28歳がピーク!? 老化を早める“腎気低下”を防ぐ冷えケアが必須

2017.1.8
冷えって、実は血管の問題なんです。
冷え
ゆったりとした服装で、体もリラックスした状態だと、血液もスムーズに流れる。ストレスは冷えの大敵。十分な休息と適度な運動を心がけて。

血の巡りを良くするために私たちができること。それは意外と簡単なことでした。血管外科医・林忍先生と鍼灸師・小井土善彦先生にお話を伺いました

鍵は、血管を広げ、血を巡らせること。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに分けられる。交感神経が働きすぎて、ぎゅっと収縮してしまった血管を広げるには、副交感神経にアプローチすることが重要。

「38度~40度のぬるめのお湯に20~30分ほどのんびり入ったり、少し汗をかくような運動をしたりすると、副交感神経が働いて血管が拡がり、全身に血が巡りだしますよ」(林先生)

腹巻きやレッグウォーマーなどで温める時は、締め付けないものを選ぶことも大切。

「冷え症外来では、体質に合わせた漢方や、血流を促進する効果のあるビタミンEを処方しています。ビタミンEや同じく血行を促すヘパリン類似物質が含まれたクリームで、手足のマッサージをするのも効果的です」

冷えに無自覚なままでいると早く老ける…!?

東洋医学では、体の成長や発育、生殖にかかわるエネルギーを「腎気(じんき)」と呼んでいる。腎気は、冷えの影響を受けやすい。

「女性の腎気は7年周期で変化します。腎気は生まれてから急激に増え、28歳でピークに達します。腎気が緩やかに低下する20代後半からは、無理をすると回復が遅くなってしまうと実感することが多くなります。しかも、冷えなどで腎気が低下したまま放っておくと、さらにすり減らしてしまう。体は少ない腎気をなんとか使いながら低空飛行をしているような状態に…。このような生活を続けていると、実際の年齢よりも何年分か年をとった体で生活することになり、体力や髪、肌などの衰えが早くやってきてしまう要因と考えられています」(小井土先生)

はやし・しのぶ 横浜血管クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業。血管外科医。日本では数少ない「冷え症外来」も開設し、冷えに悩む多くの患者さんが来院。

こいど・よしひこ 鍼灸師。せりえ鍼灸室院長。副院長の辻内敬子さんとともに冷えの改善に取り組む。共著に『妊活お灸』(河出書房新社)がある。

※『anan』2017年1月11日号より。イラスト・白ふくろう舎 取材、文・齋藤春菜

(by anan編集部)