ハダカのコクハク【Epi8-1】「お父さんのアレ、どこに入れる?」

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Pink eye’s

性の目覚めを探ると面白い

私も、初めて出産の事実を知ったときのお話をしようかな。純子さんと同じく、小学生の頃、ひとりで悩んでいることがありました。それは、母親のお腹にいる赤ちゃんがどこから出てくるのかということ。

お腹の中の胎児はへそで母親と繋がっていることは知っていましたが、当時の私は、母親のへそが体の内側に伸びていて、胎児のへそと繋がっているのだと思っていました(実際は、母親の子宮内の胎盤が胎児のへそと繋がっている)。出産するときは、母親のおへそが広がって、へそから赤ちゃんが出てくるのだと考えていました。でも、そうだとしたら、へそと繋がっているはずの、へその緒は裂けちゃうのかな?? 謎でした。

ある日なぜか、「お父さんに聞いてみよう!」と思いついたのです。私は、過去の記憶はない方なのですが、そのときの記憶は鮮明に覚えています。

場所は、銭湯。私、小学生くらいまで男風呂に入っていたようです。今そんなことしたら、ロリコンおやじたちの恰好の餌食でしょうねえ……。という話はさておき、赤ちゃんがどこから生まれるのかを聞いたときの、父の返事は、

「女性には、おしっことうんちをする穴の間に、もうひとつ穴がある! そこから出てくるのだ!」

穴!? まさに純子さんと同じように、自分の体なのに知らない部分があることに、すごく衝撃を受けました。そのときの驚きが大きすぎて、私は性にまつわる仕事をし続けているような気がしています……。こんな風に、過去の出来事が、今の行動や感情に結びついていることは良くあります。

例えば「性的なことが苦手」という人がいますが、そういった人の中には「両親のセックスシーンを見たことがある」という人が少なくないようです。「お母さんのアエギ声が、お父さんに虐待されているように感じてこわかった」とトラウマを引きずっている人も。

また、セックスをお仕事にしている女性で、過去に性的ないやがらせ(レイプなど)を受けたことがある女性も少なくありません。「大切にしていた自分の体を汚されてどうでもよくなった」「逆に男を支配してやろうと思った」など、複雑な心境を聞かせてもらったことも。

セックスが好き、嫌い、興味がありすぎる、興味がなさすぎる……人それぞれに感情がありますが、自分がなぜそんな感情を持っているのかが知りたくなったら、あるいは、ネガティブな感情に振り回されてツラいなら、過去の記憶を探ってみるのも手。原因が分かるだけで、感情の整理ができることが多いからです。