね。
ジョン監督 これまで私たちの作品というのは、手書きアニメーションでしたが、今回が初めてのCG作品。だから、知らない世界へ航海に出たモアナ同様に、私たちも未知の領域へ踏み出したということが言えるんです。そして、モアナがいろいろな過去と向き合いながらそれを自分の力にして克服していったように、私たちもベテランアニメーターたちの過去の作品をたどりながら、本作を仕上げていくことになりました。
さまざまな思いと情熱が込められた本作ですが、なんと劇中にはディズニーファンが喜ぶようなサプライズもあちこちに仕込まれているのだとか。
ぜひ、本作に隠された秘密を教えてください!
ロン監督 全部教えてしまうとつまらなくなってしまうので、ヒントだけですが、まずは『リトル・マーメイド』のフランダーは出てきますよ!
ジョン監督 それはマウイの歌の間なので探してみてくださいね。あとは、『アラジン』の魔法のランプもどこかにあります。
ロン監督 それから、ベイマックスもココナッツの海賊カカモラのシーンのところでちょっと登場するよ。
ジョン監督 これは見つけるのが非常に難しいんですけど、『アナと雪の女王』のオラフも一瞬出てきます。でも、これは不可能に近いくらいすごく大変なので、20回くらい観てもらえればもしかして見つけられるかもしれませんね(笑)。
インタビューを終えてみて……。
30年以上もコンビを組んでいるおふたりだけにとにかく息もぴったり。さすが、世界中の子どもから大人までを魅了し続けているだけあって、冗談も交えつつの楽しい時間と優しい笑顔には癒されました。ちなみに、それぞれ手に持っているキャラクターですが、実はニワトリのヘイヘイはジョン監督、こぶたのプアはロン監督のイメージだそうです!
宮崎駿監督の大ファンだというおふたりにとっては、本作がジブリの影響を一番受けている作品でもあるとのことなので、今回教えてくれたヒントと合わせて隅々まで注目しながら楽しんでください。
そこには大事な何かが待っている!
『アナと雪の女王』ではありのままでいることの大切さを教えてくれたディズニーが新たに届けてくれるのは、自分を信じて前に進むことの素晴らしさ。怖がらないで、いますぐにあなたも心の声に耳を傾けてみては? きっと、見たこともない新しい自分に出会えるはず!
どこまでも行きたくなる予告編はこちら!
作品情報
『モアナと伝説の海』
3月10日(金)、全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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