マイナス27kgのダイエットに成功!? 健康的に痩せるカギ“PFCバランス”とは

2022.7.16
食べてカラダを作るコツは“PFCバランス”にアリ? 良質な筋肉と代謝アップを目指すなら、適正なPFCバランスを心がけて。

自身も身長153cm、体重47kgというヘルシーな体をキープする、パーソナルトレーナーで『ゆるプロテインダイエット』(KADOKAWA)の著者・つむらみおさん。実は小さい頃からお菓子が大好きで、ダイエットとリバウンドの繰り返しだったそう。

「ダイエット迷子状態から抜け出せたのは、正しい知識に基づいた食習慣を身につけたからでした。その肝がPFCバランス。全然足りていなかったタンパク質をとにかく意識して、脂質は控えめに。炭水化物は代謝を落とさないために、カットしませんでした。PFCバランスのとれた食事は満足感が高く、それ以上食べたいと思わなくなり、大好きだったお菓子の量も自然と減っていきました」

その結果、MAX74kgからマイナス27kgのダイエットに成功!

「PFCバランスが整うと体重や体脂肪が減るだけでなく、疲れにくくなるなど、体調面でもいい変化を感じてくるはず。さらに、心もエネルギーが漲るような感覚になり、前向きな自分になれますよ」

心身ともにポジティブな変化が起こるPFCバランスを意識した食事について、詳しくご紹介!

PFCバランスとは?

P=Protein、F=Fat、C=Carbohydrateのバランスのこと。
エネルギーを作り出す三大栄養素であるタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の摂取比率を意識し、タンパク質多め、脂質少なめの食事を摂れば、筋肉がつきやすいカラダに!

P:タンパク質(Protein)
筋肉や骨、臓器などを作る栄養素。特に、筋肉は水分を除くと約80%がタンパク質。ホルモンや酵素、免疫物質など体を調整する物質の材料にも。肌や髪、爪もタンパク質から作られるので、しっかり摂取すると美容的にも◎。

F:脂質(Fat)
PFCの中で1gあたりのカロリーが最も高く、効率のよいエネルギー源となる。脂溶性のビタミンの吸収を助けたり、細胞膜やホルモンを作る材料になったりと大切な働きがあるので、ダイエット中、やみくもに抜くのはNG。

C:炭水化物(Carbohydrate)
筋肉や脳の活動に欠かせない栄養素で、特に脳にとっては唯一のエネルギー源。消化酵素で消化されエネルギーとなる糖質と、ほぼ消化されない食物繊維の2種類に分けられ、糖質の代謝を促すには、ビタミンB1を同時に摂るといい。

PFC

基本はイラストのようにタンパク質豊富な主菜を中心にした一汁三菜、脂質控えめの献立がおすすめ。

PFCバランスを管理して、健康的に痩せるカラダを作る方法。

ダイエットを目的とする場合に、自分が目指すべきPFCバランスはどのくらいなのかチェックしよう。

正しく“食べる”がダイエット成功のカギ!

ダイエットが長続きしない、やめた途端にリバウンドしてしまうのは、その方法に無理があるから。

「特定の何かだけを食べる、もしくは何かを食べないダイエット法は、どうしても我慢を強いることになりますし、栄養面に問題があることも。一方、PFCをトータルで考えた食事の知識を身につけ実践すれば、美しく、健康的な人生を送れます」

改めて、各栄養素の大切さを知っておきたい。

「P=タンパク質は、ほとんどの人が不足気味。プロテインドリンクを上手に活用しましょう。逆に多い傾向があるのがF=脂質です。ただ、ダイエットというと過剰にカットしがちですが、適量を摂らないと逆効果! というのも、息を吸う、心臓を動かすといった、人間が生きるために最低限必要なエネルギー量(基礎代謝)を効率的に上げるには筋肉が必要で、脂質が減ると筋肉の減少を招いてしまうんです。C=炭水化物も不足するとカラダは筋肉を分解してエネルギーにしようとするので、基礎代謝が下がってしまいます。“食べるのは悪”という考えは捨て、PFCをバランスよく食べて」

PFC栄養素早見表

普段目にする食材に、PFCがどのくらい含まれているのかチェック。
※100gあたり ※日本食品標準成分表2020年版(八訂)から引用

P:主菜でたっぷり摂りたい肉・魚・大豆製品…etc。
まずタンパク質といえば肉。牛肉はヒレ19.1g/もも21.3g/肩ロース16.5g。鶏肉(皮なし)はむね24.4g/もも22.0g/ささみ24.6g。豚肉はロース19.3g/バラ14.4g/ヒレ22.2g。入手も調理も簡単な魚の代表格、サバ水煮缶は20.9g。そのほか豆腐は木綿7.0g/絹ごし5.3g。納豆16.5g。卵は1個あたり6.8g。

【1日の摂取量の目安】
体重(kg)×1~1.5gが摂取目安。

F:筋肉減少を防ぐ栄養素だが無自覚に摂る隠れ脂質には注意。
油脂の王様ともいうべきバターは100g中81.0gと高脂質。マヨネーズも油分が多く76.0g含まれる。おやつのチョコレートは34.1g。野菜類では“森のバター”ともいわれるアボカドは17.5gのほか、ナッツ類にも意外と多い。鶏肉の皮にも多く含まれるので摂りすぎは注意。

【1日の摂取量の目安】
減量したい成人女性の場合30~50g

C:ご飯、パン、麺類など、主食に多く含まれる栄養素。
一般的なお茶碗1杯よりも少なめの100gのご飯に含まれる炭水化物は、白米37.1g/玄米35.6g。パン類はそれよりも多く、食パン46.4g/クロワッサン51.5g/フランスパン57.5g/ベーグル54.6g。麺類は生で換算すると、中華めん55.7g/うどん56.8g/そば54.5gと、こちらもご飯より多く含まれる。

【1日の摂取量の目安】
摂取可能カロリー-(P+F)

つむらみお パーソナルトレーナー、ダイエット遺伝子アドバイザー。登録者数72万人以上のYouTube チャンネル「みおの女子トレ部」では自宅トレなどの正しい知識を発信。著書に『みおの女子トレ部のやせる!食べトレ』(学研プラス)。

※『anan』2022年7月20日号より。イラスト・中島梨絵

(by anan編集部)