初心者でも簡単に作れる! 10月におすすめの“薬膳酵素ごはん”レシピ3選

2022.10.12
「薬膳」と聞くと難しそうなイメージを抱きがち。でも実は、スーパーの食材を使って気軽に作れるのを知っていますか? 東洋の考え方がベースの「薬膳」×素材の力を生かす「酵素栄養」の考え方を取り入れた、10月におすすめのメインディッシュをご紹介!

キーワードは、“旬の素材”と“調理法”!

薬膳とは、東洋思想の陰陽五行説を取り入れた、体を健康に保つための食事法のこと。

「特別な材料を使うのかな、難しいのかな…と思うかもしれませんが、そんなことはありません。旬の食材を季節に合わせた味付けで食べることが、薬膳の第一歩」

と言うのは、医学博士であり、薬膳に関する書籍も上梓している内山葉子さん。

「私たちは自律神経を働かせることで、寒さや暑さなど環境の変化に体を適応させ、また、腸内細菌などさまざまな微生物とも共存しています。つまり私たちの体は季節や自然ととても密接な関係にあるといえます。例えば夏が旬のきゅうりは体の熱を取り除いてくれたり、冬の野菜として知られる根菜は体を温めるなど、旬の食べ物にはその時季の体が必要とする要素がたくさん含まれています。それゆえ、気候の変化に対応できる体づくりに一役買ってくれるわけです。ちなみに旬を覚えるのが難しいという人は、野菜売り場で安くたくさん売られているものを買えばOK。旬の魚は冷凍ではなく生で売られているので、そんな目線で売り場を見てみましょう」

また素材の効力を生かすには、消化のしやすさを考えることも大切。そこで重要になるのが消化酵素。

「食品には〈食物酵素〉が含まれており、これには体内にある消化酵素の働きをサポートする役割があります。食物酵素は50°C以上に加熱するとその働きが半減するといわれているので、なるべく酵素が減らない調理法、例えば生食や蒸す、煮るといった方法で調理することが大事。食材の栄養素をしっかり消化・吸収できる上、体内の消化酵素の使用を抑えられるので、その分体に余裕が生まれ、免疫力アップに繋がります」

今回は、薬膳と酵素栄養学を取り入れた10月におすすめの主菜をご紹介。初心者でも簡単に作れるので、ぜひトライを!

10月のおかず

徐々に肌寒くなり、体にうるおいが欲しくなる時季。

【陥りやすい健康状態】
夏の疲れが体に残り、そろそろ肌寒さも感じるシーズンです。とはいえ現代の10月の初めは、まだ暑い日もあるもの。体を温めすぎるのも逆効果なので、そこは要注意。朝晩の気温変化や乾燥によって鼻や喉に負担がかかり、また秋が深まってくると食欲が徐々に増してくるので腸のケアも必要に。体をうるおす食材を中心に献立を組み立てつつ、美味しいからといって食べすぎには要注意!

【pick up旬食材リスト】
・鶏肉、かぶ、生姜、にんじん、栗、柿、椎茸

栗と秋野菜のうま煮
出汁でじっくり煮込むことで、深みのある味を引き出します。

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【材料/4~6人分】
鶏もも肉…200g、栗…200g、ごぼう…100g、にんじん…2/3本、椎茸…100g、出汁…200ml、A[塩…小さじ2/3、醤油…小さじ1、みりん…大さじ1/2]、三つ葉…適量

【作り方】
1. 鶏もも肉は余分な脂を除いて一口大に切る。栗は剥いて大きければ半分に切る。ごぼうは泥を落として一口大の乱切りにし、水で洗う。にんじんは乱切り、椎茸は石づきを除いて半分に切る。
2. 鍋に1を入れて中火で炒め、鶏肉の色が変わってきたら出汁を入れてひと煮立ちさせる。アクが出てきたら取り除き、Aを加えて蓋をし、中弱火で10分煮込み、火を通す。
3. 全体に火が通ったら、蓋を開けて水分がなくなるまで煮る。器に盛り付けて1.5cm幅に切った三つ葉を全体に散らす。

和風ラビゴットソースでいただく蒸し塩豚
フレッシュな野菜と果物をソースにし、酵素をたっぷり。

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【材料/4人分】
豚塊肉…300g、A[塩麹…大さじ2、ねぎみじん切り…20g、おろし生姜…1かけ分]、かぶ…1個、にんじん…1/3本、柿…1/2個、B[醤油、黒酢…各大さじ1、蜂蜜…小さじ1]、水…大さじ4、カイワレ…適量

【作り方】
1. 保存袋などに豚塊肉を入れAを加えて揉み込み、冷蔵庫で1時間以上置く(置く時間が長ければよりやわらかくなります)。
2. かぶ、にんじん、皮を剥いた柿は粗みじん切りにしてBと混ぜ合わせ、ソースを作っておく。
3. 鍋に水を入れてひと煮立ちさせ、1を入れて蓋をし、弱火で蒸し焼きにする。途中水分がなくなっていないか確認し、少なくなっていたら水を足しながら加熱する。30分経ったら火を止め、そのまま10分ほど置き中まで火を通す。
4. 3の豚肉を薄切りにして器に盛り付け、2のソースをたっぷりとかける。カイワレを添える。

鶏肉と野菜のジンジャー蒸し
食材の水分と旨味がぎゅっと詰まった、基本の蒸し料理。

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【材料/2人分】
鶏もも肉…1枚(250g)、A[塩…小さじ1/2弱、おろし生姜…2かけ分]、かぶ…2個、にんじん…2/3本、しめじ…100g、ねぎ…10cm分、生姜…1かけ、ラディッシュ…2個、塩、醤油…各適宜

【作り方】
1. 鶏もも肉は余分な脂を除いて1.5cm幅程度に切り、Aを加えて揉み込んでおく。かぶは、葉の部分は3cm幅のざく切り、根の部分は半分に切る。にんじんは1.5cm幅の輪切りにする。しめじは石づきを取り除きほぐす。野菜類にはお好みで塩をまんべんなく振ってもOK。
2. ねぎと生姜、ラディッシュは全て千切りにしてさっと水にさらして混ぜ合わせておく。
3. 大きめに切ったクッキングシート2枚を用意し、1を半分量ずつ包む。にんじん、鶏肉、しめじやかぶの順に重ね、シートの両サイドをキャンディ包みのように捻って包む。
4. フライパンに3を入れ、包みの3分の1の高さ程度まで水を入れ、中火にかけて沸騰させる。沸騰後、蓋をして中弱火で10~15分蒸す。全体に火が通ったら取り出し、肉汁や、野菜の水分ごと器に盛り付ける。2を添え、お好みで塩や醤油をかけていただく。

内山葉子さん 医学博士、総合内科専門医、腎臓内科専門医、ホメオパシー専門医。葉子クリニック院長。最新著書は『免疫力をととのえる薬膳酵素ごはん 医者が教えるアンチエイジングレシピ』(ユサブル)。その他著書多数。

※『anan』2022年10月19日号より。写真・松村隆史 料理作製、スタイリング・田村つぼみ

(by anan編集部)