優木まおみ、美の秘訣はピラティスだった? 背骨が整うオリジナルメソッドを公開

2022.5.28
背骨を整えることで、体全体の歪みや悩みを改善する“ピラティス”。優木まおみさんが提案するのはオリジナルメソッドの「MAOBICS」で、今回はananだけのプログラムを考案していただきました!

背骨の動きを知り、体の悩みを改善しよう!

私は、34歳の時に長女を、37歳の時に次女を出産しました。産後は体型は崩れ、体調も常に悪く、そんな自分に落ち込む日々。ある日、通りすがりに見つけたのが、ピラティス教室でした。通い始めるとすぐに深い呼吸ができるようになり、自律神経が整ってきたのか、よく眠れるように。そもそもピラティスとは、高齢者や病気療養者のリハビリのために開発されたもの。筋肉を正しく使えるよう、背骨を整えていくため“骨格リセット”ともいえます。私も、もっと健康になりたい、毎日笑って過ごしたい…そんな思いでピラティスにのめり込み、ついにはインストラクターの資格を取得。そして、ピラティスをベースに、独自のメソッド「MAOBICS」を考案しました。

現在は教室を開き、生徒さんに教えながらメソッドを継続。家では、フォームローラーやボールを使って、その日の疲れを取ったり、体のバランスを整える程度で、体調や体型をキープしています。

今回は、普段動かさない背骨を、曲げたり、伸ばしたり、ひねったりして、次のステップとして、筋肉と体幹を正しく使う、体幹リセットのメソッドを提案します。毎日行わなくても大丈夫。週に2~3回、空いた時間に10分でもいいので、その時に動きが悪いと感じた背骨のパーツや、固まった筋肉を、動かすだけでOKです。続けていれば、体はきっと変わります。

背骨が整うピラティスのポイント

POINT 1:太極拳のスピードで行う。

勢いに任せてブンブンと動かすと、背骨や筋肉を使わずに反動だけで動くことに。筋肉は、後ろ側が伸びていたら前面が収縮していることを意識しながら、ゆっくり行うこと。

POINT 2:呼吸を止めない。

呼吸を促すのは、横隔膜の筋肉。それに伴い、骨盤底筋群は、息を吸った時に下がり、吐いた時に上がるので、常に内臓とその周辺の筋肉を動かすために、呼吸を続けること。

POINT 3:スタートポジションを正確にとる。

間違った姿勢でスタートしてしまうと、背骨や背骨に連動する筋肉を正しく使えずに、意味のない動きになってしまう。スタートポジションは丁寧にチェックして守ること。

ポジションチェック

背骨は、本来のポジションを保つべき。

24個の骨と関節と、仙骨、尾骨からなる背骨。この背骨が、生活習慣や運動不足などから、動きにくくなり、周辺の筋肉も凝り固まることで、姿勢が崩れる原因に。猫背なのに反り腰、お腹が出てしまうなど、姿勢の崩れをまずはチェックしよう。

Health

正しいポジションは、耳と肩の位置が一直線上にあり、首の後ろと腰は軽く反っていて、胸の後ろがやや丸まっている状態。横から見ると、背骨が緩やかなS字カーブを描いているのが正解です。頭が前に落ち、お腹が出たり腰が反るのはNG。

可動域チェック

運動の前後に背骨の可動域チェックを!

Health

可動域を知る“シーホース”の動き。鼻の真後ろに背骨の一番上があるので、その辺りを意識して、息を吐きながら上から順番に背骨を丸めていく。膝を曲げてもいいので、体を折り曲げて、頭頂部を真下に向ける。運動前後にして変化をチェック。

まずは背骨の4つのムーブをマスターしよう!

それぞれ5回ずつ行い、背骨の可動域を感じて。

ビギナーは、背骨をどのように動かすのかを知ることから始めましょう。基本となるのは、ここで紹介する、“フロントC”“バックC”“サイドC”“トルネード”の4つの動き(ムーブ)。すべてのムーブは、スタートポジションについたら、呼吸のリズムに合わせながら、次の姿勢へゆっくり動かし、またスタートポジションにゆっくり戻すという流れになっています。スタートポジションから始め、次の動きに移ったら、再びスタートポジションに戻して1回と数えます。これを、各ムーブ5回ずつ行いましょう。これだけでもかなりスッキリしますよ!

【フロントC】背骨を前傾に伸ばす。

背骨を体の前側に巻き込むように意識しながら、腰から首までの背骨を使って、カーブを描きながら前傾に。背骨が、アルファベットの“C”のような丸みを帯びるのが正解です。

シュリンプ×5回

背肉がすっきりして、姿勢が整う。
まるでシュリンプのように、丸みを帯びたシルエットが特徴。後頭部から坐骨までを使い、背中全体でカーブを描いて、背骨と背中の筋肉の柔軟性をアップ。

Health

START POSITION
坐骨と骨盤を立てて長座をして、両腕は肩幅に開いて床と平行になるように前へ出す。背骨を1回上にグンと伸ばし、両肩の力を抜いてストンと下げて、背骨をまっすぐに保つ。視線は正面に、膝は少し曲げてOK。

後頭部から坐骨まで背骨を一つずつ丸める。
息を吐きながら、後頭部、首、胸、腰の順番で背骨を上から丸めていく。腕は、背骨を丸める過程で自然と前に押し出される感覚で。一度息を吸い、息を吐きながら、今度は背骨を腰から積み戻すように元の姿勢に。

【バックC】背骨を反らして“C”を描く。

坐骨を突き上げ、坐骨から首までの背骨全体を反らすようにして、カーブを作る。フロントCとは逆のCを描くことで、背骨と背中の柔軟性と可動域をより広げます。

ムササビ×5回

美しい背中作りとヒップアップに。
脊柱起立筋群と肩甲骨の可動域を広げる菱形筋、僧帽筋の柔軟性をアップさせる動き。太もも裏のハムストリングスだけの力で脚を浮かせることで、美尻効果も。

Health

START POSITION
うつ伏せになり、手はマット幅に広げて頭の方に伸ばす。足もマット幅に開き、手のひらと足の甲を床につける。恥骨が浮いてしまうのは腰が反っている証拠なので、恥骨はマットに沈めるようにして、腰には力を入れない。

手足の指先までエネルギーを巡らせる。
息を吸いながら、背骨の上側から順番に反らしていくと同時に、腕を床から上げる。脚は太ももの力で付け根から持ち上げ、背骨で“C”を描く。その姿勢を数秒キープしたら、息を長めに吐きながら元の姿勢に戻る。

【サイドC】背骨を左右に側屈。

背骨は前後だけではなく、左右にも反らして柔軟性を高めると、連動するより多くの筋肉を使えるように。体のどこにも力を入れず、リラックス状態で行いましょう。

バタフライ×左右各5回

腹筋から二の腕まで広範囲に負荷。
腹筋、上腕三頭筋、肩甲骨の動きを良くする、菱形筋や僧帽筋と、上半身の広範囲に一気にアプローチできる動き。肩に力が入りやすいので、力を抜いて行うこと。

Health

START POSITION
坐骨と骨盤を立ててあぐらをかき、両手を後頭部で組む。頭は手に任せるようにすると、首や顎のポジションも整う。肘は外側に、視界に少し入る程度まで開く。お腹と背中をくっつける感覚で、自然呼吸をしてスタンバイ。

気持ちいいと感じる“最適可動域”で行う。
自然に呼吸をしながら、背骨を横にアーチさせる。この時、左右の坐骨が床から浮かないように注意しながら、自分の気持ちいいと思うところまで脇腹を伸ばす。背骨を上に引っ張るような感覚で行うと、やりやすい。

【トルネード】背骨全体を回旋させる。

前後左右に加えて、ねじりを入れることで、全方向から背骨を動かしてアプローチ。腰、胸の裏側、首まで、長い背骨の全体を意識しながらひねって、よりしなやかな背骨、筋肉作りに。

コアラ×左右各5回

体幹の強化と、ぽっこりお腹の解消に。
脊柱起立筋群、脇腹から背骨に向かってついている広背筋、腹筋の横の腹斜筋を総動員。日常生活では意識しないとやらない、ひねりの動きで、血流もアップ!

Health

START POSITION
バタフライと同じように、坐骨と骨盤を立ててあぐらをかき、両腕は胸の前でクロスさせる。肩が内側に巻いていないか、首が前に出ていないかを確認する。リラックスを意識し、腕はどこにも力を入れないこと。

おへその後ろからひねるような感覚で。
息を吐きながら、おへそ、肩、首と順番に体を横に向ける。一気に体を横に向けるのではなく、順番にひねることが重要。最後は、お腹と顔は同じ方向に。息を吐き切ったら、息を吸いながら正面に戻り、反対側も同様に。

ゆうき・まおみ 1980年3月2日生まれ、佐賀県出身。『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)の、木曜レギュラーとして出演中。著書に『マオビクス 背骨から身体を変える おうちピラティス』(リブレ)ほか。

トップス¥6,500 パンツ¥14,800 ヨガマット¥9,500(以上ルルレモン TEL:0800・080・4090)

※『anan』2022年6月1日号より。写真・北村圭介 スタイリスト・木津明子 ヘア&メイク・犬木 愛 取材、文・若山あや

(by anan編集部)