橋本愛「トラコさんの教育方法は突飛」 “合格率100%”の家庭教師役に

2022.8.7
ドラマ『家庭教師のトラコ』で橋本愛さんが演じる根津寅子(=トラコ)は、“合格率100%”と評判の家庭教師。母親たちは我が子の志望校合格を願い彼女を頼るが、教えてくれるのは勉強じゃない!? しかも、常識とはかけ離れた方法で…。
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「初めて脚本を読んだ時は『トラコさん、何をしでかすんだ』と思いました(笑)。それぐらいトラコさんの教育方法は突飛だし、人として大丈夫なのかと心配になるところも。でも、実はそんな行動には意味があって、子どもだけでなく、結果的に家庭そのものが救われていく。あとから『そういうことだったのか』とわかり、改めて遊川さんの作品は、道筋の描き方がすごいなと思いました」

「遊川さん」とは、今作の脚本を手がける遊川和彦さんのこと。プロデューサーは大平太さんで、二人がタッグを組むドラマに橋本さんが出演するのは、『同期のサクラ』『35歳の少女』に続いて3度目となる。

「私が以前ご一緒した作品と今作には、通じるものを感じていて、それはその根底に“怒り”があるということ。トラコさんは、ある怒りを持って行動しています。ただ、私自身はその感情と距離を置いた生き方をしているので、クランクイン前に、遊川さんや大平さんと意見を交わしたりしながら、ようやく自分の中で腑に落ちる答えが見つかったという感じです」

劇中には、それぞれ事情の異なる3組の母親と子どもが登場する。おもしろいのは、トラコ自ら各家庭に合わせて、メリーポピンズ風、体育会系の熱血教師風、妖しい教師風と、衣装やキャラを変えること。

「作為的に演じ分けることはほとんどなくて、衣装を着てセリフを喋ったら、自然とそのキャラクターが出てくるんです。だから3つの役柄を演じることに、あまり難しさは感じていないかも。むしろ一番ラクなのは熱血教師風。がに股で歩いても咎められないところとか、解放感があるんです(笑)」

そんな三変化も含め、トラコはどこか謎めいたキャラクター。でも、子どもたちは彼女と行動をともにすることで、“正しいお金の使い方”を学び、ひいては自分にとっての本当の幸せにも気づくようになる。

「トラコさんは子どもたちに、答えを教えるようなことはしません。自主性を尊重するというか、種さえまけばあとはその人自身の問題だからと関与しない距離感が、私はすごく好きなんです。誰かの押し付けではなく、自分の幸せは自分で決めることが大切だと思うから。そんなトラコさんの言動から、何か生きやすくなるようなヒントを持ち帰っていただけたら、こんなに嬉しいことはない、と思いながら演じています」

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『家庭教師のトラコ』 トラコが家庭教師として通うのは、問題を抱えた3組の家庭。彼女は子どもたちに、勉強ではなく、生きていくうえで大切な“正しいお金の使い方”を教えるのだった。トラコはなぜお金にこだわるのか。その狙いとは? 毎週水曜22:00~日本テレビ系で放送中。

はしもと・あい 1996年1月12日生まれ、熊本県出身。2010年のデビュー以来、ドラマや映画への出演多数。声の出演映画『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』が10/7に2作同時公開する。

※『anan』2022年8月10日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) インタビュー、文・保手濱奈美

(by anan編集部)