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田代 わこ

【雨の日デートに♡】今、東京都心で見られるおすすめの写真展3選

2017.6.10
今回ご紹介するのは、梅雨シーズンにぴったりな室内で楽しめる3つの写真展。アート的なものから迫力の写真まで、タイプの異なる展覧会をピックアップしました。写真を見るのが好きな人はもちろん、撮るのが好きな人も刺激を受けること間違いなし!

今回ご紹介するのは、梅雨シーズンにぴったりな室内で楽しめる3つの写真展。アート的なものから迫力の写真まで、タイプの異なる展覧会をピックアップしました。写真を見るのが好きな人はもちろん、撮るのが好きな人も刺激を受けること間違いなし!

写真家、ソール・ライターの展覧会

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【女子的アートナビ】vol. 70

ひとつ目は、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開かれている『ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展』。ここでは、アメリカの写真家、ソール・ライター(1923-2013)の写真や絵画作品など約200点が紹介されています。

ピッツバーグ出身のライターは、画家を目指してニューヨークに移住し、写真と出会います。1960-80年代には『エル』や『ヴォーグ』などのファッション誌で一流カメラマンとして活躍。その後、商業写真から離れて自分の好きなモチーフを撮るようになります。

(A) 《東57丁目41番地で撮影するソール・ライター、2010年》(撮影:マーギット・アーブ) (640x426)1

しばらく忘れ去られた存在になっていた彼が再び注目されたのは、2006年頃。初の写真集が出版され、美術館で個展も開催。さらにパリでも展覧会が開かれ、高い評価を受けます。2012年にはドキュメンタリー映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』も制作されました。

二点ライター (640x446)

会場では、ファッション誌用に撮影されたおしゃれな写真から、日常のスナップ、さらに親しい女性たちのヌードまで、多彩な作品を見ることができます。

特に目を引くのは、雨や雪の日の街フォト。例えば《足跡》は、雪の道に残された足跡が写るモノクロの世界と赤い傘の対比が美しく、まるで絵画のようです。

ライターイラスト (640x492)

ライターは少年時代から絵を描くのが好きで、写真家として成功したあとも絵の制作を続けていたとのこと。特にナビ派や日本美術を愛していたそうで、会場では和紙に描いた絵画作品も展示されていました。

アートな写真を楽しめる展覧会は6月25日まで。

『メルセデス・ベンツ アート・スコープ2015-2017―漂泊する想像力』

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次にご紹介する展覧会は、品川の原美術館で開かれている『メルセデス・ベンツ アート・スコープ2015-2017―漂泊する想像力』。

「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」とは、日本とドイツの間で現代美術アーティストを交換して交流をはかるプログラムで、1991年から続いています。

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今回の展覧会では、同プログラムに参加した泉太郎とメンヤ・ステヴェンソン、そして、過去の参加者である佐藤時啓の3名が東京やベルリンで撮った新作を発表。写真や映像、インスタレーションなど個性的な作品が展示されています。

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ここでご紹介したいのは、ドイツ南部シュトゥットガルト出身のアーティスト、ステヴェンソンの写真。彼女は、無造作に積み重ねられた段ボールなど、日常の些細な景色をモチーフにして作品に仕上げています。(上の写真は、美術館の窓を利用して展示されたステヴェンソンの作品。一部の窓から見えているのは、リアルな庭園の景色です。)

なぜ、彼女はふつうなら気にも留めない景色に惹かれるのでしょう? 5月末に原美術館で開かれたトークイベントで、ステヴェンソンは「意図して作られたものでなく、偶然できあがったものに芸術性を感じて作品にしている」と語っていました。

修理中のシャッターやゴミ置き場の写真もありましたが、そんな景色でも彼女の視点で切り取れば魅力的なアートになる。写真作品の奥深さや無限の可能性を感じられる展覧会です。

『世界報道写真展 2017』

最後にご紹介するのは、恵比寿の東京都写真美術館で開かれている『世界報道写真展 2017』。プロの報道カメラマンによる迫力の写真が集まる展覧会です。同展では、世界的に権威のある「世界報道写真コンテスト」の入賞作品を展示。今回、60回目を迎えたコンテストでは、世界125の国と地域から5,034人のプロカメラマンが参加、その中から選ばれた受賞者45人の写真を見ることができます。

大賞 (640x497)

展示作品の中で際立っていたのは、大賞作品。トルコの首都、アンカラで開かれた写真展の開会式で、22歳の非番警官が駐トルコ・ロシア大使を射殺した事件を撮ったものです。
目の前に拳銃を手にした犯人がいる状況でカメラを構える……、このとき、カメラマンはいったいどんな気持ちだったのでしょう? 写真を撮影したオズビリジさんが、コメントを発表されていますので、その一部をご紹介します。
「殺されるか、けがをするかもしれない。だが、ロシア大使が撃たれた。これは重大なニュースだ。ジャーナリストとして、この場にとどまり仕事をするのが私の務めだ」
「私が殺されたとしても、写真は残る」
最終的に、犯人は警察との銃撃戦で射殺されたそうです。

会場では、ほかにもイラクの難民キャンプで過ごす少女の写真や、シリアの仮設病院で血を流して横たわる子供たちの写真など、世界で起きている厳しい現実をとらえた報道写真がたくさんありました。

⑧Kai Oliver Pfaffenbach_Thomson Reuters_S1

最後の一枚は、ちょっと楽しい写真をご紹介。スポーツの部で受賞した作品です。2016年のリオデジャネイロ・オリンピック、100メートル走準決勝の場面。先頭で笑顔を見せているのは、世界最速の男、ジャマイカのウサイン・ボルトです。見るからにスピードが出ていそうな場面で、この笑顔。後ろの走者たちは必死に走っているのに、ボルトはどれだけ余裕があるんだと思います。こんな楽しい瞬間を撮ったカメラマンもすばらしい!

3つの写真展、いかがでしたか? まったくタイプの異なる写真展ですが、いずれも刺激的です。スマホでインスタを見るのも楽しいですが、美術館で写真を見るのもまた新鮮なもの。美術館なら雨の日でも楽しめるので、気になる写真展があったら、ぜひ足を運んでみてくださいね。

Information

『ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展』
会期:~ 6月25日(日)※会期中無休
時間:10:00 ~ 18:00(金・土曜日は21:00まで) ※入館は30分前まで
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
料金:一般 1,400円/大学生・高校生 1,000円/中学生・小学生 700円
ソール・ライター展公式サイト

『メルセデス・ベンツ アート・スコープ2015-2017―漂泊する想像力』
会期:~ 8月27日(日) ※休館日は月曜日。※入場は閉館の30分前まで
会場:原美術館
料金:一般 1,100円/大高生 700円/小中生 500円
原美術館公式サイト

『世界報道写真展 2017』
会期:6月10日(土)~ 8月6日(日)※休館日は月曜日。※7月17日開館、翌18日休館
時間:10:00 ~ 18:00 ※入館は30分前まで
会場:東京都写真美術館
料金:一般 800円/学生 600円/中高生・65歳以上 400円
世界報道写真展2017公式サイト

この記事を書いた人

田代 わこ
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出版社勤務を経て、フリーランスのライター・エディターに。主にエンタメ系コンテンツ記事を執筆。趣味は美術鑑賞と絵を描くこと。ananwebでは「カメラマンが教える! いいね! がつくスマホの撮影テク」も連載中です!