最も運気が強い日は? 暦から読み解く“7月の吉日”TOP5

2022.6.10
話題の一粒万倍日など、様々な暦の吉日が多く重なった7月の吉日トップ5を公開。良い流れを作るには、その日の過ごし方が大きなカギに。

私たちの最も身近な暦といえば、カレンダーに書かれた大安などの六曜。実は日本には古から受け継がれてきた暦が40種類以上あり、昔から人々が幸せに豊かに生きていく知恵として暦が活用されてきたと、日本良学の藤本宏人さん。

「最近話題になっている『一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)』は選日(せんじつ)、『天赦日(てんしゃにち)』は暦注下段(れきちゅうげだん)というそれぞれ別の暦の最も強力な吉日です。江戸時代には、そんな暦の中の運気の良い日だけをピックアップして、ゲンを担いでいたといわれています。吉日を意識すると行動が変わり、何も知らずにただなんとなく過ごすより、恩恵にあやかり、幸運の波を引き寄せやすくなります」

暦は1年間で循環していくが、特に7~9月は、秋から翌年に向けて良い流れを作るために重要な時期だそう。

「太陽のエネルギーが強く、一年の間で波の動きが最も激しくなる3か月です。しかし波が高いと谷も深い。ただでさえアクティブになりやすい季節だからこそ、行きすぎた行動には注意しなくてはなりません。昔の人は短期的ではなく、長期的に平穏な日々を過ごせるように、暦をうまく利用してきました。お盆休みがあるのもそういったゆえんからです。夏を穏やかに過ごせれば、実り豊かな秋を迎えることができ、良い運気を保ったまま来年に繋げることができるのです。吉日は、積極的に行動すべき日だけでなく、自分の内側に目を向けたほうがよい日もあります。そんな大切な吉日と、その日に何をすべきかを知っておけば、モチベーションをキープしつつ、チャンスを上手に生かすことができます」

7月の吉日トップ5

lucky

7月4日(陽の大吉日)

一粒万倍日、大安、建、神吉日、大明日

新たな出会いなど、良いご縁が拡大!
陽の大明日に、一粒万倍日、大安が重なった日で、行動すればするほど良縁を引き寄せられる。新しく出会った人との結びつきを強めることができるので、いろんな場所に顔を出すと、良い流れを呼び込める。あまり話したことがない顔見知りの人をランチに誘ってみるのもあり。明るい態度や受け答えが、ラッキーアクション。

7月7日(陽の大吉日)

一粒万倍日、友引、満、大明日

周囲の人への気配りが自分の成長に直結。
うれしいことが万倍化する、陽の大明日。満は、受動的な態度が良いとされる吉日なので、ニーズやリクエストに応える気持ちを持っていると、新たな気づきが得られる。この日は七夕(しちせき)の節句でもあり、中国では出世運が決まる日でもあるため、周囲の人の成長や学びをサポートすると、仕事運や対人運が上昇する。

7月16日(陰の大吉日)

一粒万倍日、大安、閉、神吉日、大明日、母倉日

優雅に振る舞うと、思わぬひらめきが!
神吉日と大明日で見えない領域からの支援が強まり、母倉日で思いやりや優しさが万倍返しとなる日。この日の閉は、閉ざされた空間と解釈し、言葉遣いや立ち振る舞いをいつもより丁寧にして、会社や自宅でゆったりと過ごしてみるのが◎。陰の大吉日なので、新しいアイデアが浮かんだりと、内側に良い変化が訪れる。

7月19日(陰の大吉日)

一粒万倍日、友引、満、神吉日、大明日

ちょっとした贅沢が良縁をつかむ!
満と大明日により、自分の心を満たすようなことに対して、一粒万倍日を活用するカギに。例えばいつもより贅沢な食事をしたり、アクセサリーやファッションをアップデートすると、良いご縁に恵まれる。友引なので、友達とのコミュニケーションも積極的に。この日にお金を使わないと、逆に金回りが悪くなるので要注意。

7月28日(陽の大吉日)

一粒万倍日、大安、閉、神吉日、大明日、天恩日、母倉日

身を委ねると、良い方向に導かれる。
プラスの暦が多数集まる、7月で最も運気が強い日。陽の大吉日だが、偶然の要素が良い方向へと導いてくれる日なので積極的よりも受動的で自然と良くなる日。普段なら全力で向き合わないといけない場面もあえて力を抜いて流れに身を任せてみると、予想以上の結果が得られる。お願い事が有効な神吉日でもあるので、神社を参拝するのもよい。

吉日用語解説

一粒万倍日
選日という暦の吉日で、この日に始めたことは成功しやすいとされ、農家なら種をまき、商家なら開店に適した日とされていた。ここ数年、一粒万倍日に芸能人が結婚したり、宝くじ売り場に貼り出されるようになり再び注目されるようになった。しかし実は、良いこと、そうでないことに関係なく、全体のエネルギーが高まって最初の一粒が大きく、広くなる傾向が。そのため自分にとって良くないことには注意が必要。重複する暦により傾向は変わるが、八方美人はNG。良縁、仕事、お金など、万倍化させたいことをしっかりと認識したうえで、行動すべき。年ごとに微差はあるが、年間60回ほどの頻度で巡ってくる。

天恩日
歴注下段という暦に含まれた吉日で、現代でも暦の上で最高の吉日といわれている。普段地上を監視しているすべての神様が天に昇り不在になるため、これまで神様が厳しく見張っていたことも赦される日とされ、あらゆることに見えない領域からの支援が増大する日。運気が上昇するだけでなく、コミュニケーションや感情面においても、その恩恵が与えられる。しかし綿密な計画や戦略的な行動をとってしまうと、せっかくの天の支援が関与する隙がなくなってしまい、もったいない結果になってしまうことが。運を天に任せるスタンスで、自然体を意識すると、素晴らしいご縁やあらゆる可能性が広がっていく体験が得られるはず。

陰陽(いんよう)
日本の占いも含めて、あらゆる吉日には陰と陽があり、中国の陰陽五行や西洋の暦、数秘術により導き出され、長く受け継がれてきた。陽は光が当たって、それに対して認識・識別できることの領域。すなわち積極的に行動を起こすことで見えてくること。陰は光が物質に当たって影ができる部分。すなわち目に見えない部分で、自分の思考にアプローチすること。陽の大吉日と陰の大吉日ですべきことや行動が全く異なってくる。

六曜(ろくよう)
カレンダーに記されることも多い暦。6つのうち3つが吉日。【大安】あらゆることがうまくいく日。大きく安らかに構えるとよい。【先勝】午前中が吉とされているが、先手必勝という解釈もあり、午後であっても先回りしてやると縁起が良い。【友引】時代によって解釈が異なるが、友が引き寄せ合うことから良縁が結びやすい日。ただし午前11時から午後1時30分は相性が悪い時間帯といわれるので、大事な人とは会わないのが無難。

暦注下段
暦の最下段に書かれていたことが名前の由来。季節や節月、日の干支との組み合わせで割り出され、天赦日以外の6つの吉日がこちら。【神吉日】神様のご機嫌がいい日。心で願うことが、現実化しやすくなる。【大明日】太陽が隅々まで明るく照らしてくれる日で、笑顔を意識するだけで、良い運気に乗れる。【鬼宿日】人間よりはるかに力の強い存在である鬼が味方になり、不思議な力が強まる日。結果を決めつけずに、行動してみるとよい。【天恩日】すべての人が天から恩恵を受ける日。うれしい偶然や想定外の良いことが起こりやすく、最近会えていないが気になっている人に連絡するタイミングとしても◎。【母倉日】母が子に接するように思いやりや優しさを持つと、良いご縁を引き寄せられる。【月徳日】その月の福を司る日で、気持ちや心などが、良い方向へ変化する。目に見えないことを推測することにより、意図しない物事に身を任せたほうが、良い変化が表れる。

十二直(じゅうにちょく)
暦の中段に記されていたことから、暦中段とも呼ばれる。北斗七星の柄杓が季節によって指す方角を、十二支に割り当てたもの。12あるうち、今回登場した3つを紹介。【建】計画や意図していたことが、うまく現実化するタイミング。逆に、仕切り直しには向かない。【満】受動的な態度がうまくいく日。これまで努力してきたことや、コツコツ積み重ねてきたことが成果として表れやすい。肩の力を抜くと、持ち前の能力を発揮できる。【閉】現状を確認し、管理することで、良い展開へと発展する。

藤本宏人さん 日本の伝統から生まれるご利益を様々な形で伝える「日本良学」代表。ご利益研究34年。著書に『365日のご利益大全』(サンマーク出版)。暦から良い側面のみ抽出して届ける「ご利益1万倍のこよみメール」を毎日配信中。

※『anan』2022年6月15日号より。イラスト・宮原葉月 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)