Aマッソ・村上「加納さんが出ていった時は枕を濡らしました」 23年来の仲良しの秘訣

2022.7.23
昨年の『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ)ではプロジェクションマッピングを使った斬新な漫才で自らの笑いを更新し、『有吉の壁』(日本テレビ)や『トゲアリトゲナシトゲトゲ』(テレビ朝日)などのテレビバラエティにも挑み続けるAマッソ。出会いは小学5年生で、上京後は長らくルームシェアをしていた、23年来の仲良しの秘訣とは。

8年の共同生活で築かれた強い関係性。

Amasoo

――東京に出て一緒に住むことは、最初から決めていたんですか?

加納:そうですね。でも「一緒に住みたい!」ってわけじゃなくて、あくまでお金がなかったから。住むエリアもこだわりなかったよな。

村上:うん。ただ先輩から「中央線沿線はやめとけ。売れない芸人、バンドマン、役者が多く住んでて、その雰囲気が漂ってる」って言われて。大田区にある、謎の御嶽山っていう駅に決めました。

――友達とはいえ、一緒に暮らすと変化はありませんでした?

加納:いや、別にベッタリでもないし、そもそも家に帰ってなかったです。バイトして、劇場が多い新宿駅東口近くの喫茶店でネタ書いて、花園神社で漫才の稽古して。

村上:うちも夜勤バイトしてたし、帰ったら加納さん寝てたりして。

――どっちかが料理を作るとか…。

加納:全然! バイト先でまかない食べさせてもらってました。

村上:米だけもらって、もやしをポン酢で食べて。飲みに行っても、後輩に奢るお金がなくて一人飲み。

――今日の撮影場所の尾山台にはいつ頃引っ越されたんですか?

村上:上京して4年後の、『笑けずり』(NHK BSプレミアムで2015年に放送された生き残りバラエティ番組)に出た頃ですね。

加納:自転車でファミレス行って、ネタ書いてました。懐かしいなあ。

村上:番組の影響でライブに呼ばれることが増えたから、加納さんにはネタ作りに専念してもらって、そのぶん私がバイトしてました。

――すごい! そんな下積み時代を経て、今は別々に。ルームシェア解消は寂しくなかったですか?

加納:いや別に。

村上:ばりドライ(笑)。加納さんは大学で一人暮らしを経験してるけど、うちはなかったんで、出ていかれた時は悲しかった。枕を濡らしました。

――お二人ともご結婚もされて。例えば、お互いの家族を交えてキャンプとかって……。

村上:なんでやねん。

加納:なんでやねん。

――失礼しました。友達から相方になって、二人の関係性が変わった部分はあるんでしょうか。

加納:ひとつターニングポイントがあるとすれば“相方になった時”じゃないですかね。「予定を合わせる」がなくなったし。

村上:うん。約束してプリクラ撮りに行く、とかなくなったもんね。

――プリクラ(笑)。呼び方は?

村上:昔は「あいぴー」って呼んでくれてたけど、今は「村上」。

加納:相方の話で「あいぴーがさあ」って言うのも変やからね。

村上:でもお願い事がある時は今も「あいぴー」やんな? 「あいぴー、新しいネタ頑張って」とか、そんなん言われたら聞くしかない。

加納:村上は「加納さん」よね。

村上:生かされてますから。うちはネタが書けないし、ほんまに意思がなくて。だから信頼してます。

――お互いを尊重して干渉し合わないのがいいのかもしれませんね。

加納:そうですね、むかつかないんですよ。喧嘩もしないし。

村上:うん。うちがネタに物申したり、「嫌や」って言うヤツやったりしたら喧嘩になってたかも。トップダウンがいちばん。

――波長が合うんでしょうね。

村上:そう、悪口を共有できるのも大きいです。その人の文句を言っておけば、うちらは仲がいい。

加納:共通の敵って常に現れるんですよ。いなくならない(笑)。

――二人でいる安心感は?

加納:一緒にいることを安心とは思わないですけど、『R‐1グランプリ』に一人で出た時の孤独はものすごかった。めっちゃ不安で、「これ、ピン芸人は毎回やってんねや」と。普段心強いとは感じないけど、一人になると心細いんやなと思いました。

村上:うちはいつも心細いけどな。

エイマッソ 幼馴染みの加納(右)と村上(左)が2010年にコンビ結成。『女芸人No.1決定戦 THE W』では’20年から2年連続で決勝進出。MBSラジオ『Aマッソのヤングタウン』が毎週木曜22~23時半に放送中。第9回単独ライブ『与、坐さうず(あた、いまそうず)』が8月26日から東京、愛知、大阪で開催予定。チケットの一般発売は7月23日~。ワタナベエンターテインメントライブ事務局 TEL:03・3746・1154

※『anan』2022年7月27日号より。写真・玉村敬太 取材、文・飯田ネオ

(by anan編集部)